斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「私は勉強以外苦手で人間関係も苦手で高校中退。発達に自分と同じ傾向がある5歳の娘には同じ辛さを味あわせたくない。どう子育てしたらいいか」

今日は一人小町です。子どもの育て方の相談。

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Q. 娘に自分が経験したのと同じ辛い思いをさせたくない

長女の教育で悩んでいます。

先日、保育園の担任から、長女はぼーっとしているところがあると言われ発達の検査を受けました。長女は今5歳なのですが、発達の検査を受けたところ聞く力は5歳で年相応だが、見る力は6歳くらいの能力がある。その中でもパズルを解く力は10歳くらいの能力があると言われました。見る力の方が長けているので、聞くことが退屈になってしまったりしてぼーっとしてしまうのではないかとの事でした。

家ではぼーっとしているというか、彼女なりに考えていることがたくさんあるようです。最近は数字に興味があるようで、この前は「5が8個あったら何個になるか数えたいけど、何回5を数えたか忘れちゃう…」と言っていました。右手で5を数えて、左手は5を数えた回数にしたらどうかと伝えたら上手に数えて無事40という答えを出していました。ちなみにかけざんを教えたことはありません。

私自身も発達がアンバランスであり、以前病院で受けた発達検査では処理速度のIQだけ140くらいありました。それ以外は100くらいです。私は子どものころからこの発達のアンバランスに悩んでいました。小さいころから勉強だけはできたのですが、それ以外がすごく苦手で、運動全般苦手だし、忘れ物や遅刻も多くそれがとてもコンプレックスでした。学生のころは先生達によく生意気だと言われていました。勉強ができるのに他のことができないのは手を抜いている、周りをバカにしていると思われていたようです。

私は当たり前と言われることが勉強以外はできなかったので自分のことをずっと出来損ないだと思っていました。勉強だけできても人間として大事なものが欠けているとずっと思っていました。

勉強もできたのは中学生くらいまでで、ちゃんと宿題や勉強をしていなかったので高校生くらいから成績は落ちました。人間関係もすごく苦手だったので高校は中退しました。

娘には私と同じような辛い思いをさせたくない、長所を活かしてほしいと思うのですが、どのような教育、子育てが良いかアドバイスが欲しいです。

今やっているのは

・幼児向け通信教材ペアゼット(勉強をきらいになってほしくないので無理強いせず、彼女のペースでやっています。毎月課題の5~6割くらいをこなしている感じです)

・子ども英語サークル(月に1回くらい、英語で歌ったり踊ったりしています)

・運動教室(テニス、サッカー、なわとびなど月毎にいろんな運動をしています)

今後やろうかなと思っているのが

・ガールスカウト

・子どもが興味がある楽器

です。

あと毎日の子育てで気をつけているのは、勉強やお手伝いを無理やりさせない、相手を尊重する、話しをちゃんと聞く、興味があるものを一緒に膨らませていく……などです。

マジックに興味を持った時は子供向けのマジックの本をメルカリで買ったり、手芸に興味を持ったときは100均一で刺しゅうキットを買って一緒にやったりしています。

他にこうやったほうが良い、こういうのは良くないなどアドバイスがあればお願いします。

以上、相談です。

彼女が劣等感を持たず、楽しく育ってくれるよう私にできることがあるなら何でもやりたいです。発達障害・子育て・ギフテッドなどの本を読んでも一人で空回りしてしまい、混乱してしまうので相談させていただきました。

一読者より

A. 前提として自身の存在を肯定すること、子育てでは生活習慣(睡眠・食事・排便)を身につけてもらい無条件の愛情を注ぐこと

私は別に子育ての専門家でもないので、アドバイスするような立場ではないものの、n=1として思ったことを書きます。

まず、

発達障害・子育て・ギフテッドなどの本を読んでも一人で空回りしてしまい、混乱してしまうので相談させていただきました。

ということですが、私の受けた印象だとすでに空回りして、混乱している気配がある気がしました。というか、頑張り過ぎというか。

最初に娘さんの発達の偏りを確認するまでは自然な流れとして(とはいっても実は行政に一切話を聞きに行かない親は結構いるので、ここまででも素晴らしい)、以降の環境の整備としてやっていること、やろうとしていることは、

今やっているのは

・幼児向け通信教材ペアゼット(勉強をきらいになってほしくないので無理強いせず、彼女のペースでやっています。毎月課題の5~6割くらいをこなしている感じです)

・子ども英語サークル(月に1回くらい、英語で歌ったり踊ったりしています)

・運動教室(テニス、サッカー、なわとびなど月毎にいろんな運動をしています)

今後やろうかなと思っているのが

・ガールスカウト

・子どもが興味がある楽器

です。

あと毎日の子育てで気をつけているのは、勉強やお手伝いを無理やりさせない、相手を尊重する、話しをちゃんと聞く、興味があるものを一緒に膨らませていく……などです。

かなりしっかりしている。

たぶん、ご自身が子どものときに不得手だったことをスキルセットとして身に付けさせようということなのだと思います。自分が苦労をしたから発達傾向に近いところがある娘さんに同様の苦労をかけさせたくないというロジックは大変よく理解できます。

ただ、ちょっと気になるのは、自分と娘さんを少し同一視しているように見えました。確かに発達傾向が似ているとしても、ご自身とは生育環境も違いますし、世の中もこの数十年で大きく変わっています。娘さんがご自身と同様の苦労をするかは分かりません。

一般的に自分自身と子どもを同一視すると教育で何が支障が出るかというと、子ども本人の意思が尊重されにくくなることです。子どもの意思より、親が考える方向に進めようとしてしまう可能性が出る。

まあ、程度問題で、親は子どもに自分自身のコピー・別の可能性みたいなものを勝手に見出すし、それが子育ての面白さに繋がる部分はあるので、絶対に同一視が駄目とは申し上げません。ただ、あまりやりすぎると、子どもが親に関連した別の苦労(親からの呪いとか)を味わうリスクも高まるので、加減が大切だと私は考えています。

なので、私が何か言う立場ではないのは理解した上で、さらには子育てからは離れているように見えるかもしれませんが、あえてお伝えすると、

私は当たり前と言われることが勉強以外はできなかったので自分のことをずっと出来損ないだと思っていました。勉強だけできても人間として大事なものが欠けているとずっと思っていました。

勉強もできたのは中学生くらいまでで、ちゃんと宿題や勉強をしていなかったので高校生くらいから成績は落ちました。人間関係もすごく苦手だったので高校は中退しました。

この辺の辛い体験はあったとしても、ご自身には価値が昔から変わらずあり続けてきたということは、ご認識されていないようであればご認識されるといいかなと思います。

要は自己肯定感が今現在低いということであれば、子どもに過度に依存したり、方向性を親が過剰に定めてしまうリスクがあるので、それを避けるために親である自身の自己肯定感を高めましょうということです。

※いつもの

ここまでは余計なお節介に近いところで、ここからは子育てについてです。

子育てのゴールを、

彼女が劣等感を持たず、楽しく育ってくれるよう私にできることがあるなら何でもやりたいです。

としたときに、まず最優先することは基本的な生活習慣(睡眠・食事・排便)を子どもに身に付けてもらうことです。生活習慣が身に付いていないと人生はハードモードになります。

睡眠は睡眠時間が年齢相応であり、就寝・起床が一定であること。

食事は基本的に三食取り、栄養バランスを気をつけること。

排便は起床・食後のタイミングなどで安定的に行うこと。

まず、これが最優先。私だけが言っているのではなく、新井紀子さんもそう書いています。

AIに負けない子どもを育てる

AIに負けない子どもを育てる

  • 作者:紀子, 新井
  • 発売日: 2019/09/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

※p.280-294は何度も読み返してます。 

次に、親として子どもに無条件の愛情を提供することです。

目的は子どもに自己肯定感を持ってもらうためです。他人からどう思われようが自分には存在している価値があることを確信できていれば、くだらない劣等感には悩まされにくくなります。

あんまり言いたくないですが、人間としてすべてができるということは絶対にありえなく、上には上が常に切りなく存在するものです。他人と自分を比較して、自分が優れているから存在していいと思う人生はハードモードになります。これを回避するための自己肯定感です。

子どもが自己肯定感を育むには親が無条件の愛情を注ぐことは基本っぽいので、子どもが安心感を持てる雰囲気を作り、ハグや言葉で愛情を伝え続けるといい。

ご理解のとおり、本人の成長にあった学習内容の提供はアウトソーシングしようと思えばできるので(そして年齢と個性で変わるので今から何がいいかはそのときにならないと分からない)、親としてはもっとも影響を与えられるところである、基本的な生活習慣を身に付けてもらうことと、子どもの自己肯定感を育むことに注力されるといいかなと私は思いました。

今回は以上です。

これを読まれたみなさんも、どうぞetsuko.topisyu@gmail.comまで、ブログにそのまま掲載してもよい、ほっこりエピソードをご気軽に送ってください。私が一言コメントを付けてブログに掲載します。

なお、投稿にフェイクを入れるのは確認で時間がかかるので、ご自身でするか、私に全面的にお任せする形でお願いします。また、どんな方向でコメントをしてほしいかも書いてくれたら、期待に応えるようにします。罵ってほしい、褒め称えてほしい、傾聴してほしい、何でもOKです。