前から、柴山文部科学大臣のTwitterの使い方は危ういなと思っていましたが、
こうした行為は適切でしょうか? RT @d_ok3a: @NI84USx7ecHjMU7 私の通う高校では前回の参院選の際も昼食の時間に政治の話をしていたりしていたのできちんと自分で考えて投票してくれると信じています。
— 柴山昌彦 (@shiba_masa) September 7, 2019
もちろん今の政権の問題はたくさん話しました。笑
これはやらかしてますね。現役の高校生が昼食の時間に政治の話をする程度を、「適切でしょうか」とSNSで疑問形で投げかけているのは、文部科学大臣として適切でしょうか。
柴山文部科学大臣としては、高校生が昼食の時間に政治の話をするのは、文部科学省での対応状況として整理しているように、必要かつ合理的な範囲で制約を受ける政治的活動とみなしているのでしょう。
※画像は学校教育における選挙権年齢の引下げへの対応(文部科学省)より。赤線は筆者
確かに、この高校生が昼食の時間を利用して政治的アジテーションをし、周りの高校生たちがご飯を食べられないとか、食べ終わった後の勉強ができないとか、そういう状況が作り出されているのだとしたら、ある程度制約を受けてもおかしくはないと私も思います。
でも、元のTweetにはそこまでは書かれていない。
はい。本当に。
— 5 (@d_ok3a) September 7, 2019
私の通う高校では前回の参院選の際も昼食の時間に政治の話をしていたりしていたのできちんと自分で考えて投票してくれると信じています。
もちろん今の政権の問題はたくさん話しました。笑
私はこのTweetだけを持って、高校生が制限されるべき政治的活動とは判断できません。ちなみに、このTweetはツリーになっていて、この前がこれ。
私は現在高3です。
— 5 (@d_ok3a) September 6, 2019
志望している大学に受からなければ浪人する予定です。
受けるかどうかもわからない予約に3000円払ってくれなんてそれも落ちる前提で話すことが親に申し訳ないし、これを知らない高3生はどうなるのか、不安要素が多すぎます。
文部科学大臣が、この程度のTweetにいちいち言及して適切か適切ではないかを判定するのは、子どもが「自分ごと」として政治的なを理解し、実感を持って政治参画するのを妨げることはあっても、促進するようなことはないと私は考えます。
※画像は文科省がヒアリングした主権者教育について 主権者教育推進会議(連合)より。赤線は筆者
だってこの前提があって同じようなことを他の高校生が呟いたら、文部科学大臣がお墨付きをくれていることだからと、その高校生に「適切ではない」と潰しにかかる人は出ますからね。トランプ大統領が人種差別へのヘイト発言をし、それを真似る人がいるのと同じ。
もしかして、高校生ではなく高校の先生が教え子たちに対して昼間に現政権の批判を展開したと誤解したのかなとも思ったのですが、
ちなみにこういう文脈ですから。 https://t.co/oNTZEayfbp
— 柴山昌彦 (@shiba_masa) September 8, 2019
文脈を理解しているようなので、先生ではなく、高校生のTweetだと分かっているようです。なお、この文脈があったとしても、私は、高校生の政治活動として一律にアウトだとは思わないし、この程度のことを文部科学大臣が取り上げることがおかしいと思うのは変わりません。
そんなわけで、柴山文部科学大臣の今回の「適切でしょうか」というリアクションは、高校生の政治参画を妨げる不適切な発言であるため、発言を撤回し、謝罪をしたほうがいいと、私は考えます。
ちなみに、柴山文部科学大臣の最近のTweetと言えば、ゆうちょが文科省の要請をぶっちぎって、
2.作品提出等の方法について
作文・絵画コンクール等について、学校単位での応募や学校による審査や取りまとめを要件としない、また、学校経由での子供への周知を求めないようにするなど御配慮をお願いします。
アイデア貯金箱コンクールを開催し、それを文科省が後援している件について(意味がわからない。審査がザルとしか思えない)、
郵貯の「アイデア貯金箱」コンクールへの応募が面倒な件 - パパ教員の戯れ言日記
柴山文部科学大臣は8/31に認識していますが、
確認します。 RT @szsk_edu: 柴山プラン @shiba_masa の校務の効率化に真っ向から逆走するこのコンクールに、なぜ文科相は後援しているんだろう。 https://t.co/cnqLmaTAqO
— 柴山昌彦 (@shiba_masa) August 31, 2019
夏休みが明けた本日9/8時点で、ゆうちょは、
第44回 ゆうちょアイデア貯金箱コンクール-ゆうちょ銀行-応募について
全国の小学生(応募は学校単位)
※義務教育学校の場合は、小学校6年生に該当する児童までが参加の対象です。
■後援 文部科学省
相変わらず、応募は学校単位だし、文科省は後援をしています。柴山文部科学大臣もこの件についてその後呟いていない。
別に1週間で対応するべきとは思わないし、いきなり後援外しができるとは思いません。大きな組織でやっていて、プロセスもあることだから、所轄の大臣の一言でいきなり変わるのも危険です。
ただ、確認は目視ですぐできるのだから、一高校生のTweetに無意味に目くじら立てている暇があるなら、"確認します"で終わるんじゃなくて、"確認しました。対処を検討します"でもいいから、何がしかの建設的なコメントをしてもらったほうが、私によっては良い文部科学大臣に見えます。
そもそも、政府としてキャッシュレス化を進めようとしているときに、いくら歴史があるからって小学生に貯金箱を作らせるのを文科省が後援すること自体が、私としてはセンスがないなと思いますけどね。