斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

デビルマン研究家のコメントとの答え合わせがしたくて実写版デビルマンを見た

ねとらぼというWeb媒体の次の記事を見て、

「アーーーーー」は監督のアドリブだった!? (たぶん)世界に1人だけの実写版デビルマン研究家にインタビュー (1/2) - ねとらぼ

――実写版デビルマンは深い、ということですか?

 一見して分からない事が多過ぎるだけで、深くはないです。

この部分が面白かったので、Amazonプライムビデオで無料で配信されていたこともあり、実写版のデビルマンを見てみました。デビルマン研究家の人のコメントが何を指しているかの答え合わせもしたいかなって。

デビルマン

デビルマン

  • 発売日: 2015/08/01
  • メディア: Prime Video
 

感想はこんな感じです。

  • ほとんどの役者の演技が見るに耐えず、特に主役の二人が酷い
  • 意味が汲み取れないシーンが多い。展開の繋がりがおかしい
  • 話の流れは原作漫画には忠実
  • CGは悪くないが、あてられている俳優の声が酷いので見ていて辛い

役者の演技がとにかく酷いので、見ていて頭が痛くなり、Amazonプライムビデオの10秒飛ばし機能を多用しました。だから、2時間の映画だけど30分ちょっとで見終わりました。

以下、ねとらぼの記事で書いている内容を、映画を見た上で私がどう感じたかを紹介します。

――これまでの研究で実写版デビルマンを語る上での大発見はありましたか?

 田んぼで「アーーーーー」と叫ぶシーンは、脚本には無い(というか脚本の指示と真逆)おそらく監督のアドリブであること。

この叫ぶシーンは変なシーンでしたね。稲の収穫中か何かで、主人公の不動明がデーモンだって知人にバレるシーンで、ここは叫ぶよりも無言のほうが苦悩が伝わると思いました。叫ぶのが間が抜けているから、横で見ている知人役の宇崎竜童さんが演技の下手さに呆れているように見えました。

デーモンの集団が建物の出入口からワラワラ出てきて一方的に射殺されるシーンにはちゃんと理由があったこと。

このシーンも変でしたね。最初はゾンビ映画だと思った。なんでデーモンがわざわざ建物の中からワラワラと出てきたんだろうって。理由は中でスモークを炊かれていたからということらしいので、削れるシーンは他にもたくさんあるように見えるから、ちゃんと説明のカットを入れておけばいいのにと思いました。 

――一番好き・嫌いなシーンはどこでしょうか?

 好きなシーンは……、アポカリプスデブのシーンですかね。

このシーンも意味が分かりませんでした。なぜ、白いタンクトップを着た、太った人間の三人組を登場させて、他の人間を襲わせる必要があったんでしょうか。人間が誰がデーモンか分からず疑心暗鬼に陥っているという流れでのシーンなので、もう少し普通に見えるキャラでいいのになと思いました。

嫌いというか残念に思っているシーンは、明が美樹を守る為にデビルマンに変身してから連行されるまでのシークエンスですね。脚本ではスピード感・緊迫感のあるシーンなんですが映像だと変に間延びした感じになってしまっているので……。

このシーンは確かに冗長でしたね。それまでで人間側は結構簡単にデーモンを町中で射殺しているので、明がデーモンと分かったらその場で射殺してもいいのになって思いました。

――那須監督は実写版デビルマン公開後亡くなってしまいましたが、監督に話が聞けるとしたら何を聞きますか?

 明が牛久を探すときに顔を海面に「バチャーン」とつけるシーンの意図を聞きたいですね。あのシーンだけは本当に意味が分からないので。あとは大量にあるという本編未使用のお蔵入り映像を見せて頂きたいです。

一方で、このシーンは意味が分からないとは思いませんでした。

どこから牛久の助けを呼ぶ声が聴こえてきているか分からなかったので、海の中かもと顔を海面につけて探しているように、私には見えました。ただ、探す時間が一瞬だから顔を海面につけただけみたいに見えるのは確かです。あと、実際は森の中で牛久は助けを呼んでいたので、そもそも海に行くシーンが不要なんじゃないかと思いました。海を背景に探しているのが格好良く見えると考えたんでしょうけど、デビルイヤーは地獄耳っていう割には感度悪いという印象を抱かせて失敗だと思いました。

――ではネット上の実写版デビルマンの感想を見て思うことはありますか?

 どの感想も楽しく眺めていますが「CGもPS2以下の低レベル」という意見だけはムッときますね。独特の手法で作られたCGだから好みに合わないということはあるだろうけど、2004年当時のクオリティーで考えれば邦画トップクラスですから。

これはその通りだと思います。独特な表現は悪くなかった。

以上です。

見るべきかと言えば、「実写版デビルマンと比較すると○○だ」みたいなことを言っている人の気持ちを理解したい人は見たらいいのかなと思います。後は、私みたいに、ねとらぼの記事の答え合わせをしたいとか、加えて、私のコメントも確かめたいとかですかね。

記事にも書かれていますけど、際限なくツッコミどころがあるから、複数人で色々言いながら見るのも人によっては楽しいとは思います。

私の結論としては、心のどこかで、『カメラを止めるな!』の映画内映画っぽさが感じられて、あんまり何度も引き合いに出して悪く語るのはキツいなという感じです。たぶん、きっとこの映画でも、関係者には色々な気苦労が数限りなくあったでしょうしね。

失敗するとか、上手く行かないとか、つまらないとか途中どころか最初から分かっていても、止められない、やらなければいけない状態というのはあるものですから。