タイトルのセリフは『凪のお暇』7巻 p.19からです。
『凪のお暇』は北海道から上京し母親の呪縛でキラキラ東京ライフをしていた20代の凪が、お暇を経てその呪縛から徐々に解きほぐされていく作品です。私の超お勧めの漫画。
『凪のお暇』が、超超超超いい。登場人物の事情の深掘りがいい。節約料理も好き - 斗比主閲子の姑日記
7巻は呪いをかけたお母さんとの対決シーンが描かれている作品の一つの山場が描かれていて、タイトルのセリフが凪の新しい職場のスナックのママから凪に対して投げかけられます。インナーペアレントですね。凪は心の中で呪いをかけた母親のことを強大な敵と勝手に思い込んでいる。他人から見ればまったく強大ではない、よくいる人間なのに。この気付きはインナーチャイルドを癒やすのに重要なプロセス。
そして、あまりこれ以上書くとネタバレになるのでほどほどにしますが、そのお母さんも呪いがかけられていたことが7巻では描かれています。虐待の負の連鎖ですね。
※7巻、p.79から
上のコマの凪のお婆ちゃんもそうだし、地域の人たちから自己肯定感を下げるような発言を母親が雨あられのように受けていたわけです。で、恐らくは、この否定的なカルチャーも過去からずっと醸成されてきたことが想像できる作りになっている。
『大奥』を読んでいても、「そこまで盛り込む!?」と思うことはしばしばあるんですが、『凪のお暇』も毎巻で要素をてんこ盛りしてくるんですよね。たぶん、辛くて読めない人はいるでしょうが、呪いをかけられている人にとっては解毒のきっかけを得る人はいるんじゃないかとも思います。
お暇を描いている作品であるし、凪や周辺人物の呪い自体は徐々に徐々に解決の糸口が見えてきているため、漫画としてはカタルシスの連続となることが予想されます。ぜひ読んでみてください。