斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

自分の未成年の子どもがインターネットで社会運動をしたいと言ってきたらどうするか

この記事を読みました。

東京新聞の望月衣塑子記者を支援する署名をネットで集めた中2、誹謗中傷に「子どもが何か意見しちゃいけないんだと感じた」 | ハフポスト

要するに、インターネット上で、中学校2年生の子どもが親の支援も受けて社会運動をしていたら、批判や中傷(批判と中傷は本来別々のものだが、表現の仕方でグラデーションがあって綺麗に分けるのが非常に難しい。日本語は書くのも読むのも難しい)が集まったというものです。

記事の中では、Webメディアのハフポがこの親子に取材をしていて、前の1/3までは子どもが話し、後半の2/3は親が子どもを守るためとして代弁者としてインタビューに答えています。

私の子どもは、最近Youtuberになりたいと言い始めているので、この親子と近い状況、つまり自分の①未成年の子どもが②インターネットで③社会運動をしたいと言ってくる可能性は十分ありえます。

今日の記事では、実際に自分が子どもから言われたときに、私がどう反応するかをシミュレーションしたいと思います。

すでに区切っている通り、ポイントは、①未成年、②インターネット、③社会運動というところで、判断が別れてくると考えています。

当たり前ですが、あくまで私の考え(n=1)であって、他人に強制するつもりはないし、強制できません。

1. 未成年

まず、未成年の行為というのは、一般に親の監督責任が発生しますから、本人が心の中で思っていること(思想信条等)は親が介入するものではないにしても、何かを実際に行おうとするのであれば、親は監督者として一応見ておくことが社会的に求められています。

ですから、私の未成年の子どもが何かをしようとしてきたら、「何をしようとしているかできれば教えてね!」と聞いたり、やっていることに興味を持つようにします。自分の目の届かないところで子どもが何かをやっているということはあるので、あくまで、できる限り。

これが、成年して判断能力があるようなら、親の監督責任は基本的になく、子どもが何をやろうとしても本人の責任の範囲で行うものですから、子どもに自由にやってもらって、親としては機会があり求められればアドバイスをするぐらいかなと思います。

少しずれますが、前から何度も書いているとおり、成人した子どもが何かやらかすと親にインタビューをしにいくような、新聞社やテレビ局の行為は早く撲滅されるといいなと考えています。もちろん、ニーズがあるからやるんでしょうけど、それにしても、下品で低俗。

2. インターネット

インターネットを未成年の子どもが使う場合には、色々な注意点があります。

プライバシーダダ漏れ、インターネットにドはまりすること、ヤバいサイトを見ちゃうこと、見知らぬ他人とのトラブルなどなど。

f:id:topisyu:20190307083349p:plain

※文科省作成の保護者用啓発教材から

この辺のことは、最近は学校でも子どもに指導していますが、学校の先生の多くは、少なくとも私よりはインターネットを使っていなかったり、インターネットトラブルに精通していなかったりすることが多いと感じています。炎上に触れた経験に乏しい。

従って、子どもがYoutuberになりたいと言ってきたときなど折に触れて、ヒカキンさんやすしらーめん《りく》さんを例に出しながら、どのようにネットで活動をするかは伝えていますし、スマホの利用についても、使えるアプリは子どもの理解に合わせて徐々に徐々に解禁するようにしていたりします。

3. 社会運動

ようやくここにたどり着きました。

社会運動単体で、親がどうのこうの言うもんじゃありませんが、未成年、インターネットとセットになると、だいぶ趣が変わってきます。

具体的には、未成年によるインターネット上の社会運動は非常に目立ちます。世の中には、子どもが言う発言にプレミアムを感じる人が結構な数いるんですよね。(本当かどうかは別として)小学校四年生がWebサイトを作って社会運動したりなんかすると凄く話題になる。

注目が集まれば必然的に、子どもを良い意味でも悪い意味でも利用しようとする人が近付いてきますし、好意と裏返しである悪意にも晒される機会が増えます。

子ども本人は社会を変えるために社会運動をするわけですから、社会を変える大きな影響力(ときには結果も)は手に入れられる一方で、未成年の子どもが受け取るには厳しいリアクションも返って来ることになります。誹謗中傷ではない、純粋な批判であったとしても、大量に受け取るのはシンドい。大人でもシンドいものですから。

ですから、私の未成年の子どもがインターネットで社会運動をしたいということであれば、私は、現状のインターネット環境を考えると、若さのプレミアム感は極力演出しないで、フラットなプロフィールで活動することをお勧めすると思います。

若さを目立たせすぎて持ち上げられると、せっかくの学びの機会も制限されることもありがちですし。

立場や容姿など本人が変えられないものに関係なく、言葉だけで何かを発信し、そこに反応をもらえるのは、何物にも変えられない、インターネットのとても素晴らしい点だと思いますし、私も日々感じているところです。

その他、私なら気をつけること

一応、これでざっくりとした整理は終わりですが、最後に私なら気をつけることを書いておきます。

それは、その子の発信する思想信条に原則タッチしないこと。それが、思想的に保守的であったり、リベラルであったり、そうでなくても、どんなものでも。

あくまで、サポートするのは先に紹介したインターネットの使い方の指導や環境の整備や問題が起きたときのフォロー中心にしたい。

もちろん、子どもは親の影響を良い意味でも悪い意味でも受けるもので、思想信条の完全な切り分けは困難です。私としても、子どもが私に意見を求めたら反応はするつもりです。

ただ、子どもが発信する内容は子ども自身が判断するもので、親の介入はしないほうがいいと考えています。(意識的でも、無意識であっても)子どもが親の代弁者になるような状況は、私は避けたいと考えています。

以上、繰り返しですが、あくまで、私だったらどうするかのシミュレーションでした。