教育系の本を読んでると、結構な頻度でドキッとするタイトルに遭遇することがあります。最近だと、この本。
本の中身は割と穏当で、家のリビングに辞書や地図や図鑑があるのは、子どもが知見を広げるのに良いというものです。エビデンスは一切載ってない系で、著者の親としてのn=1と、あとは、著者が塾の先生なのでたぶんそこでの観測によって書かれた本。
【中学入学手続き完了】息子の中学受験が無事に完了しました。
— 小川 大介 (@Kosodate_Ogawa) February 11, 2019
西大和中(東京)
灘中
開成中
筑波大附属駒場中
と受験して、全て合格をいただきました。
本人の希望通り、灘中に進学します。
幼児期に勉強のやり方を教え、習慣づけをやった後は、本当に子供任せ…https://t.co/BuLhYSozZK
※本が書かれた時点では小3ぐらいの息子さんは結局灘に進学することになったみたい
そういう教育系の本は数多あるし、エビデンスがなくても目くじらを立てるつもりはないし、実際、家のリビングに辞書や地図や図鑑があることは良い面が多いとは思います。本の中では、辞書や地図や図鑑にどうやって導入していくかの方法も具体的に書かれているので、それも、辞書や地図や図鑑に馴染みがない親にとってはありがたいでしょう。
我が家も、別に子どもが頭がよくなるとかはどうでもいいけど、子どもの興味に対応してたら、気付いたら、リビングと浴室と子ども部屋の壁には所狭しと貼りものがあるし、図鑑も増えてましたし。ポケモン図鑑とか、元素図鑑とか。
ただ、ドキッとしたのはこのタイトル。
『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(その子が頭はいい→リビングに「辞書」「地図」「図鑑」がある)ですから、
これは、対偶である、
『家のリビングに「辞書」「地図」「図鑑」がない子どもは頭がよくはない』(リビングに「辞書」「地図」「図鑑」がない→その子は頭がよくはない)
を言っていることと同じです。
※意見として、妥当と思うことはあったとしても、"必ず""決まる"とかセットだと危うい
帯の文章には"子どもの学力は家庭環境で決まる!"とまで言い切っちゃってるし。本の中身を読んでもエビデンスは書かれてないのに。
繰り返しだけど、中身は悪くない。「辞書」や「地図」や「図鑑」という、知識を広げるための大切なツールを、いかに家庭に自然にインストールしていくか、子どもに苦痛なく楽しく使ってもらえるようにするか、とても丁寧に書いてある。
でも、非常に個人的な体験談だけでもってして、"必ず"とか"決まる"とかをセットで言っちゃうと、ちょっとそれはどうかなと思ったわけです。タイトルも帯文も、著者がつけたんじゃなくて、たぶん編集者の手によるものでしょうから、編集者の問題なんでしょうけどね。
そのほうが売れるからだし、だからこそ私の視界にも入ってきたんだとは思うんですが、教育系の本のタイトルは中身に合わせて穏当であってほしいなと思う次第です。