「匿名で隠し事をするのが苦手な性格を変えるにはどうすれば?」という質問があったので、回答します。
簡単に結論を書くと、「好きなようにすればいいと思いますけど、言っていいことと悪いことの線引をする訓練をするといいかも」です。
それだけのことを書くのに長文になっていますから、お好きな人だけどうぞ。
質問内容
匿名で隠し事をするのが苦手な性格を変えるにはどうすれば? - はてな村定点観測所
私本人としてはそんなに深く考えずに書きたいことをブログに書いている感じなんだけど(Web業界黒歴史シリーズも含めて)、それで誤解が生まれたり傷つける人がいるならば、匿名と実名を使い分けるように変えていかなきゃいけないだろうな。
これはどういう練習が必要なんだろう。id:topisyu さんを参考にまずは小町で書いてみるべきなのだろうか。
質問はここに集約されるでしょうか。
一応簡単に説明しておくと、この方(便宜的に"齊藤さん"と呼びます。)は、実名で書かれているブログで、①過去自分が勤めていた会社がいかにコンプライアンス的にアウトなことをしていたかや、②特殊性癖があることや、③奥様が高齢なこともあって子供を望めず総合的な観点から離婚をしたいことを書かれています。(しかも、それらは人気の記事となり、数万アクセスがあった。)
こういったことを実名で書いたことについて批判が集まったわけですね。それで、齊藤さんは、実名ではなく、匿名で書く訓練をするべきではないかということで、匿名で質問ができる発言小町が思い浮かび、それを利用しているtopisyuの名前を挙げられたわけです。
問題は実名、匿名ではない
topisyu個人としては、他の人が個人の意見を表明することは、法規範やその他の世の中のガイドラインから著しく外れることでもなければ、美味しくいただくというスタンスではありますが、齊藤さんのそれらの記事はかなりギリギリアウトなところを走っているなと思って眺めていました。
①前職の悪の所業を公開することは、現職でクリーンな仕事を受けたいという表明の目的もあるでしょうが、これから仕事をお願いしようとする側としては守秘義務を守らない人に見えます。当然、仕事は減る。
②特殊性癖を公開することは、特殊性癖に興味がある人は集まるかもしれませんが、それに興味が無い人からすると気持ち悪いものを見た気になる。本人への印象が悪くなる。(この人は、その特殊性癖に関連して、隙あらば下剤を飲み物に注入する人ではないかと、疑われる可能性もある。)
③奥様と離婚したいと書くことは、極個人的な関係性の話をおおっぴらにすることであり、実名でやっている以上、奥様の関係者もそれを知る機会がありますから、そこから反感を買う恐れがある。それは奥様を傷つける可能性にも繋がり、そんなことを公開する神経が信じられないと、これまた読み手に反感を持たせる。
①~③のようなことは、傷付く人もいるし、実名ではなく匿名で書くべきだったのではないかとご本人は書かれていますが、これは実名、匿名の問題ではないとtopisyuは考えています。
(①の話は社会正義の観点では匿名で公開するという話はあると思いますが)そもそも、どういったことを表現したら、どういった影響があるかの想像ができないことが(ご本人として考える)問題の原因だと思います。
極端かつ身近な言い方をすれば、『空気を読む』ことができない。
たぶん、オープン戦略が成功の方程式だった
『空気を読まない人』の中には、意識的に空気を読まないという選択を取る人がいます。齊藤さんはこのケースではないかと推測しています。(ご本人曰わくは無意識のようですが。)
齊藤さんのことは、ちょうど一年半ぐらい前からウォッチしていて(自分の旧ブログを齊藤さんがRSSに登録していたという情報を得てから)、前から思ったことを口に出す人だなと思っていました。
特に、③に関連して、「私は34歳、妻は45歳だから子供はもう望めないんだよな」というようなことを3回ぐらい、はてなブックマークのコメントに書いているのを見かけたことがあります。(はてな匿名ダイアリーでもその点を叩かれているのを見かけたことがあります。ご本人はそれに反応しながらも、③のようなコメントを続けていらっしゃいました。)
奥様は、③のようなことが書かれても怒ってらっしゃらないということでした。恐らく、③のようなことを普段から奥様に表明されているのだと思います。付き合っている時には、齊藤さんが浮気したことも奥様にそのまま話されて、すったもんだの末最終的に結婚されている。
ご本人の職務経歴も長すぎてどこを読んだらいいか分からない内容です。何が強みか全然分からない。
要するに、何でもかんでもオープンにするという、オープン戦略を取ってきた人です。そして、それによって成功体験を積んできたのだと思います。(他人がどう判断しようと、本人の中では成功体験。)
意識的に空気を読まない方向に舵を取ってきた人が、今更空気を読む方向に方向転換するのは、本当にいいことかどうかはtopisyuには判断できませんが、少なくとも実名で社長業を続けていくのであれば、空気を読まないと苦労することは多いんじゃないかと思います。ビジネスモデルがBtoBでも、BtoCでも同じ。
締め
topisyuは、自分自身が空気を読むのはかなり好きですが(空気を読めなければ意識的に空気から外したことも言えませんから)、別に人にまで強制したいとは思いません。みんなができたら自分が空気が読める優位性が減ってしまいますし、誰もがやって楽しいことではないと思いますので。
ただ、どうしても空気を読む訓練をしたければ、齊藤さんが書かれている通り、発言小町はお勧めです。自分がナチュラルにどれくらい叩かれる要素があるか(空気を読めないか)が簡単に分かります。
できれば、家庭内トラブルを10個ぐらい書いてみて、平均総レス数が20以内だったら、たぶん、空気を読める方です。これが50から100を超えてきたら炎上体質で、500overトピ締めを連発すれば、釣り師のライバルであるナチュラルボーン釣り師の誕生です。
そうして、できるだけ批判的な回答が少なくなるように調整していけば、自然と空気を読んだ文章の書き方も学べると思います。(レス数をコントロールできるようになる。)
なお、以下の様なことを齊藤さんは書かれていますが、
匿名文化も尊重するし、匿名のメリットもわかる。でも、自分には匿名ってうまくいく自信がない。別人格を用意するっていうのがまず難度が高いし、自分が特定されないように秘密を作るっていうのが難しすぎる。絶対に足が出る。
特に、別人格を用意する必要はないと思います。齊藤さんは特殊な文体を使われているわけではありませんし、個人情報さえ漏らさなければ特定は普通はできません。
こんなことを考える齊藤さんが自意識過剰だと思うのは自分だけでしょうか。(小町話法※)
※訓練目的で小町に投稿するのに、"自分だけでしょうか"とは絶対に書かないで下さい。これだけでレス数が2割~3割増になりますので、正確な計測ができなくなります。