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斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

FacebookやInstagramにアップされた素敵な食卓、ブランドの洋服やカバン、インテリア、高級ホテルの写真を見ると嫉妬してしまう

Webメディア 読み物 生活の知恵 友人

今日は電子書籍について、こういうところをもっと知りたいという読者からのメールをいただきましたので、それに応えてみます。

「ドロドロした嫉妬」がスーッと消える本 

※いつもの水島広子さん

 

質問「FacebookやInstagramの友達の投稿に嫉妬してしまう」

斗比主閲子さま

はじめまして。花子と申します。(女・20代後半)

「ぼーっとしている人が自分の人生と向き合うためのQ&A30」を読んだのですが、(Q&A19の友人の自慢話について)どうしてもモヤモヤが残ったためメールさせて頂きました。

注:Q&A19とはこれです。

Q19.「友人が自慢ばかりしてきます。三ツ星フレンチでディナーをした、五ツ星ホテルに宿泊した、外車を買った、億ションを買ったなどなどなど。どうしてこんなに自慢をしてくるんでしょうか?」→ A.「あなたに認めて欲しいからです」

私はfacebookやinstagramなどのSNSにアップされた素敵な食卓、ブランドの洋服やカバン、インテリア、高級ホテルの写真などを見ると嫉妬してしまいます。また、「子どもを持つことはすばらしい」「仕事での活躍」などの記事を読んだときも嫉妬してしまいます。嫉妬するなら見なければいいと思うのですが、つい見てしまいその度に感情が揺さぶれます。嫉妬のあまり友人のことが嫌いになってしまいそうで苦しいです。でも、実際に友人と合って話をしているときには自慢話ばかりしてきているとは感じません。SNSを見ているときに嫉妬してしまうのです。

思い返してみると、最近でSNSを見て嫉妬しなかったときというのは、海外旅行中くらいだったかもしれません。

本の中には

極端に自慢話が増えていると思い、それが苦しいなら、自分自身の生活を見直してみてください。

と書いてありましたが、SNSの投稿への嫉妬についても同じことが言えるのではないかと思いました。ここでいう生活を見直すというのは、規則正しい生活を送るということでしょうか?

私は、運動が好きではないのでほとんどしませんが、そこそこには規則正しい生活が送れていると思っています。でも、嫉妬してしまうことが多いので、どうしたら嫉妬しないようになるかアドバイスいただけないでしょうか。

 

回答「FacebookやInstagramは嫉妬を呼び起こしやすい」

元々のQ&A自体は自慢話ばかりする友人は一体何を考えているのか、どう接したらいいのかについて書いたものです。

その中で、自分の周りで極端に自慢話が増えていると感じたら、それは自分の心が変調をきたしている時かもと少し触れました。このご質問は、この部分をもっと知りたいというものですね。

まず嫉妬という感情がどうして起こるかですが、これは一般には、自分自身を他人と比較してみて劣っているという感覚を抱くことで生まれるものと考えられていると思います。裏返して考えると、自分で自分のことをちゃんと認められていれば嫉妬心が生まれてこないとも言えますね。

ですから、誰にでも嫉妬を感じるようなら自分自身の生活を見直そうと書いたわけです。もう少しちゃんと書くと、生活を見直して自分自身で自分に価値があることを確認することで嫉妬心は薄れるということです。できれば仕事か何かのリアルな達成感がセットだといいんですけど。

嫉妬心自体は必ずしも悪いものではなく、時には成長の原動力にもなります。ただ、嫉妬心というのは価値基準を外部に求めること(他人と比較して他人より劣らないようにしようと考えること)ですから、ちょっと失敗したり、新たな嫉妬のターゲットが出る度に、嫉妬し続けることになりがちです。これは辛いんですよね。嫉妬をエネルギーにして爆走すると気付いた時には心が疲弊している。

 

話が脱線しちゃったんですけど、SNSでの嫉妬とどう接するかについて書いてみます。

 

まず知っておいてほしいのはSNSで嫉妬を覚えるのは、それほど特別なことではないということです。

例えば、2013年1月にドイツの研究者が発表した論文(『Envy on Facebook: A Hidden Threat to Users’ LifeS atisfaction?』 H Krasnova 著)では、嫉妬を覚えるものは何かという問いに対してオフライン(実生活)が70%ぐらいと最大である一方、Facebookが1/4ぐらいを占めています。他の選択肢であるXing(ドイツのSNS)やその他は10%ぐらいなのに。2013年1月時点でこれです。

上の論文を引用した書籍・論文を見てみると、Facebookを見ると気分が悪くなるとか、Facebookが原因で鬱になるとか、FacebookなどのSNSのネガティブな面での研究や記事が並んでいます。元の論文が論文だから当たり前ですが。 

Facebook’s emotional consequences: Why Facebook causes a decrease in mood and why people still use it

Highlights

  • Facebook activity negatively correlates with mood.
  • Facebook use but not Internet browsing dampens mood.
  • A feeling of having wasted time accounts for the effect of Facebook activity on mood.
  • People commit a forecasting error by expecting to feel better after Facebook use.  

Facebook use, envy, and depression among college students: Is facebooking depressing?

Highlights

  • A survey of 736 college students found that Facebook use can trigger feelings of envy.
  • Feelings of envy were found to predict depression symptoms.
  • The effect of surveillance use of Facebook on depression is mediated by feelings of envy.
  • Surveillance use of Facebook has a direct link to depression, but the link is actually negative.

 

嫉妬は他者との比較から生まれるわけですが、比較対象にするのは自分と環境や境遇が近い人(身近な人)のことが多いですよね。大富豪でも超エリートでも、自分と差がありすぎる人には羨望は持っても、嫉妬というのはなかなか感じないものです。

SNSというのは自分と価値観や境遇が近い人を集める仕組みです。そして、特にFacebookやInstagramでは自分のキラキラした面をアピールするのが当たり前になっている。そして、そのキラキラは、いいね!の数で比較できるようになっている。近しい人とのキラキラ格差が明確になりますから嫉妬する人が出てくるのも当然です。

 

下の表は、先ほど紹介した論文からの引用で、オフラインとFacebookでどんなことに嫉妬をするのか比較したものです。 

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※表はEnvy on Facebook: A Hidden Threat to Users’ LifeS atisfaction?』(H Krasnova 著)のP6-7より。赤枠は筆者

FacebookやInstagramは他人の旅行やレジャーの投稿が非常に多いんですよね。これにあてられちゃう。オフラインで友達に「この前ハワイ行ってきたのー!こんなに娘が喜んじゃってー!!ほら、これTAX FREEで買ったブランドバッグ、見てみてー」と写真を見せることなんてほとんどの日本人がやらないはずですけど、Facebookならそれをやるのが当たり前の空気がある。

 

このようにFacebookやInstagramなどのSNSは普段は嫉妬を覚えない人でも嫉妬しやすい土壌がありますから、SNSでの他人の動向は全部が全部真面目にチェックしようとしなくてもいいと思います。

どうしても見てしまうのであれば、

  • 嫉妬するのは当たり前と思うこと
  • みんなオフラインより無理してる(実態とのかい離がある)こと
  • 自分自身の投稿はすごく気楽なものを心がけること

みたいな距離感でSNSを楽しむといいんじゃないかと思います。

自分もあてられて同じようにキラキラ投稿をするというのも解決策としてはないわけじゃないんでしょうけど、これって、このキラキラレースに乗ってみんなと競争していくことに繋がりがちなので、茨の道ですよね。

 

本格的に嫉妬心をどうにかしたい人は冒頭で紹介した水島広子さんの一連の書籍を読むことをお勧めします。

 

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ということで今日の記事は先日出した電子書籍のQ&A19に絡んだものでした。 

ぼーっとしている人が「自分の人生と向き合う」ためのQ&A30

ぼーっとしている人が「自分の人生と向き合う」ためのQ&A30

  • 作者: 斗比主閲子
  • 発売日: 2015/12/21
  • メディア: Kindle版
 

お読みになった方で今回の花子さんのように、こういうケースはどうかとか、もう少し詳しく知りたいということがあれば、お気軽にetsuko.topisyu@gmail.comまでメールください。今回と同様にご質問をブログで引用して紹介し、回答します。