こんなtweetがあったので、記事を読んでみました。
ほのぼの育児マンガが斗比主さん案件に / “私にママ友ができない理由③ : リンゴ日和。” https://t.co/gLlOsIBxRx
— ゆーきー(仮) (@japan1111111111) October 31, 2016
自分にママ友ができない理由を説明したシリーズの3つ目みたいで、子どもと幼稚園が一緒の、若くてかわいいママから、今度お茶しようと言われたものの(サムネイルで確認できる情報がここまで)、二回連続でガムの包み紙に連絡先を書くように言われて、二回目はさすがに顔がこわばってしまったと。
その後そのママから連絡はなく、本人としては、ガムの包み紙に連絡先を書くことを気にするような人間だから、ママ友ができないと分析されているものです。
私が興味を持ちそうな案件ということでご紹介していただいたこともあり、せっかくなのでコメントしてみます。
※この帯文、最高だなー!
ガムの包み紙に連絡先を書かせることの是非
まず、本題として、ガムの包み紙はどうよということについて。
ガムの包み紙自体が重要な情報をやり取りする媒体としてどうかは基本的にはNoでしょうね。ただ、ボトルガムに付いてくる捨て紙だとしたらポストイット代わりに使っている人はいないわけではない。
それよりも、2回連続で連絡先を書かせていること自体がポイントですかね。連絡先を相手にわざわざ書かせて、でも連絡をしていないということからすれば、悪意があるかもしれない。ただ、悪意を示すにもちょっとやり方が拙い感じはするので(もっと嫌なやりようはあるし、嫌がらせをするきっかけも書かれはいない)、単に抜けた人と考えるほうがいいですね。ADHDとかだと十分あり得るし。
紙でメアド情報を伝え合うことの是非
それはそれとして、何があって紙でメアドをやり取りしたんでしょうね。不確実な媒体を2回連続で使おうということを受ける状況にどうしてなったのか。
今時はママ友とはLINEやFacebookで繋がる人が多いですよね。この記事を書いた人か相手がLINEやFacebookをやっていないか、もしくは繋がりたくなかったから、LINEやFacebookのアカウントを教えなかったんでしょうけど、メアドの交換だったら、メモするより、その場で携帯(スマホ)で打って、相互に連絡先をやり取りする方が確実ですよね。記事を書いた人が携帯(スマホ)を持っておらず、PCのメアドを相手のママに伝えたのかな。
紙だと転写するときにミスも起こりがちなので、どうしても連絡を取り合いたい相手とは、デジタルな方法で確実に連絡先を交換したほうがいい。
ママ友は基本的には必要性があって作る存在
その上で、ママ友ができない理由の分析についても、ちょっとコメントしておきます。
まずママ友ができるかどうかというところからスタートしているのは、ちょっとよく分かりませんでした。ママ友は別にできなければならない種類のものではないですからね。まあ、これを言ってしまえば、究極的にはどんな人間関係でも作らなければならないわけではないんですが。特に、ママ友はその傾向が強い。
何しろママ友とは子どもが同じ園・学校に通っている以外に基本的には共通点がありません。親同士は、年齢、学歴、職歴、家族構成も必ずしも一致していない。学校の同級生や、職場の同僚とは共有しているものの量が違います。親同士は、好意をもって仲良くなりたいという気持ちが生まれにくいです。
あとは実需があるかどうか。
私の観測範囲では、ママ友は保育園ではあまり少なく、幼稚園では多い傾向があります。これは、親同士が接点を持つ機会が保育園のほうが少ないというのがありますし、幼稚園だと親同士が接点を持つことのメリットがあるからだと考えています。
幼稚園のほうが保育園より終わるのが早く、その後子どもをどうするかもて余すところがあり、親同士が示し合せて会うことで、子ども同士を遊ばせることができます。
また、幼稚園では春休み、夏休み、冬休みなど長期の休暇がありますが、保育園はそれほど長い休暇はありません。長期休暇中に、子どもをやはりもて余すし、子どもに友達と会う接点を設けたいという気持ちもあります。親同士が仲良くなるインセンティブが働くんですね。だから、ママ友を作る。
後は、情報交換目的でママ友を作るというのもありますね。地域のイベント情報や、子どもの習い事や、PTA的な組織の内情とか、そういうのを知るためにママ友を作る。
友達と同様、ママ友も仲良くしたい気持ちと仲良くするニーズがあるかどうかで作られるものです。そもそも共通点が子ども以外なければ、その人個人と仲良くする気持ちは湧きにくいし、子ども同士を遊ばせるという実需がないということだと、ママ友を作るということにはならない可能性が高くなります。
ママ友はいて当然、できて当然というものではありません。
なぜママ友がいないのか
その観点で言えば、この記事を書いている人にママ友がいないのは、それほど違和感はありませんでした。
一つは、他のママとの共通点がないことをご本人が認識していることです。今回のママについて"若い&かわいい"と自分とは違いがあること(共通点がないこと)を恐らく強調するつもりで書いていらっしゃいますし、この機会に拝見した他のシリーズを読んでも、他のママを"髪の毛をいつもキめている"と外見から(自分とは)差異があることを表現したり、年上や年下のママと無理やり話題を合わせていることに相手に対して心の中で謝罪をしていたりしています。要するに、自分と他のママには共通点がなく、個人的に仲良くしたい気持ちがない考えがうかがえます。
ニーズの観点でもそうで。ブログを簡単に見てみると、どうやら子どもが二人いて姉妹であり、ブログでは子育ての楽しみを書いているっぽい。年の離れていない姉妹は、一人っ子や男の子の兄弟より、もて余し度は低い印象です。
そんなわけで、あくまでブログで書かれていることからの推測では、子育てをもて余していないのかなという気がします。ママ友を作るニーズが乏しい可能性がある。
本人が他のママを自分と共通点があると見出しておらず、ニーズもあまりないのであれば、ママ友ができないというより、いなくて当然じゃないですかね。最初にママ友は必ずいなければいけないものではないと書いたように、ご本人にママ友がいないのは、別に悪いことではなくて、ご自身が望んでいる状況じゃないでしょうか。
ママ友を作る方法
ただ、やはり、できるできないということに拘っているからこそ、このような記事をいくつか書かれているとも考えられます。ということで、一般論として、どうやったらママ友を作ることができるのかを紹介してみます。
やることは先ほどの裏返しです。
まずは、他の子どものママの、子どもをもてあましているというニーズを確認しましょう。他の子どものママに「園がお休み中はご予定あるんですか?」「子どもが最近元気すぎて、私が一緒に遊ぶのが大変なんですよ~」と、保護者会とかそういう場で話しかけます。相手が子育てに持て余していることを確認できたらしめたものです。連絡先を交換し、公園や児童館で落ち合う約束を取り交わしましょう。
こういうことを聞くのが苦手な人は、園の近くの公園や児童館にいる、ママ友がいなさそうな単独のママに話しかけるのもありです。
ニーズがある人は、こちらとママ友になってくれる確率が高いです。利害が一致しますから。ちなみに、園で孤立している子どもの親も狙い目です。
ニーズありきのほうが確実性があってお勧めですけど、友達みたいなママ友を作りたいなら、共通点が多い人を増やすことがスタートです。相手と自分の間にどんな共通点があるか聞き出すのもいいし、自分がどんな人間であるかをオープンにするのもありです。前者は一本釣りで、後者は投網みたいなやり方ですね。共通点がなければ、共通点を作り出せばいいだけです。PTA的な組織に参加したり、イベントのお手伝いをしていれば、共通体験を得ますから、これを足がかりにできます。
その場しのぎで相手に合わせたりしても(共通点があるフリをしても)、お互いに楽しくなく続きません。友達にはなれません。
なお、ママ友を作るのは、できるだけ早いタイミングが望ましいのは確かです。入園したタイミングやクラス替えがあるタイミングがいいですね。人間関係が一旦ガラガラポンされますので、ママ友作りたいニーズが一気に高まります。引っ越しが1~3月に多いのと同じようなものです。季節性はある。
締め
ママ友がいることで、ママ友カーストに全員が巻き込まれるなんてことはありません。ママ友トラブルも全員が遭遇するわけではない。怖がりすぎるのは発言小町やHagexや2chの読み過ぎです!
ボスママっぽい人やスピーカーママっぽい人は確かにいるでしょうけど、そういう人が嫌なら付き合わなければいいだけです。誰からも付き合わなければいけないと強制されませんし、逃げる方法もたくさんあります。
友達になることでどんな実需を得られるかを考えて、適度な距離感でお互い利用し合うぐらいが、ママ友の付き合い方としてはちょうどいいんじゃないかと私は考えています。
ママ友は、子育てという戦場を一時的に切り抜けるための同士です。