斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「老後資金のために、投資信託ではなく米国高配当ETFの比重を増やすのはアリでしょうか」

今日は一人小町(一人で発言小町みたいな回答をするもの。基本要望に応じた反応をする)です。最近送ってもらうことが増えてきた資産運用のモヤモヤです。すでにかなり勉強している人からなので、ついていけない人もいるはずです。

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Q. 老後資金のために、投資信託ではなく米国高配当ETFの比重を増やすのはアリでしょうか

はじめまして! いつも楽しくブログを拝見しています。

今回は、トピシュさんにぜひ資産運用の相談にのっていただきたくメールをさせていただきました。お時間のあるときに、ご意見をいただけたらとてもうれしいです。

私は社会人5年目の会社員です。

老後の資産形成のために、投資を1~2年前から始めた初心者です。

半年ほど前から米国株ETFについて、高配当・高利回りと目にすることが多くなり、興味を持っているのですが、そもそも米国株ETFって本当に高利回りで自分に合う方法なのかが分からず、今後投資額を増やすか迷っています。

トピシュさんは主にインデックス投信中心で、ETF等にはあまり投資されていないように思いますが、米国株ETFを老後資産として比重を増やして長期運用していくことについて、どう思われますか?リスクが高いでしょうか?ぜひ、ご意見をいただけたらうれしいです。

まず、私の現在の投資スタイルは、インデックス投信(米国株40%、日本以外の国際株式40%、バランス・債券・国内外リート等20%)が中心です。つみたてNISA口座で毎月積み立てて、株価下落時に特定口座で買い増したりして、月3~10万円程度積み立てています。他は、わずかに株主優待狙いの個別株と、米国株ETF(SPYD、VYM)を保有しています。

まだ投資額が少ないのと、長期投資を考えているので、初心者のくせにかなり高リスクなポートフォリオとなっています。

私の主な投資目的は老後資金のためです。

最も理想的なのは、運用額が1000万を超えたら毎年1~2%程度取り崩して娯楽費用に使い、60歳くらいになったら運用益を頼りに早めにリタイアしたいなぁなどと思っています。

長期運用を考えているので、つみたてNISAの期間を使い切る20年程度は国際株中心の高リスクな運用で利益を追求していきたいと考えています。

今回相談したい米国株ETFですが、知ったきっかけは米国株ETFで高配当を得ているTwitterアカウントを見たことです。

特にSPYDという銘柄は高配当で、コロナショックにより安定性が低いことが分かったものの、今までの成長率と配当利回り(約3.5~5%)が非常に良く、今後また時間とともに株価も回復して成長していくようにも思えます。また、経費率も低く、定期的な配当金に非常に魅力を感じます。

しかし、買付手数料(購入額の0.45%)がかかったり、為替手数料(円貨決済:1ドルあたり25銭、外貨決済:1ドルあたり4銭)がかかったり、配当金が二重課税されたりします。(二重課税を解消するための確定申告や、外貨決済、為替差益に気をつける手間は苦ではないです。)

また、トータルリターンで考えると、もしかして米国株ETFと同じくらい、今まで積み立ててきたインデックス投信(米国株)も優秀じゃないかと思ったりもします。素人でまだちゃんと理解できていないのですが、ETFの沸騰率や、インデックス投信のトータルリターン実績等をみていると、米国株ETFの方が運用実績が良さそうですが、私の現在のインデックス投信の運用利回りは15%を上回っており、米国株ETFに手を出すよりこのままの方が良いのでは?とも感じています。

今後、30年後くらいにどちらの方が利益を最大化できるかは誰にも分かりませんが、米国株ETFの比重を増やして運用していくことについて、トピシュさんはどう感じるか(高リスクか、リスク選好ならアリと思うか)ご意見を窺えたら幸いです。

まだまだ投資の上っ面しか理解できていなくて、見当違いなことを言っていたらすみません。長文を読んでいただいてありがとうございました。

一読者より

A. 高配当 ≒ 低成長

最近、お金に関するモヤモヤを送ってもらうことが増えましたね。私は別に資産運用の専門家でもなんでもないので期待値低めに送ってもらうといいかなと思います。

今回のはかなり勉強している人からのメールなので、読んでみても何のことやらと思う人がいるでしょうから、そこそこ一般化した形でコメントしていきます。

ポイント① 投資信託 vs ETF

最初に、投資信託とETFの違いから。ETFはExchange Traded Fundで、上場されている投資信託です。どちらも、複数の金融商品を一つの金融商品として買うファンド形式であるのは変わりません。

違いは、購入するタイミングと手数料と商品ラインナップです。リスクは選ぶ商品で変わるので、別にETFだからハイリスクだというわけではありません。

ETFと投資信託の違いとは?今買うならどっち? | トウシル 楽天証券の投資情報メディア

この方が書かれているように、

トピシュさんは主にインデックス投信中心で、ETF等にはあまり投資されていないように思いますが、米国株ETFを老後資産として比重を増やして長期運用していくことについて、どう思われますか?リスクが高いでしょうか?ぜひ、ご意見をいただけたらうれしいです。

私はETFには投資しておらず、すべて投資信託にしています。

理由は、ETFでは分配金が出ちゃうので再投資の手間がかかるからです。手数料はETFのほうが安い傾向がありますが、配当課税と再投資の手間を考えると、仕事や育児やボランティア活動とかのバランスで、投資に時間を費やしたくないので、投資信託にしています。

で、すでに書いたように、リスク云々は投資する商品によって違います。

ETFにも、投資信託にも、S&P500や日経225に投資する商品はありますから、同じ対象に投資する商品なら基本的にはリスクは同じです。リターンは分配金への課税とか手数料とか考えると単純比較は難しいですけどね。

ポイント② 高配当ETFはアリやナシや

次に、ETFの中で高配当銘柄にもっぱら投資する金融商品の購入がアリやナシやという話。

特にSPYDという銘柄は高配当で、コロナショックにより安定性が低いことが分かったものの、今までの成長率と配当利回り(約3.5~5%)が非常に良く、今後また時間とともに株価も回復して成長していくようにも思えます。また、経費率も低く、定期的な配当金に非常に魅力を感じます。

SPYDはS&P500の中で特に高配当な銘柄80を選んで投資するETFです。配当利回りは4%超。

【SPDR】低コストで高配当ETF投資 | 最新情報 | マネックス証券

毎年配当金だけで4%超えるとなるととてもいい商品に見えます。ただ、母集団となるS&P500との比較だと必ずしもリターンが良いわけじゃないんですよね。

理由は単純で高配当銘柄 ≒ 低成長銘柄だからです。成長しているならわざわざ株主に配当しません。成長が鈍化しているから高配当になるんです。実際、SPYDに含まれる株式の多くは、不動産、金融、消費財、公共系など収入が安定している企業になります。

だから、高配当銘柄はインカムゲイン(配当)は得られても、キャピタルゲイン(株価上昇による利益)は得られにくいわけです。結果として、高配当銘柄への投資は成長株を含んだ投資にリターンでは劣後すると考えられる。あくまで原則論として。

ということで、今から配当収入で暮らしたいというのならまだしも、まだ年齢が若く、長期的に投資をして多少リスクは高くても高いリターンを得たいなら、高配当銘柄への投資をメインにすることはないんじゃないかなと思います。

以上、今日はこんなところです。

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なお、投稿にフェイクを入れるのは確認で時間がかかるので、ご自身でするか、私に全面的にお任せする形でお願いします。また、どんな方向でコメントをしてほしいかも書いてくれたら、期待に応えるようにします。罵ってほしい、褒め称えてほしい、傾聴してほしい、何でもOKです。

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