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斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

夫の趣味のコレクションを断捨離する妻とメシマズ嫁の問題の根っこは同じ

解説・まとめ 生活の知恵 料理 結婚 今日の法律・統計 子育て
最近、夫の趣味のコレクションを捨てる妻という、もう何年もインターネットでは定番のエピソードが話題になっているのを見かけました。

 

夫の趣味のコレクションを捨てる妻の話の構図

この系統の初出は2006年の2chの生活全般板のスレッドに書き込まれた鉄道模型コレクションを捨てた妻でしょうか。

夫の鉄道模型コレクションを勝手に処分した : 鬼女速

この話自体はかなり難のある妻のエピソードですが、その後の派生系の話の基本的な構図は次のようにほぼ固まりました。夫の趣味のコレクションが家に溢れ返っていて、妻がそれに苛立って掃除の時に全部捨てる。結果、夫が生きる気力を失う or 離婚を妻に申し出るというもの。
 
最近だと考古学者の夫が自宅に持ち帰っていた文化財を捨てたことから関係者により訴えられたみたいなものもあるようです。実際、文化財が家庭ごみなんかで捨てられたなどということがあればニュースになるでしょうし、そんな大切なモノを持ち帰ってきた夫自体の責任問題にもなるでしょうから、その点に触れていないと疑わしい話だとは思いますが。
断捨離や片付けの魔法やミニマリストなど物を整理することについてはここ数年流行っているので、このエピソードは実態として発生件数が増えているかもしれませんし、釣りだとしても話題になりやすい素地がありますよね。
 
何にせよ、これらのエピソードは、妻が夫に対して精神的DVをやらかしたということで、妻が一方的に悪いという、ある種の勧善懲悪モノとして消費される傾向があります。
 
 

断捨離妻、メシマズ嫁の問題の根っこ

自分は、妻が一方的に悪者ということではなく、根っこには違う問題があると考えています。メシマズ嫁問題でも同じで、それは、
  • 妻が掃除、炊事をするのが当たり前ということになっている
  • 夫婦の基本的なコミュニケーションができていない
という問題です。
 

掃除、炊事など家事は妻の仕事

最近は家事をする夫は増えつつあるものの、日本では家事は基本的には女性の仕事と考えられています。以下の表は社会生活基本調査から取ったものですが、平成23年で共働き世帯の夫の家事時間は一日平均で12分です。(平成28年の調査結果が楽しみ)

f:id:topisyu:20151127073538p:plain

殺人的な料理を作る、他人の財産を一方的に捨てるというのは、事実であれば、確かにそれ自体非難されておかしくないことですが、そもそも、夫婦の一方が炊事や掃除をして当たり前という状態になっていれば話は変わってくるところもあると自分は考えています。

 

あまり例え話をするのは良くないんですけど、言ってしまえば、ブラック企業の従業員にどこまで業務への忠実性を期待するかということですね。夫がブラック企業の経営者で、妻がブラック企業の従業員ということです。この場合、従業員が経営者を脅かすようなことをした時に従業員だけが一方的に責められるとしたら、それでいいかということですね。従業員の過失だけではなく、置かれている環境に問題がある可能性を考慮する価値は充分ある。
 
 

夫婦はコミュニケーションができる

それと、メシマズ嫁にしても断捨利嫁にしても、全く会話が成立しない人間みたいな扱いをされます。まるで、鉄面皮のロボットみたいな扱い。
 
でも、なぜ妻がそういう状態になったのか、そこに至る前に何かできることがなかったのかを考えるのが、他人の経験や歴史から学べる人間のいいところですよね。
 
夫婦はそれなりに愛し合って結婚しているわけですよ。集合住宅の得体の知れない隣人ではない。基本的には会話がちゃんと成立しているものです。
 
妻がメシマズであるならば、夫は料理をしようとしたのか、料理を改善するためにアイディアは提供したのか。妻がどうしてもコレクションを捨てようと思う前に、夫は自分でコレクションの整理整頓をしていたのか、共有スペース含めて掃除をしていたのかどうか。心因性の問題が背景にあるなら治療を示唆したのか。
 
何か事が起きる前に、妻が抱えている悩みが夫婦の間で共有されていれば防げる問題はあります。
 
 

締め

セックスできるママ(夫から母親の役割も期待される妻という意味のネットスラング)が欲しい人たちからすれば、自分は整理整頓したくないけどコレクションは維持したいし、お金もかけたいし、何もしなくても美味しいご飯が出てきて、それができない妻とは離婚だ離婚だとやりたい気持ちは否定しません。実際に、酷い妻・夫と結婚した人はいるでしょうしね。
 
ただ、仕事でも家庭でも誰かと共同で何かをやるのは、単体ではできないことがあるからです。適切な会話をし、協力すれば解決できる可能性がある問題を、一方に非があるとして終わらせてしまうのは非常に勿体ない。
 
だから、このメシマズ嫁と断捨利嫁の問題というのは、妻側だけではなく、夫側、夫婦の関係性にも問題があるものとして考えた方が、生産性があると自分は考えています。
 
(Twitterでのやり取りを受けて追記)
なお、何でもかんでも捨てようとするとか、溜め込もうとするとか、極端な行動を取る場合は、もはや夫婦間で解決するというより、治療したほうがいいケースですよね。そういうものに普段の会話があれば気付ける部分もありますし、会話をしていても分からなければ第三者に介入してもらうのも問題解決には有効かと思います。
 
企業の不祥事じゃないですけど、一つ一つは些細なことに見えてもそれが積み重なって大爆発ということもあります。問題の程度が軽いうちに打てる手を考えたいものです。
 
 

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