斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

若者が投資をしないのは、お金・関心・成功体験がないから?

この記事を読みました。

NISA使わぬ若者 お金・関心…3つの「ゼロ」(真相深層) :日本経済新聞

 1月に始まった少額投資非課税制度(NISA)。開始時点の口座開設数は475万件と、政府目標の約3分の1に達した。だが、利用者の半数超は60歳以上の高齢者。若年層の資産形成支援という制度の狙いと、実際の利用者に大きなズレが生じている。なぜ若者の利用は低調なのか。NISAの日(2月13日)に考えてみた。

続きは有料会員限定ですが、要はNISAの利用者のうち若年層の割合が少ないのは、若年層に、①お金がない、②関心がない、③成功体験がないからだという記事です。

誰が読んでも多分同じツッコミになると思います。お金がなければ、関心持ちようがないし、成功体験だって得られるわけがないじゃないかと。その他色々コメントしていますが、知っている人からすれば手垢のついた話です。

 

お金がないのに投資する?

お金がないことの証左として、『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成19年以降) : 知るぽると』から、金融資産を保有していない割合を日経は紹介していますが(以下と同じ図)、詳細を見ると世代別では20代、30代の若年層が特に高い。しかも、その割合は増えている。

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家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成25年調査結果(PDF)

 

国家レベルでNISAを押したいのは分かります。でも、①お金と②関心と③成功体験の問題だと綺麗に3つ並べて分かった気にさせるのは不適切です。物事には優先順位がある。因果関係がある。

 

お金がない若者はNISAを検討しない方がいい

topisyuは、長期投資の視野を持たせようとするNISAの発想自体はいいと思います。金を死蔵させるのは勿体ない。ただ、若年層がNISAで短期的に無理をして投資をすることは望ましいと思っていません。

 

一つ目の理由は、そもそも若年層は貯金さえもできない中で、リスクある資産を持とうとすると、資産が目減りした時に、生活が破綻する可能性があるからです。子供の有無など人によりますが、せめて、100万円は安全資産は欲しい。会社を辞めて失業保険が出るまでの間、家族が食い繋げるぐらいのお金。

 

二つ目は、若年層はNISAなどで外部に投資をするぐらいなら、自分に投資をする(自分に教育費を支払う)方がよっぽどローリスク・ハイリターンだと、topisyuは考えているからです。

100万円を普通に投資したら(もちろん対象にもよりますけど)平均的な年のリターンは10%もいきません。その100万円を自分を改善することに使ってみたら(トレイナーを雇ってジムで体質改善するでも、勉強会に参加するでも、短期留学するでも、資格を取るでも何でも良い)、年収を生涯に渡って10万円以上アップできる可能性は若年層ほど高いのではないでしょうか。

NISAはせいぜい5年で500万円程度の投資枠です。売却益が非課税でもそれを転がせるわけではない。一方で、これだけの金額を自分に投資できると考えると、あれもできる、これもできると想像が膨らみませんか。500万円あれば国内のMBAぐらいの学費になる。

 

締め  

少額投資で長期投資をすることは意味があると思います。それでも、お金がない若年層が、貯金を取り崩してやるべきものでしょうか。NISAに合わせて投資する判断を決めるべきなんでしょうか。

 

記事の最後には、高齢者層が保有する金融資産を若年層に移転する手立てが必要だと書いています。確かに、世代間移転でお金が使えるようになれば投資はしやすくなる。ただ、NISAがあるから投資するのではなく、自分の長期的なキャッシュポジションを考えて投資をする、自己投資の代替として投資をするという発想があってのものだと思います。「イケイケドンドンでNISAをやればいい」ありきの提案は、投資教育の観点では好ましくないとtopisyuは考えています。