斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「友達親子」にモヤモヤします!

モヤモヤを募集したところ、以下のようなモヤモヤをメールで頂きました。

はじめましてトピシュさん。"ミッシェル・ガン・エレファント"(注:topisyuが変更。以降ミッシェルさんとします)という者です。

私がモヤモヤしている事は、「友達親子」という言葉です。

 

センスが近い、趣味が同じだとしても、親は親、子は子、だと思うのです。

上下関係があり、子は巣立ち、老いては子に従うというような…

 

うまく言えないので、もしご興味ありましたら分析よろしくお願いいたします。

短い文章ですが、可能な限り検討してみたいと思います。

※特に、モヤモヤしない人、主観的な文章が嫌いな人はそっ閉じを推奨します。

http://www.flickr.com/photos/62424894@N00/141393868

photo by tom@hk | 湯米tomhk

 

友達親子にモヤモヤするのは別におかしなことではない

いきなり結論みたいなことを書きますが、友達親子にモヤモヤする人がいるのは別におかしなことではないと思います。

友達親子がおかしいからというわけではなく、友達親子が比較的新しい考えだからです。1990年代ぐらいから使われ始めた感じでしょうか。(イメージは、石田純一さんといしだ壱成さん父子?)

新しい言葉というのは、新しい事物に対して名付けられるもの。元を正せば、「友達のような関係性の親子が最近いる!」ということで取り上げられたものですから、元々はマイノリティであり、不適切な考えと思う人がいても当然。日本での親子関係は、このミッシェルさんが仰られるような、縦の関係、親は絶対という価値観が根底にありましたから、その価値観が正しいと考えている人からすれば、友達親子という価値観は許容できるものではないかもしれない。

そういうことで、モヤモヤする(何とも言えない否定的な気持ちになる)人がいてもおかしくないと書きました。

ただ、そうはいっても、友達親子は既に20年以上使われています。新語という概念からは今では外れそうです。なぜ、今でもモヤモヤする人がいるのでしょうか。

 

「友達親子」の一般化?

恐らく、友達親子という考えが、20年経って一般化しつつあることからのハレーションではないかと思います。友達親子がシェアを広げて、友達親子を単に否定していた層にとっても脅威となり始めた。昔ながらの日本の親子観が否定されるようになってきているかもしれない。

 

友達親子が一般化したかどうかは特に統計など漁っていないので、あくまで主観的なものですが、自分の子供の頃と比べると、親子の関係性は変わってきている印象があります。

 

例えば、日本は世界価値観調査の結果では、子供は女の子の方がいいという割合がここ数十年で増えています。女の子の方がいい派は50%を超えている。

理由については、 

 女の子の方がよいと思うようになった理由としては、女の子の方が可愛いとか、将来子どもに世話やケアを頼みたいとか、子どもが一人だけなら一生楽しくつきあえる女の子が望ましいと親の利害の観点で考えているためと、もう1つ、生まれてくるなら女に生まれてきた方が楽しい一生が送れると思う子どものための観点(親心の観点)とがありうる。後者については図録2475参照。

図録▽欲しいのは男の子、女の子?

というコメントがあったりします。 

 

もちろん、子供が女の子のほうが楽しく付き合えるというのは、その親子次第であるし、男女を区分して良し悪しをつけることについての価値観自体の是非は置いておいて、この結果は、子供と楽しく付き合いたい=友達親子のような関係を築きたいということの一つの表れではないかと思っています。そして、そういう親子像が望ましいという親が増えている。

 

広くこのような価値観が広がれば、逆に反友達親子=封建的な下地のある親子関係は、否定されることに繋がりかねません。

 

単に、身近に友達親子がいるというだけではなく、自らの考え方を脅かすまで、友達親子の概念が広まってきていることに対する危惧がモヤモヤを生じている可能性もあるのではないでしょうか。

 

締め

ということで、簡単ですがモヤモヤの背景を解説してみました。

ゲスパーの上のゲスパーですが、恐らく、ミッシェルさんがこのモヤモヤを晴らすのは難しいと思います。(友達親子についての否定的な記事があって一時的に溜飲を下げられたとしても、友達親子が優勢となる状況は変わりないからまたモヤモヤする。)

どうしても、このモヤモヤを綺麗にしたければ、モヤモヤを紙に書いてみたり、モヤモヤの根源を探すなどして、自分の心の中での解決を図るのがあると思います。

 

的外れだったり、コメントが遅くなるかもしれませんが、こういう感じの取り上げ方でよろしければ、引き続き、他の方も、

etsuko.topisyuあっとgmail.com

まで、モヤモヤを提供して頂けるとありがたいです。

 

参考

友達親子 - Wikipedia

森岡 千紘、2005、『親子の友達関係は成立するのか』(同志社大学)