4月になってから働き始める人が結構いるので、この時期は新入社員向けのアドバイスというのをちらほら見かけます。
私もちょっと考えてみたんですが、どうにも思い浮かびませんでした。世の中大きく変わっていっていて、新入社員と言っても一括りにできないですからね。
ただ、ぱっと思い浮かんだことはあって、それは、「あなたたちから見れば、遥かに年代が上の経験豊富に見える人たちも、みんな新入社員の時代はあったし、現在でも、日々の生活にそこそこ悪戦苦闘している、皆さんと大きく変わらない人たちですよ」ってことでしょうか。
何でこれを伝えるかというと、他人の行動原理を理解するためですね。
自分と年代や環境が近い人たちは、色々共通点があるから、行動原理が理解しやすくて、何となく親近感を覚えやすいものです。
一方で、働き始めの自分からすると、職場にいる二十歳以上も年の離れた人々が何を考えて仕事をしているのか、というかどういう目的で生きているかは、想像がなかなかしにくい。
よく分かんない人と一緒に仕事をするのは苦痛です。
私も働き始めたころには、自分より10歳以上歳の離れた人がメンターになって、「この人が何を考えているか全然分かんない」と悩んだことがありました。
今、自分が当時のメンターの人以上の年齢になって思うことは、メンターの人も「この若者は一体何を考えているか分からない」と思っていただろうということです。
試しに、はるかに年の離れた人たちに、「週末何をしているのか」「どんな運動をしているか」「好きな小説や映画はあるか」みたいな、合コンでの話のきっかけみたいなものを、何かの機会に振ってみるといいですね。大体、想像の範囲からは大きく逸脱しない返事があるはずです。
逆に、凄い年上の人たちから、「週末何をしているのか」「どんな運動をしているか」「好きな小説や映画はあるか」みたいな質問を振られることがあるかもしれませんが、一切警戒する必要はありません。
※唯一警戒すべきはゴルフ。若者はラウンドに駆り出されがち。
もちろん、他人に話せないことをしている人たちは、私みたいに偽装をすることになるでしょうが、ありきたりな返事で問題ありません。相手からすると、得体のしれない存在をどうにか理解しようと、手がかりを探しているだけなので。
こっちがあっちをよく分かんないように、あっちもこっちをよく分かんないんですよ。だから、ちょっとした会話で、こっちのことを知ろうとしてくるわけです。
「何かよく分からないシリアルキラーと働いているかも」と思うより、「みんな、当たり前にいる、市井の人なんだよね」と思うほうが気が楽ですし、実際そうです。
新入社員に伝えるとすれば、今はこんな感じでしょうか。みんな、楽しく仕事をして、楽しく日々を生きれるといいですね。