斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「未就学児の子育てから開放されて一人の時間を持てると思ったら、在宅勤務の夫が一室占領し大声で喋り、まったくくつろげない」

今日は一人小町(発言小町の一人版)です。読者から在宅勤務あるあるなモヤモヤを送ってもらいました。

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Q1. 未就学児の子育てから開放されて一人の時間を持てると思ったら、在宅勤務の夫が一室占領し大声で喋り、まったくくつろげない

斗比主閲子様

はじめまして。Maiと申します。ほっこりエピソード、まだ受け付けておられますか? 誰かに聞いてほしくて、メールさせていただきます。

私はアラフォーパート主婦です。夫と二人の子持ちです。コロナの影響で3月から夫が完全在宅勤務になり、現在も続いています。そのストレスで発狂しそうなのですが、どうしたらいいでしょう。

結婚、出産を経ながら、様々な雇用形態で働いてきました。上の子が小学校に上がったタイミングで、働く時間をぐっと減らし、現在までずっと夫の扶養内です。子供には、放課後自由に過ごさせてやりたかったからです。両親フルタイムで学童や習い事を詰め込むと、そうもいきませんよね。

最近、下の子も小学生になって、ようやく自分の時間を持つことができるようになりました。子供が登校し、自分が出勤するまでの15分から20分、誰もいない家でゆっくりコーヒーを飲めたり、パートから帰宅し、子供が帰るまでの1時間、一人でだらだらしたりできるようになりました。(夫は子供の登校より早く出勤していました。)

これまでの子育て人生において、やっと時間に少し余裕が出てきたな、と思っていた矢先のコロナ→夫の在宅勤務。それからというもの、夫が24時間家にいます。

激狭2LDKの貴重な1室を、夫が朝から寝るまでずっと占領しています。また、一人で行う仕事ならいいのですが、Web会議だの電話だのと、ほぼ一日中大きな声でしゃべっています。その声が一日中狭い家に響き渡ります。

くつろぐための家が、仕事場になってしまったようで、安らげません。最近は、夫のWeb会議の声が耳に入るだけで、発狂しそうになります。

子供登校後の朝の貴重なリラックスタイムはなくなりました。夫がいるだけでイライラするからです。パートから家に帰る時も、夫がいると思うだけで気分が悪くなります。

これまで、近くに頼れる親族もおらず、自分の時間を犠牲にしまくって、子育てしてきて、やっとできた自分だけの時間を夫に台無しにされたという思いが沸々と湧き上がってきます。

夫は、結婚しても、子供ができても、独身時代と変わらない時間の使い方をしているのに!!

夫に占領されたため、実質的に1部屋使えなくなり、子供は友達も家に呼べない状況です。私と子供2人、1LDK で生活得ざるを得ず、狭いので日々物理的な圧迫感も感じています。

緊急事態宣言が明けても、引き続き在宅なので、絶望しています。このまま在宅が常態化したら耐えられそうにありません。

いえ、在宅が常態化すると会社の方針がはっきり決まれば、例えば、家賃の安い地域に引っ越して広い家に住む、という対策もとれます。子供に転校させるとなると、慎重になりますが、例えば、です。

今は出口が見えない、生殺しの状態です。現在はコロナの様子を見ながら、2週間おきに会社が方針を出しているとのこと。ただ、感染者が〇〇人なら、こうする、といった基本方針が決まっているわけではなく、場当たり的に、感覚で、2割出社、4割出社など決めているようです。

ここまでいろいろ書きましたが、家庭が仕事場化したこと以外に、夫の生活態度にもイライラします。

在宅勤務で、通勤分2時間は浮いているハズです。しかし、子供の相手をするでもなく(もともと相手はしません)、家事をするでもなく、就業5分前に起きて、だらしない格好でパソコンにむかったり、終業後はスマホに時間を費やしたりしています。

また、一日家にいるせいか、上の子の一挙手一投足に説教しており、上の子はもちろん、下の子もしょっちゅう小言を耳にすることで、まいっています。もちろん私も。

夫に対する不満ばかりを書いてしまいましたが、夫が主として稼いでいるから、私はゆるいパートでも生活できています。仕事のストレスも、私の比ではないでしょう。また、在宅勤務は会社の決定事項で、夫が悪いわけでもありません。

それでも、夫の在宅勤務のストレスを、夫にぶつけてしまうこともあります。

ただ、これはコロナ前からの夫婦関係が表れてきているだけかもしれません。これまで、平日は朝30分顔を合わすだけのせい生活だったので、忙しさにかまけて夫婦関係に向き合うこともなく、なんとなくここまできてしまったのかもしれないな、と最近思います。

そして、経済的なこと以外に、夫の存在価値が分からなくなってきています。

最近、夫が2回ほど出社したのですが、夫が家にいないと分かった時の子供たちの喜びようといったら。私も、 目の前の雲が晴れたように、 世界が輝いて見えました。朝から本当に清々しい気分でした。夫の帰宅によって現実に引き戻されましたが…

今の状況を脱するために、私が思いつく解決策は、自宅近くのシェアオフィスをかりて、夫にはそこに「出勤」してもう、ということです。ただ、夫は一日中しゃべっているので、シェアオフィスでも個室は必須で、そうなると賃料は毎月5万程度になりそうです。でも、このまま家庭崩壊するくらいなら、5万の出費も安いのかもしれません。

大手企業が在宅勤務に移行することを発表し、称賛されていますが、日本の住宅事情では、在宅勤務は家族の我慢、日常生活の犠牲の上に成り立っていることは、なぜあまり語られないのでしょうか。

この方のご意見に激しく共感しました。

ささやかな日常の営みが人生を作っている|下司 智津惠|Geshi Chizue/月と流星群|note

周りに話せる友人もおらず、一人脳内で悶々と考えているので、閲子様の率直なご意見聞かせていただけるとありがたいです。

Mai

A1. 不満は伝えられるか、相手の家族観は聞いたことがあるか

Maiさん

メールありがとうございます! ほっこりしますね!!

お返事はメールをブログに掲載の上、回答させて頂きますね。特段フェイクは入れなくても問題ないでしょうか?

その上で、お求めの率直な意見としては、

  • パートナーさんが家にいることにMaiさん、子どもとして不満を言ったことがあるか、言えるかが基本。
  • 仮に不満を言ったことがなければまずは言ったほうがよく、また、言ったけれど会話にならない、または言える雰囲気ではないとすれば、パートナーさんとはもはや夫婦や親子としての関係性がかなり不味い状態になっている。
  • さらに、パートナーさんがそもそもどういう夫婦関係や親子関係を望んているかMaiさんが知っているかもポイント。パートナーさん本人がどのような家族でありたいかを語っていなければ本人の問題であり、本人に聞いたことがなければ夫婦の問題。

こんな感じですかね。

恐らくは、パートナーさんはこれまでどんな家族でありたいかを語ってきていないし、
イメージも湧いていないから、昔ながらの自分が育てられた家族の価値観を踏襲しているのではないかという推測します。

topisyu

Q2. 言えるけど改善は……。他にもしこりがある

閲子様

ご連絡ありがとうございます。メールいただけて感激です! フェイクは入れなくても大丈夫です。

少し補足させていただきます。ご指摘の通り、私と夫はどんな家族でありたいか、ということはほとんど話したことがありません。

例えば、私の中で大きなしこりになっている、こんなことがあります。

数年前に夫は、 MBAを取得したいと、昼間会社勤めをしながら、2年間大学院に通いました。最初、その話を聞かされた時、大学院は子供がもう少し大きくなってからにしてほしいと反対しました。当時下の子はまだ未就学児で、上の子も低学年。 まだまだ手がかかるからです。

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※写真はもちろんイメージです。

しかし夫は見切り発車で大学院に通い始めました。その時私は、これは一生消えることがない溝が夫婦の間にできたな、と感じました。夫はそんなことつゆとも感じていないと思いますが。

夫は、大学院に行ったのは家族のためでもある、というのです。リストラもされず、今の会社で給料をもらえているのは、MBAを取得したことも大きい、と。一方、私は、子供が小さいうちの2年間、家族とすれ違ってまでやることだとは思えません。

そんなことは望んでいないし頼んでもいません。完全に平行線です。 今では話題にもならない、というか話題にもしたくない大学院事件ですが、私は一生許せないと思います。

もう1点、夜の生活でもお互い平行線です。私は夫に触れられるだけで嫌悪感があり、当然したくありません。しかし夫は夫婦なのにそれはおかしい、と。このことで、何度も喧嘩や話し合いを繰り返してきました。そのたびに、最低週1回、週2回、など「契約」をするのですが、苦痛でたまりません。何歳までこんなことが続くのかと、 絶望してしまいます。

ちなみに、在宅勤務による家族の苦痛は、夫に話しています。しかし、会社が決めることであって、オレ(夫)が勝手に在宅か出勤か決められるわけじゃない、となるだけです。いつも耳を塞いでしまう、という感じです。

私は昔から夫への不満は、本人にきつく言ってしまいます。恥ずかしながら、他人に聞かせられないような暴言をぶつけることもあります。

それなのに、言い方は変ですが、夫は私に「なついて」います。「愛している」より、「なついている」という言葉がしっくりくる感じです。暴言をはかれて、冷たくされて、ひどい扱いをうけても「なついて」いるのが、不思議でなりません。だから、未だにだらだらと夫婦を続けているのかもしれません。

夫は性根が腐った人間ではないと思います。むしろ私の方が性格悪いと思います。というか、夫と一緒にいると、性格が悪くなる感じがします。夫は、悪気なく無神経な言動をとります。その言動で、わたしはひどく傷つくことがあります。今まで何度もありました。

私がそのことを責めると、必ず「悪気があったわけじゃない」と言います。開き直りともとれるその発言に、「悪気が無ければ何をしてもいいの?」と納得できません。その積み重ねで、今では、夫に何かしてあげようとか、夫のために、という気持ちはゼロです。

夫は無神経すぎて、最近はこれを夫に言っても理解できないだろうな、と、諦めることもおおくなってきました。

閲子様のおっしゃる「昔ながらの自分が育てられた家族の価値観を踏襲」に関して、結婚前に初めて夫の実家にあいさつに行った時に感じた違和感を今でも覚えています。

その日の夕飯に、家で焼肉をごちそうになりました。

義父母、夫の弟、私と夫の5人です。ちょうど食べていた時、義母の母が転んで大けがをしたという連絡が入りました。義母は慌てて病院にむかいました。

残された4人でとりあえず夕飯を済ませた後のことです。義父、夫、夫の弟、誰一人としてぐちゃぐちゃに散らかったテーブルの後片付けをしないのです。普段義母が全てやっているのでしょう。平時なら、 それぞれの家庭のやり方に文句を言うつもりはありません。しかし、その日は緊急事態で、義母は病院に行き、何時に帰れるかも分からないのです。疲れ切って夜中に帰ってきた義母に、後片付けをさせることをこの人達は何も思わないのかな、と不思議でなりませんでした。家族なのに、助け合うことをしないのかな、と。

しかし、全員決して悪い人間ではないのです。その後私1人で、出来る限りは片付けておきました。

この違和感を、もっと重大視しておけばよかったのかな、と今になって思います。当時は私もまだ若く、結婚で浮かれていました。。

補足のつもりでしたが、長々とすみません。

ブログの更新、楽しみにしております。今後の活躍もお祈りしております!

Mai

A2. 家族に期待する役割をホワイトボードで今一度整理してみては?

ここまでがメールのやり取りです。

メールで「ほっこりしますね!」と返信したのは、序盤から、

これまでの子育て人生において、やっと時間に少し余裕が出てきたな、と思っていた矢先のコロナ→夫の在宅勤務。それからというもの、夫が24時間家にいます。

と、嫌な予感があって、予想通りに怒涛のモヤモヤが続いたからでした。いかにパートナーさんに苛立たされているか、その現場にいる人しか書けない生のモヤモヤに非常に癒やされました。本当にありがとうございます。

加えて、過去のエピソード二本(自分勝手MBA事件、義実家誰も家事しない事件)にも、とてもほっこりさせてもらいました。なぜ、ほっこりできるかと言えば、Maiさんの中でどれだけ違和感があったか、心の中で何度も反芻されていたからですよね。こういう話はリアルではなかなかお目にかかれず、本当にインターネットとは素晴らしいな、ブログを長くやっていて良かったなと思わされます。

ほっこりばかりしていてもご本人のご希望の「率直な意見」にはならないので、追加で回答をしてもらった材料も含めて、率直な意見を書くことにします。たぶん、誰かに伝えられた時点で相当な部分は解消されていると想像しますが、念のため。

Maiさん自身は問題の解決に対し比較的建設的にアプローチができているし、絶望的な状況でもないとは思いました。ただ、在宅勤務というのはパートナーさんへの不満をこれまで以上に感じただけに過ぎず、根本的にパートナーさんとの関係性(というか、家族の一大事への対処方法)を整理しておかないと、これからも不満は続出するだろうなという印象です。

パートナーさんは激しくあたるMaiさんになついているというのは恐らく事実で、その上で、本人はMBAに通ったように自らがATMになり、家事育児は最低限しか関わらないというのが自分の役割として認識しているのでしょう。

一方で、Maiさんは、そんなパートナーさんに全般的に嫌悪感を抱いており、嫌悪感をかなり強烈にぶつけていて、その反射で自らがダメージを負うことが多い。

とすれば、最初に提案したとおり、夫婦観・家族観について今一度話し合うことがお勧めです。

子どもがそこそこ大きくなり、夜の関係も厳しく、会話自体が上手く成立していないという状態は、すでに最悪に近く、これから夫婦観・家族観を話すなんて遅いと思うかもしれません。ただ、これからはこれまで以上に悪くなることのほうが考えられるため、結局は今が一番マシだとも言えます。特に、在宅勤務で苦しんでいる状況もありますしね。

パートナーさんと話すときの方法としては、

・在宅勤務での夫としての振る舞い方を中心に家族としてのあり方に問題意識を感じていること

・ただ、これはパートナーさん個人の問題ではなく、家族のあり方を話してこなかった自分の問題でもあること

を枕にしつつ、

・自分としては夫婦が家事育児としてどのような機能を果たすといいと考えているか

を伝えながら、

・パートナーが考える自分の役割はどういうものだと考えているか

を教えてもらいたいと聞くといいですね。

で、環境としては、

・子どもがいない、できるだけリラックスした余裕のある時間で、

・例えば、お互いの足や肩をマッサージするなど完全に相対する形ではないように、

・適宜、ホワイトボードや紙などを使って整理する

のがお勧めです。

締め

以上、ほっこりエピソードに対して率直な意見を書いてみました。繰り返しですが、誰かに愚痴るのが最優先のモヤモヤに読めたので、私の意見なんかは何の参考にしてもらわなくてもいいと思いますけどね。

ちなみに、我が家では定期的に、「今、お互いに不満はない?」と確認し、何かあればホワイトボードを使って、どう解決するかを整理しています。例えば、夜の営みだと、こういうことをすると気持ちがいいよねなどということも率直に話します。相手への攻撃にならない形で。

夫婦のあり方、家族のあり方というのは時が経つにつれて微妙に修正が必要になりますし、家族の誰かが不満を持っている状態というのもしばしば訪れます。大型の機械装置には定期的なメンテナンスが必要なように、家族という装置にもメンテナンスは必要ですよね(伝わりにくい例え)。

今回は以上です。

これを読まれたみなさんも、どうぞetsuko.topisyu@gmail.comまで、ブログにそのまま掲載してもよい、ほっこりエピソードをご気軽に送ってください。アドバイス希望でも大丈夫です。私が一言コメントを付けてブログに掲載します。

なお、投稿にフェイクを入れるのは確認で時間がかかるので、ご自身でするか、私に全面的にお任せする形でお願いします。また、どんな方向でコメントをしてほしいかも書いてくれたら、期待に応えるようにします。罵ってほしい、褒め称えてほしい、傾聴してほしい、何でもOKです。