斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「夫が持病持ちでの、子どもの学校再開に不安。学校再開・自粛解除にあたり少しでも安心する材料がほしい」

家に引きこもりでみなさん辛いでしょうから、他のみなさんのほっこりエピソードでも共有できればと思いまして、

こんなTweetをしましたら、早速いただけました。第15弾です。今日は寄り添いつつアドバイスを期待されているものですね。

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読者からの質問

Topisyu 様

初めまして。いつもブログを読ませて頂いています。何かアドバイスを頂ければと思い、メールを差し上げました。

現在、最後まで自粛が解かれなかった地域に住んでおります。私には小学生の子供がおり、また夫に持病があり、学校再開に関して悩んでおります。

Topisyu様の記事に、学校再開について賛成だとございましたが(今、参照しようと探しましたが見つけられませんでした。記事を下げられたならごめんなさい)荻上チキさんの番組で学校生活は安全だと話された専門家というのは、どなたでしょうか。

差し支えなければその方のご意見をどこかで読んでみたい為、教えて頂けますでしょうか。

また、Topisyu様が学校再開にあたり、ご自身のお子様に何か個人でできる対策をされるのであればそちらも教えて頂けますでしょうか。

今、色々な方がコロナについてはご意見を述べられていて、何を信じていいか判断するのが本当に大変で、困っております。学校再開・自粛解除に当たり少しでも安心したく、ぶしつけながらご連絡差し上げました。

夫は現在は日常生活を送っていますが持病があります。コロナにかかってはいけないと自分に出来る最大級の配慮をしてきましたが、6月より、子どもの分散登校が始まります。

私はパートで働いており休校中は職場に配慮頂きましたが、今後は自分自身に判断をゆだねられております。こちらも、リスクとお金どちらを取るか迷っております。

学校からは、登校日に休ませた為ご心配頂き、もし今後お子さんが登校を見合わせることになっても良い感じにご相談に乗れると思う、と担任の先生からお言葉を頂いております。

私としては、自粛期間、子供はほぼ他の友達と接していなかったこともあり、再開したら集団生活や友達との時間を過ごさせてあげた方が良いのではないかと思っております。

(自分が社交下手な為、あまり他家族と交流がなく子供に寂しい思いをさせているというコンプレックスがあります。)

しかし、学校に通わせたことにより感染リスクが上がり、夫にも感染してしまったらと思うと怖さで心がいっぱいになり…。

このような状況下で、Topisyu様の学校再開に対するお考えの参考となった専門家のご意見と、賢明なTopisyu様がお子様にされているコロナ対策をお尋ねしたく思いました。お忙しい所恐れ入りますが、ご返信頂ければ幸いです。

Sより

斗比主閲子からの返信

Sさん、メールありがとうございます!

まず質問の1つ目について、

Topisyu様の記事に、学校再開について賛成だとございましたが(今、参照しようと探しましたが見つけられませんでした。記事を下げられたならごめんなさい)荻上チキさんの番組で学校生活は安全だと話された専門家というのは、どなたでしょうか。

これは、この部分でしょうね。

教科書や宿題を配って満足している学校・教育委員会は、今すぐに文科省設置のICT活用教育アドバイザーに助言を受けるべき - 斗比主閲子の姑日記

私はCOVID-19の子どもへの影響は限定的と理解してるので(荻上チキさんのsession-22でも何度も専門家が言っている)、完全に通常授業をやってしまえばいいと考えていますが、恐らく多くの親がリスク回避的な志向を選び、あと1-2年はまともに学校での授業ができなくなるはずです。もしかしたら、毎日交代での登校で、少人数学級が基本になるかもしれない。

"学校生活は安全"は"子どもへの影響は限定的"で、"学校再開について賛成だ"は"完全に通常授業をやってしまえばいい"となっているところから受け取られたのかと思います。

それで、肝心のお知りになりたい"子どもへの影響が限定的"と"session-22で何度も専門家が言っている"の部分の専門家は、複数の専門家がこの2ヶ月ぐらいでそのようなことを話されていて、誰が話したかは記憶にありません。本当にここ最近はsession-22で毎日のように新型コロナウイルスの報道をしているので……。

荻上チキSession-22|TBSラジオFM90.5+AM954~何かが始まる音がする~

ただ、子どもへの影響が限定的で、学校休校による流行阻止がいまいちというのは、先日Twitterでも紹介した、日本医師会COVID-19有識者会議のメンバーが次のように発信していて、そんなに特殊じゃないことは分かるかと思います。

小児の新型コロナウイルス感染症に関する医学的知見の現状 | 日本医師会 COVID-19有識者会議

  • 現時点では、学校や保育園におけるクラスターはないか、あるとしても極めて稀と考えられる。そして、小児では成人と比べて軽症で、死亡例も殆どない。乳児では発熱のみのこともある。10代では凍瘡様皮膚病変が足先にできることがある。他の病原体との混合感染も少なくない。
  • (中略)
  • 学校や保育施設の閉鎖は流行阻止効果に乏しく、逆にCOVID-19死亡率を高める可能性が推定されている。
  • 教育・保育・療育・医療福祉施設等の閉鎖が子どもの心身を脅かしており、小児に関してはCOVID-19関連健康被害の方が問題と思われる。

若年層で重症化リスクが低いというのも専門家会議が何度も指摘していますね。

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解等(新型コロナウイルス感染症)|厚生労働省

そんなわけで、私は子どもの新型コロナウイルス感染(後の重症化)リスクはそんなに重要視していません。子どもが他の要因で怪我や死亡することのほうが高いだろうし、書かれているように子どもが家にずっと居ることの弊害は(親にも子どもにも)大きいですから。

あと、情報リテラシーの観点では、世の中では色んな人が色んなことを言っているため、できるだけ公的機関に近いところやこの分野の専門家の研究者の意見以外は私は特に耳に入れないようにしています。まずテレビは見ませんし、SNSや知人・友人の新型コロナウイルスに関わる話も聞かないようにしています。session-22は報道の中での良心みたいな番組です。

一方で、子どもが病気を学校でもらってきて親に感染させるというのはほとんどの親が体験してきていることでしょうから、Sさんのように、

しかし、学校に通わせたことにより感染リスクが上がり、夫にも感染してしまったらと思うと怖さで心がいっぱいになり…。

心配される気持ちは私も理解できるところがあります。これに関して否定するような材料は私は見たことがありません。ですので、「○○だから安心してください」とは言えません。

そこで、2点目のご質問についてです。

賢明なTopisyu様がお子様にされているコロナ対策

基本は子どもの手洗いの徹底です。私が賢明かどうかは置いておいて、手洗いは明確にエビデンスがあるようですので、それに準じています。加えて、子どもは外出先から戻ったら玄関で手指のアルコール消毒をさせています。子どもの手洗いは信用ならないし、手洗い前にやたらめたら周辺を触るのも子どものやりがちなことですし。

マスクはさせていますがポーズに近いです。子どもはマスクをすぐに手でいじりますし、完全に密閉させた状態は呼吸しづらく外しちゃいますから、感染予防というより少しでも飛沫を飛ばさないように(加害者にならないように)マスクをつけてもらっています。

また、子ども同士が遊ぶ場は、学校を除いて基本外にしてもらっています。屋内では友達とのLINEやオンラインゲームの対戦をしてもらっています。人間関係的にはこれでかなりカバーできそう。

こんな感じですかね。

学校は学校で、厚労省の新しい生活様式に沿った文科省のガイドラインに従っているはずですから、あまり心配はしていません。次亜塩素酸水を噴霧するとか言い出したら、速攻で突撃するでしょうが。

最後になりますが私の新型コロナウイルスへのスタンスを書くと、

  • 世界的な流行はまだ終わっていないから、日本で感染者数が一時的に減ったとしてもそれは一時的なことで、流行はワクチンが市中に流通するまでいつでも何度でも起きる可能性はある
  • 日本は感染者数及び死者数の両方で見ても世界的にはかなり抑え込められていて、相対的にはかなり安全な国の一つ
  • 中国や韓国のように個人のプライバシーを犠牲にして感染者の行動経路を明らかにするやり方はイヤ

といったところです。

日本はかなりマシで、とはいってもこの状況はまだ1年以上続く可能性があるんじゃないかってことですね。専門家でもなんでもないので、どこにでもいる人間がどういう認識か程度でもちろん読んでください。

その反面、人間が人とのコミュニケーションを一切停止し、経済活動を限定的にするのは限界があります。それで失われるものが大きくなる。

私はアラフォーですが、40代以降は癌での死亡数が一番になります。それまでの20代~30代は自殺が死亡数で一番。

厚生労働省:死因順位(第5位まで)別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合

新型コロナウイルスへの対処と同程度に癌に気をつけることはほとんどの人はしていないはずで、結局のところ、リスクに見合った落とし所を個々人が決めていく=リスクとともに生きていくことになるんじゃないかと思っています。これは飯田泰之さんがsession-22の↓のプログラムで言っていました。

【音声配信】特集「緊急事態宣言が延長。外出自粛や休業による個人消費の減少などが日本経済に与える影響、いま必要な経済対策とは?」飯田泰之×中田大悟×井上智洋×荻上チキ2020年5月6日(水)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」22時~)

不安で不安で辛いときは、辛さをできるだけ言葉にし、また、美味しいものを食べ、定期的な睡眠をし、人とお喋りすることでかなり解消されるものがあります。また、私に何でもいいのでメールしてもらえれば適当にリアクションします。

今回は以上です。

これを読まれたみなさんも、どうぞetsuko.topisyu@gmail.comまで、ブログにそのまま掲載してもよい、ほっこりエピソードをご気軽に送ってください。アドバイス希望でも大丈夫です。私が一言コメントを付けてブログに掲載します。

なお、投稿にフェイクを入れるのは確認で時間がかかるので、ご自身でするか、私に全面的にお任せする形でお願いします。また、どんな方向でコメントをしてほしいかも書いてくれたら、期待に応えるようにします。罵ってほしい、褒め称えてほしい、傾聴してほしい、何でもOKです。