たまたまこの報道を見ました。
杭打ち偽装責任者、母に「ごめん」 問題発覚後にメール:朝日新聞デジタル
「迷惑かけてごめん」。横浜市都筑区のマンションで杭のデータを偽装した現場責任者は、問題が明らかになって以降、愛知県内に住む母親に短いメールを送っていた。
母親によると、メールが届いたのは10月下旬ごろで、「本当にしたならした、していないならしていない、と言わないとダメだよ」と返信したという。
「本当に世間様をお騒がせして……。息子のことは私が知りたいぐらいで、何にもわからない」。母親は先月28日、朝日新聞の取材に声を震わせた。
知人によると、現場責任者は40代で(中略)男性は言う。「魔が差したのかもしれないが、これだけの騒ぎになって。やっちゃいかんことです」
元の件については以前ブログでもちらっと書いたとおり、自分は個人の責任というより、個人が何か大事ができる組織構造を問題視した方がいいというスタンスです。失敗を個人の責めにして終わらせるより、仕組みでカバーできるようにしたほうが生産的ですし。(とはいっても、それをやるのは結構大変で、どの範囲までというのもありますけどね。)
その上で、この朝日新聞の取材を読んだわけです。40代男性が何かしたことについて、その母親に直接取材しているというもの。
これ、朝日新聞は取材だと言っているということは、母親に話を聞きに行ってこの件の何かが掴めると記者は思っていたんでしょうね。40代男性なら仕事のことを母親に何か話していると考えたんでしょうね。そして、「世間様をお騒がせして」「何にもわからない」と母親に言わせて、その言葉を記事にしたのだから、朝日新聞としてはこれがニュースバリューがあると考えたんでしょうね。
メディアとして素晴らしいスタンスだと思います。
やはり、40代になっても、その家族は何がしかの責任があり、こういう取材に対応しないといけないですよね。とにかく個人の関係者は全員当たらないといけないから、10数年前に接点があっただけという知人にも話を聞いて、「やっちゃいかんこと」と言わせ、それを報道したほうがいいですよね。
先日は、財務省による小中公立の先生の定数削減案に関する報道で、生徒の数以上に先生の数が減っているという印象を与えるグラフを掲載していました。
教職員定数削減「暴論だ」 中教審が緊急提言:朝日新聞デジタル
このグラフだけみると先生の数も少子化に合わせて順調に減少しているように見えます。左軸の目盛り間隔と右軸の目盛り間隔を調整するとこういうことができます。匠の技です。
割合で見れば、生徒数がここ10年で5%減少する一方で、先生の減少割合は1%程度ですから、先生の減少数はそれほど大きいものではありません。こういうのは起点を100にして指数で比較するものです。
ちなみに、この定数削減についてはこれもブログに書きましたけど、自分は賛成の立場です。一つの理由は、1クラスあたりの生徒数が現状から多少減っても教育効果は大したことがないという研究があるというのがあります。(1クラス20名以下を目指すなら話は別)
色々書きましたが、朝日新聞には今後とも価値あるフェアな情報を提供して欲しいと切に願っています。
※美しいサンゴ礁でも見ておおらかな気持ちになろう。