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斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

そうか!「妻にも不倫の責任がある」とすれば鎮火すると考えている人が炎上対策してるんだ

今年の参院選で自民党に擁立されると報道された人が、オープンに不倫をしていたということで、その事実と、それを受けた謝罪文が話題になっていますよね。

http://www.flickr.com/photos/48294017@N00/3153140434

photo by milfodd

※火を見ていると落ち着く。

 

 

プロによる炎上対策?

私は今まともに長文を書ける環境でもないし、中身を追う時間もなくて、このことについてはTwitterで軽く触れた程度なんですけど、さっきHagexさんのこの記事を読んでいて、

ネット炎上史に残る「乙武不倫謝罪文」 - Hagex-day info

この謝罪、かなり大がかりなプロジェクトでっせ。しかも超短期間に準備をしていて、凄い。謝罪文も以前と違って、かなり注意している。誰に謝っているかよくわからない……などもあるが、まあ、それは目をつぶろう。プロジェクトXなみのスケールで用意したこの檜舞台を、「妻の謝罪文」を掲載することで、一気にぶちこわし。100日にかけて用意したドミノが、完成直前で全部倒れてしまった……といった感じでございます。

とあって、なるほど、そういうことであれば、その謝罪文というものは、自民党関係者なのか、芸能関係者なのか、とにもかくにも、後ろには炎上対策のプロがいるんだなと理解しました。

しかも、

乙武さん不倫の謝罪ホームページに見るプロの犯行: | ふくゆきブログ

今回、不倫で有名になった乙武さんの謝罪文はAWSのS3で構築してる。技術的にもプロの犯行だ。

プロといってもこういうことにも精通している、ネット炎上対策のプロ。

 

インターネットの影響力

インターネット選挙が解禁されるとか、解禁したけれどネットで話題だった人が落選したとかで、インターネットの影響力は現実にはあまり大きな影響はないという話もありました。

ただ、去年のオリンピックのエムブレムの件や、今年の「保育園死ね」を民主党の議員が国会で紹介してからの盛り上がりなどを見ていると、ネット炎上対策を多少コストをかけてもしたほうがいいと考える人は急速に増えていてもおかしくない。

特に、今年は参院選の年で自民党は大勝して、その上で、国民投票で憲法改正をしたいという目標があるから、実際の影響度がいくらかでもあると考えれば、対策しますよね。政治家ではないですが、メルマガがどうのとか、Twitterのフォロワー数が3000人減ったと嘆く人もいますし。

「Twitterのフォロワーが3000人も減った」〜田母神俊雄氏が釈明会見で水島総氏を厳しく批判 (1/2)

今この汚名を着せられて、本当に実際、私にとっていろんなことが起きるんです。通常の社会活動ができませんから。今日、こうして弁明をさせていただかなければ講演もできない、キャンセルになるし、本の出版も延期になるし、メルマガとかの解約、Twitterのフォロワーも3000人も減るし、いろんな私にとっては障害が出てるんですね。

 

話題になっている「妻」の謝罪文

それはそれとして、そのプロが関与したと思われる謝罪文を読んでみました。特に話題になっている後半の部分ですね。

『週刊新潮』の報道について - 乙武洋匡

このたびは、夫、乙武洋匡の行動が週刊誌で報じられた件につきまして、多くのみなさまにご迷惑をおかけしたことをお詫び致します。

このような事態を招いたことについては、妻である私にも責任の一端があると感じております。

今日に至るまで二人でしっかり話し合った結果、3人の子どもたちのためにも、あらためて夫婦ともに歩んでいくことを強く決心致しました。

本人はもちろん、私も深く反省しております。

誠に申し訳ございませんでした。

この謝罪文、皆さん、読んでどう思われますか?

 

恐らく、

「奥さんに謝らせるなんてモラハラ夫の典型じゃん」

「選挙に出るために立場の弱い奥さんを利用したんだよね、サイテー」

という風に、不倫をした夫のほうが酷いと思っている人のほうが、インターネットでは優勢なんだと思います。だからこそ、この謝罪文が鎮火剤になるはずが、追加燃料になってしまったわけで。

Hagexさんも、

誰も気がつかなかったのか! と突っ込みたくなります。

こう書かれてますし、少なくともインターネットでは、「妻に夫の不倫を謝らせるなんて最低!」という価値観がある程度はあるんだと思います。

 

でも、私からするとこの謝罪文は理解できるところもあります。不倫が理解できるとか、不倫の罪は不倫された側にもあるという考えが理解できるとか、そういうことではないですよ。「妻が夫の不倫を認めて一緒に謝れば、それで納得する人がいるんじゃないか」という発想が理解できるということです。

 

夫の不倫は妻の責任と考える人

この謝罪文、テレビではどう報道されているか分からないですけど、たぶん、高齢者の一定層には受けると思うんですよね。受けるというのはポジティブに受け取られるということ。「夫の不倫は妻の監督責任だからな、妻が悪い」「奥さん、ちゃんと旦那さんの手綱を持ってなかったのね」みたいな反応がありえる。この謝罪文で、頭のなかで不倫の責任が夫から妻に移る人はいる。例えば『女は三界に家無し』を信じている人。こういう人は昔の人には結構います。

 

このネット炎上にプロが仮に関わっているなら、この妻の部分にもちゃんと意図があるわけですよね。意図があるとすれば、これがポジティブに受け取られるという方向性だから、「妻にも不倫の責任がある」と心底信じていたから載せたというより、「妻にも不倫の責任があるとしたほうが納得してくれる人はたくさんいるだろう」と考えたということ。あとは、不倫が民事で訴えられるのは、された側だから、された側が文句がなければ問題ないだろうという発想もあるんでしょうけど。

 

確かに、結婚観、家族観について保守的なものを持っている人の中には、不倫の責任は妻の責任と考えている人は結構いるし、そういう人向けにメッセージを送るのも合理的ですよね。自民党の支持層はそっちとも言えるし。

 

インターネットでは追加燃料

ただ、これが掲載されたのは、誰もが見られるインターネットなわけで。「不倫の責任の一端が妻にあって、妻に謝らせるなんておかしくない!?」「リベラルな人だと思ったのに、妻に謝らせる保守的な感性の人だったんだ」と考える人も一定人数いて、だからこそ、今回みたいな追加燃料になっちゃった。

 

だから、話は戻りますけど、

誰も気がつかなかったのか! と突っ込みたくなります。

というHagexさんのツッコミについては、今回担当したプロ(いるとすれば)からすれば、「まさか、そんな」ということなんだと思います。どんなPR会社が担当したかは知りませんが、こんな反応があるなんて思ってもいなかった。たぶん、「これでも、保守層は納得してくれているから大丈夫です!」とクライアントには説明しているはず。

 

ネット炎上の鎮火方法

私はネット炎上というのは、ネットという有象無象の大きなものが蠢いているというより、ある種の層に分かれて、それぞれの層が異なる動機で炎上に参加していると考えています。

誰でも見ることができちゃうから、受け手の年齢も、価値観も様々。保守的な人も革新的な人もいる。だから、炎上した後にベストの鎮火を目指すなら、それぞれの層に違ったアプローチ方法で異なる鎮火剤を投下したほうがよく、リソースの問題でそこまでできないなら、最小公約数的なアプローチをした方が鎮火は早い、という感じでしょうか。

 

締め

産休不倫元議員の件で内閣支持率が女性でかなり下がったという話がありました。

世論調査:内閣支持率9ポイント減42% 女性に顕著 - 毎日新聞

宮崎謙介元衆院議員の不倫問題が特に女性の反発を買い、内閣の足を引っ張っているということは言えるだろう。

こんな状況で、さらに不倫をしていた人を参院選で擁立すれば、また内閣支持率によくない影響があると考えてもおかしくないようには思います。

参議院選、オリンピックというイベントがこれから控えていて、国民投票もどこかで行われるとしたら、インターネットでの炎上をどうやって避けるかというのはそれなりに需要があるでしょうから、これをビジネスにする人も増えてくるんでしょうね

以上、本題です。以下、余談です。

 

 

 

余談

なお、私事では、今月これを書いたら、 

「お前は左翼運動家を支援するのか」みたいに罵られ、 その後で、これを書いたら、

自民党の犬と言われました。この間、たったの四日。

 

他の記事でも同じような反応があったことはあります。

こういう政治系の記事は、何かのプロパガンダというわけじゃないんですけどね。

 

見て分かる通り、どれも家庭内トラブルとかご近所トラブルに関わるものだから。分からない人は、次の発言から脳内シミュレーションをしてみてください。

 

「え、エルゴ持っているとお金持ち扱いなんですか!だったら、私もエルゴにします!!」という見栄張りママ

「あなたのうち、お子さんいないんですって? だったら私の気持ち分からないだろうな」というご近所さん

「息子さんが会社で不祥事? それはお母さんの責任よね~」という井戸端会議

「嫁に行ったんだから、あの子の入る墓はここにはない」という親

 

これらを読んで脳内でビジュアルに描写できてしまう人がこのブログの想定読者です。