今回も読者からの簡単なモヤモヤにコメントします。
同居だが夫の調整能力が低い
トピシュさんへ
トピシュさんは常々「同居であれば実子の動きが大事だ」と書かれていますよね。私は風呂・トイレなど全部共有の同居嫁なのですが、実子である夫があまり上手に義両親との仲を取り持ってくれません。
本人には調整しようという意思があるのですが、夫が何か言うとこじれるパターンが多いのです。なので何かあれば結局私が言う羽目になり、そのあとはしばらくぎくしゃくとした気まずい雰囲気になります。どうやったらより良い方向に持っていけるのか、相談に乗っていただけたら嬉しいです。
Sより
親を敵に回さないように丁寧に接してもらう
風呂・トイレなど全部共有の同居はシンドいですね。揉め事が起きるのは確実です。これは実子に上手く立ち回ってもらいたいところです。
人間関係の揉め事とは、テリトリーが被っていて、価値観が違っていて、遠慮がない人との間で頻発するものです。義実家と同居をすると、その価値観が違う(30歳ぐらい年上)、遠慮がない(家族のつもりで接してくる)人物(主に姑)との距離が味噌汁がアツアツなぐらいで成立しちゃうわけです。
最近は男性が家事をするようになったといっても、全部が全部ってわけじゃないですからね。特に、炊事・洗濯・風呂みたいな水回りは女性の家事とされていることが多いので、これで姑とバッティングすることになるわけです。揉めないはずがない。
揉め事が起きないようにするには、距離を取るのが有効です。物理的に距離を取りようがない同居の場合は、精神的に距離を取るべく、普段の接触をできるだけ実子がハブになるのが望ましい。というわけで、「同居であれば実子の動きが大事」という話に繋がるわけです。
ところが、実子が上手く機能しないときがあります。このモヤモヤを送ってくれた人のパートナーさんの場合は、調整する意思があるだけいいのですが、それでも上手くいかないときがある。
大体は、
- 親しき仲に礼儀なしで、親だからと思って雑なコミュニケーションをしちゃう
- パートナーを守ろうとするあまり、親に敵対的に接しちゃう
- 親から「あなたの意見じゃなくて、嫁子さんに言わされてるんでしょ」みたいに勘ぐられちゃう
みたいなことが原因です。
こういうハブになるどころか揉め事を増やしてしまう実子には、
- 丁寧に親に接することが最終的にはみんな得をする
- 親の不満にも耳を傾けながら、親に寄り添って話をするといい
- 嫁子の不満ではなく、自分のこととして伝える
というのを意識してもらうといいですね。
良くないのは実子が過度にパートナーに寄っちゃって、まるで敵のつもりで親と接しちゃうことです。揉め事が起きるのはあくまで価値観が違う者同士が近くにいるという不可抗力ですから、誰が悪いというわけではないんですよね。同居している親からすると自分たちの暮らしに異物が混入したという感じはあるので。
義理の両親が、乳児にハチミツを舐めさせようとしても、アレルギーのある食品を食べさせようとしても、母乳育児を強要しようとしても、布おむつを使わせようとしても、子どもの教育にいちいち口を出してきていても、これはもう、価値観の違いがあるのだから仕方ないと考える。大問題に発展しそうなものはしっかり伝えるとしても、親側に非があると思って接してしまうと収まるものも収まりません。何しろ本人たちは善意なのですから。
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同居ではパートナーを親より優先するというのは理解しつつも、親との表面的な接触では、それを明確にしすぎないようにすること。親を敵に回さないこと。難しいけれど、ハブとしての実子に求められる大切なスタンスです。