このTweetが紹介している東京新聞の記事を読みました。
東京新聞朝刊「アレは全然勉強しなかったの。『バカか』と言ったの。北大を受けて、弁護士か政治家になりたがってたけど、全然勉強しないから入れる訳ないの。」アレとは、第99代内閣総理大臣、菅義偉。菅の父親(故人)の11年前のインタビューだ。何が叩き上げの苦労人だ?怠け者の道楽息子やないか。 pic.twitter.com/eGAecJVkM7
— はな (@hanakija38) 2020年9月20日
私が記事を読んだ感想は、このTweetを書いている人とは正反対です。
というのも、父親が息子を「アレ」とか「バカ」とか呼んだ上に、大学受験に失敗したことで「お前はもう駄目だ」「農家を継げ」などと言っていたとしたら、時代もあるのは理解しつつも、この父親は相当毒親っぽい印象を受けるからです。
※たまに読み返す
私のブログの読者には、機能不全家族や毒親育ちの方がそれなりにいらっしゃるのですが、親から苦労を受けてきた人からすれば、恐らくはこのエピソードでもって菅さんのことを"怠け者の道楽息子"とは思わず、共感する可能性が高いでしょう。
ちょっと話は変わりますが、このTweetをした人は自身も子育て経験をしたことがあるようです。この記事の父親の発言に違和感をまったく持っていないということは、自分の子どもが不出来だと思ったら、「アレ」とか「バカ」とか呼ぶんですかね。だとしたら、相当ほっこりしますね!
私は自分の子どもは自分とは独立した存在だと認識しているので、私の子どもが私のように旧帝大に入れなくとも、また、司法試験に合格しなくても、自分の子どもを「アレ」とか「バカ」とか言うことはなく、また、「家に帰ってこい」とも言うつもりはありません。私も司法試験は勉強しましたが、受からなかったというのは関係ありません。
それはそれとして、東京新聞が月刊『創』の編集長が書いたこの記事を掲載しているのは、私は東京新聞の定期購読者ではないためnot for meではあるものの、大丈夫かなとは思いました。
何しろ、この記事の出だしは、メディアは権力監視が使命で、週刊誌は悪くないというところからスタートするので。今の感覚で見れば相当毒っぽい父親の言を借りて、個人の出自を粗探しすることが権力監視だなんて、私は思いません。東京新聞の読者はこれで持って権力監視だと思う人が多いということなんでしょうか。
荻上チキさんのSession-22では、菅さんが横浜市議時代のエピソードを紹介しつつ、大きなビジョンは持っておらず、政治家に女性が少ないことにも興味はないだろうことを解き明かしていました。これを権力監視とするのなら、私は違和感ありません。
私はメディアには期待しているので、読者を高いレベルに引っ張ってくれるような権力監視の機能を果たして欲しいと願っています。権力者への身内による悪口を引っ張ってくるようなのは、最低の部類だと私は思います。