斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「皆が余裕を持つだけで優しい日本になる」と考える人が犯罪被害者を「あなたにこの事件はついて回る」と追い詰めているのを見て、思ったこと

※ちょっとタイトル変えました。

昨日、とあるアイドルタレントが強制わいせつ罪の容疑で書類送検されたというニュースを見ました。本人も容疑を認めていて、このタレントが所属する事務所側は、

お酒を飲んで、被害者の方のお気持ちを考えずにキスをしてしまいましたことを本当に申し訳なく思っております。

とコメントを発表していますので、事実としては間違いないようです。しかし、お酒を飲んだからやっちゃいましたというのは、事実だとしても、企業のリリースとしては出来が悪いですね。

それはそれとして、この件の被害者の方と思われる人の名前をはてなブックマークのコメント欄で書き込んでいる人がいて、真偽はどうとしても不適切だと思いさくっと通報しつつ、

不適切なブックマークコメントを通知する - はてなブックマークヘルプ

すでに名前が出ているということは、被害者叩きが起きていてるもしれないと思い、被害者(と思われる人の)のSNSのアカウントをチェックしてみたら、案の定、その被害者(と思われる人)がリプライ欄で叩かれていました。

ネットに不慣れな人は想像がつかないかもしれませんが、被害者の名前が出ると、被害者にも非があったのではないか、お前が我慢していたらいいのにみたいなことを被害者本人にネットで伝えようとする人はいるんですよね。被害者叩きをする。ある意味、いじめ被害者がいじめ加害者を告発したら「いじめをされる方にも問題がある」と周りが言っちゃうみたいなのに似てます。

特に、今回書類送検されたタレントは非常に好感度が高い人だったので、被害者のほうが悪いという発想を抱く人はそれなりにいるんじゃないかと見ています。

それはそれとして、被害者(と思われる人)叩きをしている人たちのアカウントを一人一人チェックしてみました。何となくどんな人たちかは想像がつくけれど、やはり、見ておかないと実態は分からないなと思って。

「あなたにこの事件はついて回る」と被害者(と思われる人)を追い詰めている人のネット上の発言を過去に遡って眺めていたら、「日本人は心の余裕がなくてイライラしているからちょっとしたことでクレームをする。皆が余裕を持つだけで優しい日本になる」ということを書いているのを見かけました。

※ 個人の話をするつもりはないので、元のタレントの名前を出さないのと同様に、発言が個人のアカウントと紐付く形での紹介はしません。

言っていることとやっていることが正反対なので驚かれる人もいるかもしれませんが、こういう人はリアルでもネットでも結構いるものです。特に、ネットの場合では過去の発言をチェックしやすいから可視化しやすい。

私がこの発言を紹介する意図としては、加害者に被害者意識があること、一貫性を維持することは難しいことというのを言いたいからです。この叩いている人だけじゃなくて、それこそ、どんな事件でも、被害者を叩く人はいて、その人たちは普通にそれなりに善良な意識を持って日々生活をしている。言っちゃえば、被害者叩きをしている加害者になっちゃっているんだけど、本人たちは加害者というより、自分の応援していたものを汚された・非難された被害者だという意識を持っていたりする。そして、常に一貫性を持ってありとあらゆる事象を裁くということは非常に難しい。

特に政治的なことが絡むと、自分の正義感のラインがズレるというのはよくある。

自分も、それこそお酒を飲むとか、仕事や育児で時間がないとか、睡眠時間が足りていないとか、そういうときにはラインがズレることはあるので、我が事として気をつけたいなと思った次第です。 

突然、僕は殺人犯にされた (竹書房文庫)

突然、僕は殺人犯にされた (竹書房文庫)

 

※こういうこともネットではある。西田敏行さんの件も。