斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

結婚10年目に夫が複数の女性と浮気、離婚後3ヶ月で夫は共通の女友達とできちゃった結婚。人生に絶望感を覚える

今週は読者からの心温まるモヤモヤを紹介するほっこりウィークです。二人目は夫と離婚した40代の今日子さんからいただいたモヤモヤです。今日子さんとのメールのやり取りをQA形式で整理しています。 自分の回答スタンスとしては、傾聴や、背中を押すというより、ロジカルな回答を求められたものです。7000字強ありますので、忙しい人はブクマでもして後で読んでください。

今回は見やすいようにいくつか赤字で強調をしています。

 

Q1.10年来連れ添った夫が浮気、女友達と再婚。人付き合いが億劫。人生に絶望感がある

斗比主閲子様

はじめてご連絡を申し上げます。

いつもブログを興味深く拝読しております。突然のことで不躾とは存じますが、悩みごとに対するアドバイスを頂きたくご連絡を申し上げました。悩みごとというのは、抽象的なのですが、これからの人生をどうしたらいいのか展望がなく持て余しています。まず、当方の現状を整理します。

現状

  • 40代女
  • バツイチ独身一人暮らし
  • 正社員管理職

忙しい仕事についており、平日深夜まで、土日もどちらかは働いています。昨年昇進してしまい(中間管理職)、ますます責任が重くなって、いつも仕事に追われて気が休まらない状況です。ただ、年収は1000万円を超えており、待遇は悪くありません。

夫と離婚

アラサーの時結婚し10年近く一緒にいたパートナーと昨年離婚しました。直前まで関係は良好だったのですが、共通の知人を含む複数の女性と浮気をしている証拠を見つけてしまい、生理的な嫌悪感が消えなくなり離婚を決意しました。

彼が浮気の事実を認めつつどうしても離婚しないと言い張ったため、しばらく同居のままで話し合いをしました。二度としないと土下座され、毎日のようにポエムのような謝罪のメールが来ましたが、同時期にSNSで共通の女ともだちの投稿に軽いトーンのコメントを付けたりもしていて、誠意があるようには感じられませんでした。

共通の友人や彼の両親からは離婚を思いとどまるよう何度も説得されました。いずれも、男の浮気は仕方がない、せっかく仲の良い夫婦なのにもったいないという理由でした。大して親しくないのに、うわさを聞いてわざわざそんな内容のメールをしてきた人もいました。

わたしとしては、平気な顔でたくさんの嘘をつき続けていたこと、不倫を悪いとも思っていない倫理観の欠如、不特定多数と性的な関係を持つこと自体のリスクなど、いずれも許容できないと思いました。

彼の行動はわたしが気付かないことでエスカレートしており、今回許せば、次はもっと大変なことになる予感もしました。友人たちにはそういうこともかいつまんで説明したのですが、納得は得られず、自分が間違っているのかという迷いも生じ、この時期はとても苦しかったです。

慰謝料と財産分与の調整がついた段階で、彼は「君のことは一生忘れない」というようなメッセージカードを残して出て行きました。そして、その3ヶ月後に、共通の女友だちと再婚することになったと連絡が来ました。いわゆるできちゃった結婚とのことでした。さすがにそこまでは予想していなかったので、殴られたような衝撃を受けました。

未練はないのですが、今でも不意にいろいろなことが思い出されてモヤモヤが止まらなくなります。あれだけのことがあって一年も経たないうちに、彼には子どももできて仕事も順調で、普通に幸せそうなのがどうしても許せません。こんなこと考えても仕方ないのは分かっているのですが、不幸になればいいのにと思ってしまいます。

離婚を機にさらに厭世的に 

わたしは元々内向的でネガティブな性格だったのですが、離婚とその後の一連の出来事を経験して、より厭世的で人を信用できない心境になった気がします。

仕事がすごく好きというわけでもなく、流されるままキャリアを積んできたこともあり、以前よりも、忙しいことに苦痛を感じるようになりました。ただ、暇になってもすることもしたいこともなく、おそらく空いた時間は家に閉じこもって寝ているか本でも読んでいるんだろうと思います。つまり転職しても特に展望はありません。

むしろ転職に伴って生じるゴタゴタや新しい環境になじむための労力を思うと億劫になって、転職サイトに登録するくらいしか動けていません。

人付き合いに億劫に

3ヶ月ほど前から交際している男性がいて、プロポーズもされているのですが、再婚も億劫で返事を保留したままにしています。穏やかな人で一緒にいると楽なので曖昧なまま関係を続けています。

友人たちとは今でも付き合いはありますが、SNSを見ると彼や彼女とも交流しているようで、なんとなく信用ができず、以前のように仲良くする気になれません。ただ、元々人づきあいのヘタな自分を気遣ってくれること自体はありがたく、誘われれば出かけるという状態です。

なお、実家とは折り合いが悪く、冠婚葬祭以外は付き合いがありません。

この先もしんどい思いをしながら仕事をするだけの人生だと思うと、生きる張り合いが湧きません。

モヤモヤ

今後、わたしはどのような心持ちで残りの人生を過ごせばよいでしょうか。このようなことを見ず知らずの方にご相談してしまい恐縮ですが、第三者的な立場からロジカルなアドバイスを頂けたら、大変うれしく存じます。

乱文にて申し訳ございません。何卒よろしくお願い申し上げます。

今日子

 

A1.時間が解決してくれるものもある。英気を養いましょう

今日子さん

メールありがとうございます。全般的に美味しく頂きました。特に元パートナー絡みのエピソードは凄い。元パートナーはネットでいうところのロミオですね。できれば、ポエミーなメールの一部でも読ませていただきたいところです。

では、早速ご質問にお答えします。

今後、わたしはどのような心持ちで残りの人生を過ごせばよいでしょうか。

シチュエーションを考えれば今人生に喪失感を持つのは至極当然だと思います。

  1. 10年間結婚した相手と、相手が自分を裏切る(他の相手を選ぶ)形で終わった
  2. 仕事は好きではないが忙しい
  3. 忙しいが故にプライベートの時間がそもそもあまりない。あってもすることはあまりない
  4. (厭世的なところ、元パートナーとの離婚等から)人付き合いが億劫
  5. 家族とも折り合いが悪い

この状況はかなり厳しい。

離婚がらみでは時間が解決してくれるだろうところはあるにせよ、環境が変わらなければ、今のような倦怠感や嫌悪感や億劫さを抱え続けることになると思います。ということで、このままでいるのは辛いでしょうから、シチュエーションを変えることがお勧めしたいところです。転職してもいいし、結婚してもいいし、新しい友達を作ってもいい。 

ただし、今日子さんがおっしゃる通り、転職にしても結婚にしてもエネルギーが必要です。ですので、エネルギーを充填するようにしたいですね。基本路線は、肉体と精神を健康にすることですので、

  • 海外でもいいので、ストレスを発散できるところに長期休暇を取っていく
  • 週一でもいいので運動をする、筋トレをする
  • 睡眠時間をよく取る
  • 朝、日の光を浴びる
  • 美味しくて栄養のあるものを食べる
  • 他人に現状を愚痴る。特に元パートナーが再婚した経緯やロミオメールなどを漏らす

です。

とにかく忙しい状態ではエネルギー充填はしにくいので、できればどこかのタイミングで一週間ぐらい休むか、一ヶ月ぐらい休職したいですね。

以上、今時点でのアドバイスです。何か不明なところがあれば聞いてください。

ちなみに、

1. 元パートナーとは子どもは作ろうとしたのか。不妊等はあったのか

2. 仕事で転職はしやすいか。今日子さんにスキルはあるか

3. 新しいパートナーとは、億劫でなければ結婚して良いのか

4. 実家との折り合いが悪くなったのはどうしてか

といったところは少し気になりました。この辺も教えてもらうと、更に詳しくコメントできることはあると思います。

 

Q2.追加情報としてロミオメール、家庭事情を送ります

topisyu様

ご多忙中、早速のご返信をありがとうございます。

ロミオメール

まず、元パートナーからのメールを貼付します。◎◎部分がわたしの名前です。
離婚を前提に話し合いを開始して1ヶ月経っていたので、この人はまだ修復できると思っているんだと非常に頭に来たのを覚えています。

毎日遅くまでお仕事お疲れ様です。
1ヶ月超の間、時間の許すかぎり、色々なことを考えました。◎◎と出会う前のこと、◎◎と過ごした10年、そしてこれからのこと。
どんなに時間をかけ深く考えても考えつく答えはシンプルです。◎◎が大好きだということ。
どうか、僕と一緒に居て下さい。

アドバイスを頂いた事項について

結婚するにせよ転職するにせよ、エネルギーの充填が必要という点は仰るとおりだと思いました。

具体的にアドバイスを頂いた事項は、半分以上はすでに実践していました。一方で、仕事の兼ね合いで日々の睡眠時間が短め(平日は4〜5時間)なのと長期休暇の取得が難しいのが課題です。ここ半年くらい仕事が波に乗っていて、周囲からはチャンスだからがんばれと励まされ、上司からも目をかけてもらっていて、その期待を裏切るのが後ろめたいような気持ちでつい頑張ってしまっています。

先日、お酒の席で軽く相談した相手からは、「いっそあっさり仕事を辞めて、半年くらい語学留学でも行ってきたら」というアドバイスを貰いました。そんな風に自由にできたらいいなと目の前が開けた思いになったのですが、実際には性格的にそんな思い切ったことはできないと思います。

今度まとまった休みが取れるので、そのときに少しいろいろ考えられたらいいなとは思います。

追加の事情について(家庭事情含む)

追加でご質問頂いた事項について、以下事情を記載致します。なにか他にアドバイスを頂けることがありましたら、大変うれしく存じます。

1. 元パートナーとは子どもは作ろうとしたのか。不妊等はあったのか
離婚する2年ほど前に子どもを作ろうという話が出て、基礎体温を測るなどの妊活をしていましたが、不妊治療まではしていませんでした。それまでは仕事のことがあり、きっちり避妊していました。

2. 仕事で転職はしやすいか。今日子さんにスキルはあるか
専門職で資格もあるので、急がなければ見つかると思います。ただ、40代という年齢がネックにならないか心配しています。

3. 新しいパートナーとは、億劫でなければ結婚して良いのか
性格面も経済的な面でも問題はないので、結婚してもいい相手だとは思っています。

4. 実家との折り合いが悪くなったのはどうしてか
子どもの頃からの母親との確執が原因です。性格形成に影響があると思うので、少し詳しく記載します。

実家は自営業の中流家庭でしたが、両親は私に非常に厳しく、何をしても叱られ決して褒められず、家庭内の問題児という扱いで育ちました。非行に走ったわけでも成績が悪かったわけでもないのですが、母親によると「頑固で意地が悪い。性格が暗い」とのことで、五歳下の弟にまで馬鹿にされていました。自分でも何の取り柄もない醜い人間だと思い、存在しているだけで周囲に申し訳ないような気持ちで長い間生きてきました。子供の頃は怖くて嫌な思い出しかありません。 

毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫)

毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫)

 

※いつも紹介してるやつです。Kindle版で780円ぐらいですから興味がある人は買ってみてください。 

転機は大学受験で、偏差値70くらいの旧帝大に受かり、奨学金をもらって卒業し、資格を取って業界大手に就職することができました。経済的に自立できたこともあり、元パートナーとの結婚を機に実家を出ました。

母親は、私には実家を出て生活できる能力がないという理由で結婚に大反対しました。結婚などせずに一生実家にいるべきという主張でした。最後は「お前なんて病気になって野垂れ死ねばいいんだ」と罵られたのですが、実際に実家を出ると、元々家事を手伝っていた(共働きの母親の代わりに私がほとんどやっていた時期もありました)こともあり、困ることは何もありませんでした。それよりも掃除が行き届き、ご飯は実家より美味しく、母親に嫌味を言われることのない生活は快適でした。外の世界には私をダメ人間扱いする人はおらず、むしろ褒められることが増え、少しずつ自信もついてきました。

当初はときどき実家に顔を出していたのですが、いつ行っても嫌なことを言われ、そうするとすごく動揺して気持ちが落ち込むので、段々と足が遠のくようになりました。

ただ、ときどき実家の家族の夢を見ます。今も実家にいて家族に蔑まれて生活している悪夢です。また、そのうちに感情が抑えられなくなって、母親に暴力を振るう夢も見ます。実際に母親に手を上げたことは一度もありません。こんな夢を見るのは、まだ実家に対して割り切れない感情があるからだと思います。

長文になってしまい、申し訳ございません。お時間があるときにお読みいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

今日子

 

A2.親から受けた傷を癒やすために元夫さんとの生活は意味があったのではないか

今日子さん

すでに半分ぐらい実践されているということであれば、他に言い足すことはあまりありませんが、いただいた追加情報から思ったことなどを、少々コメントいたします。

1. 元パートナーとは子どもは作ろうとしたのか。不妊等はあったのか
離婚する2年ほど前に子どもを作ろうという話が出て、基礎体温を測るなどの妊活をしていましたが、不妊治療まではしていませんでした。それまでは仕事のことがあり、きっちり避妊していました。

これは、子どもができなかったことが離婚の原因の一つとしてあったか確認をするためのものでした。新しいパートナーと結婚をする上では、年齢的にも相手が子どもを望むかは話題になるかもしれませんね。

2. 仕事で転職はしやすいか。今日子さんにスキルはあるか
専門職で資格もあるので、急がなければ見つかると思います。ただ、40代という年齢がネックにならないか心配しています。

そういうことであれば、まずは転職サイトでもう少し積極的に利用してみて、エージェントに一度だけでも話を聞いておくといいかもしれません。

エージェントも利用者が転職しないと儲かりませんが、今はまだ売り手市場です。すぐに転職しないという人も話を聞きに来ることがあるものですので、そこで現状、年齢がネックになるかを聞いてもいい。もちろん、アクションするのには力がいりますから、エネルギーが充填できてからで大丈夫です。

3. 新しいパートナーとは、億劫でなければ結婚して良いのか
性格面も経済的な面でも問題はないので、結婚してもいい相手だとは思っています。

いいですね。

4. 実家との折り合いが悪くなったのはどうしてか
子どもの頃からの母親との確執が原因です。性格形成に影響があると思うので、少し詳しく記載します。……ただ、ときどき実家の家族の夢を見ます。今も実家にいて家族に蔑まれて生活している悪夢です。また、そのうちに感情が抑えられなくなって、母親に暴力を振るう夢も見ます。実際に母親に手を上げたことは一度もありません。こんな夢を見るのは、まだ実家に対して割り切れない感情があるからだと思います。

お疲れ様です。失礼ながら、この部分が一番読み応えがありました。

状況が状況だというのもあるでしょうが、難関大学に入学し、資格も取られ、大手企業に勤められ、お友達にも囲まれていらっしゃるのに、文章全体から自信がない印象を受け違和感がありました。

元のパートナーさんは色々問題があったかもしれませんが、今日子さんがご実家を出られて、自己肯定感を育むためには必要だったのかもしれません。ただ、その後、裏切られてしまったことで今はまた自己肯定感が下がっているとかそういうことかもしれない。

彼のロミオメールは、腹が立つかもしれませんが、あれだけ今日子さんを全面的に認めようとしている姿勢は、結婚していた当時は癒やしになったのではないでしょうか。

過去の家庭内環境に問題があって今自己肯定感が低いということであれば(今でも夢を見るということからその可能性は高そう)、自己肯定感の問題は、カウンセリングで解消できる部分があります。一度話をしにいってもいいかもしれません。

 

締め

10年結婚生活を続けてきた夫に裏切られた上、夫は離婚後すぐにできちゃった結婚をして、その相手が自分の女友達というのは、世間的にはない話ではありませんが、ご本人にとってはこれほど辛い状況はないと思います。

幸い、仕事は順調で、新たなパートナーとの出会いもあるようですから、癒される時間が取れれば、気持ちを落ち着けて再度体勢を立て直すことができそう。

気になるのは家族との関係性ですよね。これが究極的な自己肯定感の低さに繋がっている可能性がある。昨日のモヤモヤとも共通する部分ですが、このような問題を抱えられている方はプロのカウンセリングを受けてみるのをお勧めしたいところです。

なお、今日子さんとはその後やり取りをしていまして、まだ人生への絶望感はあるようですが、少なくとも彼のことは忘れつつあると経過報告をいただいています。時間が解決してくれるものはありますよね。人間は強い。

 

モヤモヤがある人へ

同じようなものに限らず、大抵のモヤモヤは美味しく頂きますので、気軽にetsuko.topisyu@gmail.comまでメールください。

なお、モヤモヤを送られる際は、

  1. 傾聴、叱咤、背中を押す、ロジカルなアドバイスのどれを求めているか
  2. モヤモヤはフェイクを入れた形でブログに掲載してよいか
  3. topisyuの存在を何で知ったか
  4. 今後どんなことをブログや本で書いたらいいか

を書いていただくようお願いします。

ある程度まとまった自分の読み物を確認したければ先月発売したこちらの電子書籍をどうぞ。今回モヤモヤを送られた今日子さんも読まれたそうです。