斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

元部下がパワハラ上司になっていた話

私はお酒を飲まないし、夜のコミュニケーションがないと人間関係が維持できないとは思ってないんですが、個別に会うより手間がかからなくて済む同窓会?みたいなもの(いわゆるアルムナイパーティ)には時々参加して生存報告をしています。

この前参加した、以前に働いていた会社の同窓会で元部下(Aさんとします)と久々に話す機会がありました。仕事でも昇格し、結婚し子どもも健康的に育っており、公私ともに順調だということでしたが、Aさんは自分の部下の話となると急に口汚くなりました。

曰く、現在は部下が数名いるがプライベートを犠牲にして働く意欲がないとか、子どもを保育園に迎えに行くために定時で上がろうとしたから終電まで働くように命じたとか、子育て中だということを言い訳にして怠けていると伝えたとか、そういうことです。

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※厚労省が自由に使っていいとしている画像だけど、いらすとやみたいに、男女で4パターンぐらい作ってくれるとありがたい。

それはパワハラであり、Aさん本人もそうですが、そのAさんの部下のために止めたほうがいいと思いましたが、もはや私と、Aさんの間には、私がAさんを指導する関係性もありませんから、話を聞きつつ、「聞く限りは、その接し方はパワハラと訴えられても反論できないんじゃないかなー?」とリアクションをするに留めておきました。友人でもないし、せいぜい元上司ってだけだし。

言われたAさんは納得できない様子で、「プロとして成長するためにはこれぐらい問題ないんじゃないですか?」と言っていたので、部下数名への不適切な言動を自発的に止めるのは困難だろうなと思って、その日の会話は終わりました。

家に帰ってから、私がAさんの上司だったときの指導スタンスと、私がAさんから聞いたAさんの家庭事情と交際関係を思い返しました。

私がAさんの上司になったのは、Aさんが会社の中で見放されているタイミングでした。Aさんは生意気な割に仕事のクオリティが低いと、Aさんの元上司が周りに喧伝し、誰も引き取り手がいない状況。私は、色んな人と仕事をするのが好きだったので、機会があって一緒に仕事をするようにしました。

Aさんの仕事のスタイルはまさに自己犠牲的で、寸暇を惜しんで勉強し仕事をするのだけれど、確かにクオリティは安定しないという印象を受けました。クオリティがニーズにあっていないというか。

何度も一対一で話をしていくうちに、どうやらAさんは他人が求める要求水準が理解できず、自分のアウトプットが不安で不安でたまらないと考えていたことが分かりました。

そういうことならと、私がAさんにお願いする仕事は、ゴールが何であるかを示し、作業の途中でもアウトプットの出来をいつでも聞いてもらっていいことを伝えました。あと、お客さんとの面談後には、私とAさんの受け取ったものの違いをお互いに確認し、その違いが何によって生まれたかを答え合わせしたりしました。

このような私の指導スタンスについてAさんは、「今まではゴールは自分で考えろと言われていたし、途中で聞くことも許されなかったからびっくりしました」と言っていました。私の部下である一年ぐらいで、徐々に仕事への自信を取り戻しているようでした。

Aさんと仲良くなったことで、Aさんから昼ご飯のタイミングで、実家との距離感や恋人の話を聞かされることが増えました。どうやら実家は機能不全状態で、両親とどう接したらいいか分からないということ。今付き合っている恋人は、イチかゼロかみたいな極端なところがあって付き合うのはシンドいけど、好きだから別れられないとか。何となく、虐待の負の連鎖みたいなものを抱えているなと当時は思ったものです。(本人特定ができないよう、フェイクが入っています。)

そういうことを思い出しつつ、私はAさんには、むちゃに仕事をしてくれるな、仕事とプライベートならプライベートを優先してほしいとも伝えていたので、自分の指導方針が今のAさんに影響を与えたということはないよなと確認。今でも私は部下を育てる立場ですから、自分がパワハラの負の連鎖を起こしていないかを確認するのは重要。

Aさんが今パワハラをしているのは、今の仕事でのプレッシャーやこれまでの育てられ方など複合的な理由があると仮説を立てつつも、自分がやらかしていないかは気をつけようと思いました。

私個人としてはこれでいいのだけれど、社会からパワハラを撲滅したい立場としては、もう少し何かアクションできないかと思いつつ、同窓会とかの機会があれば継続的に経過観察をすることにして、その日は寝ました。

以上、元部下がパワハラ上司になっていた話でした。