斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

『天気の子』を観てきた

もうすぐお盆に突入し、帰省先とかでやることがなくて良いエンタメ作品を探している人も多いかと思い、今日から三日ぐらい、最近私が消費したエンタメ作品の紹介をします。

…という下りで昨年は、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『未来のミライ』『カメラを止めるな!』を紹介しました。今年も同じノリということです。

ジョージ・ソロスがこれまで何回日本の売りポジションを宣言したかとか、八尾市・仙台市・所沢市のいじめの第三者報告書とか、私の姑が相変わらず美魔女であることとかも書こうと思ったのですが、『天気の子』を観てきちゃったので、エンタメ特集にすることにしました。

私のエンタメレビューがお好きな人だけどうぞ。少しネタバレがありますけど、作品の鑑賞と期待値調整にはそれほど影響はないと思います。

新海誠監督作品 天気の子 公式ビジュアルガイド

※この二人が主人公

『天気の子』は、例のごとく、子どもを預けて夫婦で観てきました。正確には、子どもを預けて夫婦で夜にデートをすることにして、そのとき劇場で公開されていた映画の中でたまたま選んだので、『天気の子』は、新海誠さんが原作・脚本・監督の映画という知識しかありませんでした。「天気の子というタイトルだから、天気の話なんだろうね」「そうなんだろうね」と夫婦で他愛の無い会話をしながら映画館に向かいました。

私が観たのはレイトショーだったこともありお客さんの入りは10%ぐらいとかなり空いていました。全国的にこんな感じなら、公開日は7/19とまだ2週間も経っていないけれど、早めに打ち切られるんじゃないでしょうか。レイトショーであったとしてもこの客の入りは少なすぎる。

そして、客の大半は20代~40代ぐらいのカップル。映画の予告編が始まる前、「私たちは年の割には若く見られるから、夫婦には見られないかな?」などと私はパートナーに耳打ちしたりしてました。惚気です。

どうでもいい話が長くなりましたが、肝心の映画の感想です。端的に言って面白かったです。『君の名は』より面白かった。『君の名は』はアクションシーンがほとんどなかったけど、『天気の子』はめちゃくちゃシビアな現代を舞台にしていて、しっかりアクションがあってそれが楽しかった。

『天空の城ラピュタ』とか、劇場版クレヨンしんちゃんの『嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』とかに近い感じがあるといったら伝わるでしょうか。パズーが一所懸命に壁を登ったり、しんちゃんがボロボロになりながら東京タワーを上ったりするようなシーンがあって、かなりワクワクしました。

そしてずっと映像が綺麗だった。最初から最後まで本当にずっと綺麗。「うわー、なんてきれいな映像」と映画の冒頭で思い、映画の終わりのほうでもまったく慣れずに「なんてきれいな映像なんだろう」と関心し続けていましたから。何なんですかね、一コマ一コマ、どこを切り出しても芸術。

あとは、作品に登場する大人が悪いい意味でも良い意味でもしっかり大人をやっているところも良かった。フィクション作品の中での大人というのは、変に物分りが良かったり、変に敵になったりして、主人公の少年少女を際立たせるためのただの舞台設定であることがありがちで、私はそういうのが凄く好きじゃないんですけど、『天気の子』はそうではなかった。

主人公の男の子は親との確執があって、東京の神津島から家出してきている。その男の子が、東京で出会った主人公の女の子は一年前に母親を亡くして、小学校の弟と二人暮らしで、児相がサポートしようと手ぐすね引いている。ちなみに、『凪のお暇』の凪みたいに豆苗を再収穫している暮らしぶり。その時点でもうダメ。やられた。良い。

『凪のお暇』が、超超超超いい。登場人物の事情の深掘りがいい。節約料理も好き - 斗比主閲子の姑日記

男の子が東京で潜り込んだ小規模の編集プロダクションの社長は、妻が死亡し、娘は義理の母親に預けられていて、なかなか面接が許されていない。途中で出てくる、半端なイヤーな大人たちもしっかり自分の人生を生きている。非常に丁寧。

『未来のミライ』は登場する夫婦の愚かさ加減が不愉快だったけれど、本作は私にはちょうどいい感じで、子どもと大人が描かれていました。つまり、普通より、リアリティに寄っているので、その辺をエンタメ作品に求めない人には、辛い場面が多いと思う。作中で主人公の男の子が「東京って怖いところだな」みたいなことを言うんだけれど、私も「東京って怖いところだな。絶対に住みたくないな」と思っていました。

映画の感想としては大体こんな感じです。

観終わってから、「結婚する前に二人でよく映画を観に行ったけれど、これから10年、20年経っても同じように映画を観続けられるといいね」「このレイトショーを観た後の帰る感覚って昔と変わらないな」「これからもお互いに年の割には若く見られるぐらい、健康で美しくいようね」「北朝鮮の飛翔体怖い」などと、また他愛の無い会話をしながら帰りました。

大変良い一時でした。良い映画に感謝。