斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「同僚との学歴差に苦しむ夫が『息子(5歳)を難関中学に入らせるため今すぐ塾に通わせたい』と言ってきた」

今日は子どもの中学受験についての読者とのメールでのやりとりを紹介します。

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Q. 中学受験はいつ頃塾に入るのがベストか? 夫にどの程度家事育児をお願いできるか?

トピシュ様

初めまして。霧子と申します。いつも楽しく拝見しています。我が家で起きているモヤモヤを聞いていただければと思います。

家族構成

夫 一部上場企業勤務(地方私立大学卒)
私 パート主婦(専門卒)
息子 5歳

モヤモヤ

夫が、『息子を難関中学に受験させたいので今すぐ入塾させたい』と言い始めたのが事の始まりです。まだ塾に入れるには早いと思う私と意見が合わず、塾以外の事でも溜まったお互いへの不満が爆発してしまいました。

現在3人暮らしで、両方の両親は新幹線と飛行機の距離。頼れる親類も近くには1人も居ません。夫は仕事の関係で平日は早朝出勤深夜帰宅でほとんど家にいることはなく、家事はほとんどしていません。

私は週2程度、パートで働いています。私は家庭の事をするよりも外で働きたい願望が強く、子供が1歳の頃から少しではありますが在宅でお仕事をしていました。経験のある職種で働きたいと常々思っており、来年子供が小学生に進学するのでパートは3月末で退職し、4月から子供の様子を見ながら就職活動をしたいと夫に伝えています。就職活動に有利な資格試験に受験合格済です。

夫が塾へ通わせたいのは、職場の同僚の子どもが塾に行っているからのようです。同僚との学歴差で夫が日々苦しんでおり、息子には同じ苦労をさせたくないと言っています。ただ、息子は今既に2つ習い事をしています。さらに塾へ通わせるのは息子にとっても私にとっても負担になると思っています。息子の普段の勉強を見ているのは私です。子供が一人で塾に通える年頃からであれば、私も賛成なのですが…。学童も終わる小4からだと遅いでしょうか。

また、夫は自分では家事をしていると言っていますが、最初に書いた通り実際はほとんどしていません。育児も土日に少し関わる程度です。この前は、子どもは幼稚園なんだし、私がもっと頑張れると言われました。周りに頼れる人がいない中、私は不本意な仕事をしながら子供の急病で頭を下げたり、自分が病気の時も夫は帰って来ませんので辛い中子供の面倒も見てきました。赤ちゃんの頃からずっと…。

聞きたいこと

文才なくて話がとっちらかっていて申し訳ないです。聞きたいことをまとめると、

・中学受験をする子はいつ頃塾に入るのがベストか。
・私と夫の関係から、どの程度家事育児をお願いしていいのか。

私が大学には行っていないし、家が貧乏だったので習い事を一つもしたことがなくて、今2つさせているだけでも充分に思えます。また中学受験も本人がしたいというならば応援しますが、親が強制するものでもないと思っています。その辺、夫婦で意見が合わない場合皆さんどうされているのでしょうか…。送迎出来ない、面倒見られないほうが熱心なわけで…。

お互い感謝の心を忘れてしまっているからこのような喧嘩になるし、私は自分本位すぎて子供のことを考えていないんでしょうか。でも子供本位になって自分を抑えすぎたら、子供が巣立ったそのあとの私は…。中学受験に失敗したときに夫に何を言われるかも考えたくないです…

トピシュ様の冷静なご意見お聞きして、冷静になりたい…。

霧子

A. 大体4年生から。過労死ラインだから家事を任せる状態じゃない。 

霧子さん

メールありがとうございます! 端的にご質問にお答えしますね。

・中学受験をする子はいつ頃塾に入るのがベストか。

一般的には小4ぐらいからと言われていますね。それまでに塾に通うとしたら、花まる学習会とか公文とか学研とかがポピュラーです。ガチガチな受験対策ではないもの。

・私と夫の関係から、どの程度家事育児をお願いしていいのか。

"平日は早朝出勤深夜帰宅でほとんど家にいることはなく"ということなら、私の感覚では家事はほぼやらせないほうがいい印象です。主にパートナーさんの体調を心配して、です。月の残業時間は100時間を超えているでしょうから、過労死ラインです。

家事は労働ですから、家事時間を増やすというのはパートナーさんの労働時間を増やすことになります。ただ、育児は家事に比べると労働という認識は少ない可能性があるから、本人のやる気次第では育児はもう少しできるかもですが。

ご質問への回答は以上です!

topisyu

補足:中学受験

このメールのやり取りを見ると、「え、これだけ? もっと言うべきことあるんじゃないの??」とお思いになる人がいらっしゃるんじゃないでしょうか。

なぜ、こんなにコメントが少ないかというと、ご本人は状況をご自身でかなり整理できているっぽいけど、たぶんモヤモヤして勢いでメールしてきた感じだったからです。書くだけで落ち着けてそうだから、こっちが何やかんや言うもんではないかなって。実際、メールを送られてきた方はこのぐらいのコメントで満足されていたようでした。

ちなみに、昨今は中学受験がブームになっていますよね。昔は私立ぐらいしか選択肢がなかったけれど、今時は公立も増えてきています。

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※グラフは『我が国の高等学校教育の現状と今後の改革の方向性』(文科省)より

このモヤモヤを送られてきた方のパートナーさんじゃないですけど、数も増えていることから、中高一貫校を想定して中学受験を子どもにさせようとしている親御さんは増えています。

中学受験の詳細は、適当に本でも読んでもらった方が話が早いですが、 今回のパートナーさんのように「周りもそうだから、うちの子も難関中学を受験させたい」程度の動機だと、たぶん上手くいきません。

というのも、中学受験のためには中学受験対策が必要になるからです。特に、難関中学なら大体小4(正確には入塾テスト対策込みで小3の11月ぐらい)には塾に通うことを考えることになる。浜学園とか希学園とか。

この塾の勉強がかなり大変なんですよね。塾で勉強するだけじゃなくて、当然自宅でも宿題やらなんやら勉強することになり、親のフォローが必須になります。片親じゃないなら二人で対応したほうがいい。

こんなタイトルの本も出ている通り、

中学受験は親が9割

中学受験は親が9割

  • 作者: 西村則康
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2017/09/01
  • メディア: Kindle版
 

何にもなくて子どもが中学受験をしたいと思い、大変な勉強を続けられるなんてことはまずありません。(この本読むと親としても辛くなる。)

「自分みたいに低学歴で苦しんで欲しくない」という気持ちは分からなくもないけれど、それだけじゃ子どもが難関中学に入るなんてことはないし、子どもが入れたとしても燃え尽きちゃったりします。

子どもに中学受験させたいなら、最低限この辺のことは分かっていることが前提になると、私は考えています。