斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

普通の感覚の親は自分の子どもを預かってもらった人のことを「うちの子があんな風になったらどうしよう・・・」と言うのか

【訂正:登場する子どもの年齢を勘違いしていました。小4→幼稚園児】

Twitterを見てたら怒りとともにこの話が流れていたので、モヤモヤするだろうなぁと思いながら手を出してみたら、やはり色々ツッコミどころがありました。

リンク先は、東村アキコさんの『ヒモザイル』というマンガの一話目へのはてなブックマークページです。

 

 

マンガへの主なツッコミどころとしては、ゴロがよいからと専業主夫をヒモ呼ばわりするのはどうかとか(それは逆説的に専業主婦をヒモと呼ぶのも同じ)、うんざりしながら自分から女子会に参加しているのはどうしてかとか、結婚させる目的に職場に人を集めるのはどうなのかとか(昔の銀行か)、まあ、色々あるんですけど、個人的に一番気になったのは、ママ友の発言の扱いです。

 

ある時、東村さんの仕事場に、ママ友が小4幼稚園児の息子を連れて来ました。"おしゃれなカフェでアフタヌーンティー"を楽しむために、その子どもは東村さんの男性アシスタントたちに預けることに。東村さんは、子どもの世話もできるような素晴らしい仲間に囲まれていることに鼻高々で、ママ友に自慢したい気持ちがその時はあったそう。"高い高い紅茶とケーキ"を食べながらマイホームや習い事の話をして、仕事場に戻ると、ママ友の小4の息子さんは人見知りが激しいのにアシスタントたちと楽しそうに遊んでいる。どうにか引き剥がして、ママ友とタクシーを拾うために大通りを歩いていると、ママ友が東村さんに話しかけてくる。

あのアシスタントたちは弟子なのか、いくつなのか、漫画家としての見込みはあるのかと、そして最後に、「うちの子があんな風になったらどうしよう・・・」と東村さんに不安そうに言う。

これに対して東村さんは、どう考えてもこのママ友のほうが圧倒的に普通で、そのママ友は意地悪ではないだろうし、子を想う母親の一般的な感覚だと思ったそうです。

 

漫画家の道の厳しさは自分なんて素人が何か言う話ではないですけどね。東村さんがこのママ友の発言を個人の感覚としてどう受け止めるかももちろん自由。

ただ、このママ友のやり口をして、一般的だとか、普通とかいうのは、ちょっと違うんじゃないかなと思いました。自分の子どもを預かってもらった人のことを、その直後に、その雇用主に対して「あんな風」と言うのはかなり失礼ですよね。子どもが芽の出ないアシスタントになるのは不安だという気持ちが仮にあったとして、それを伝わるところで言わないでもいい。家に帰って、夫にでも話せばいい。しかも、子どもが見ている目の前でこの一連のやり取りは行われている。小4ぐらいだったら、幼稚園児でも子どもによっては、当然親同士が何の話をしているか分かりますよ。次から、この子は東村さんのアシスタントに会うと「お母さんが、僕になってほしくないって思った人たちだ」と頭に浮かぶ。

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※画像は、東村アキコさんのヒモザイル第一話より。

なお、この作品、全編ノンフィクションだということですから、このやり取りは本当にあったことだそうです。できれば、子どもの前では「あんな風」と言ってないといいなと思うんですけど、どうなんでしょうね。

 

追記

特に本文と関係ないですが、東村アキコさんのマンガは、

  • きせかえユカちゃん
  • ひまわりっ 〜健一レジェンド〜
  • ママはテンパリスト
  • 海月姫
  • 主に泣いてます
  • かくかくしかじか
  • 東京タラレバ娘

ぐらいは読んでいます。

好きになったのは健一でした。ママテンについては、二ノ宮知子さんの『おにぎり通信』ぐらいの感じで読んでました。今色々話題になっている東京タラレバ娘は、説教されたいアラサー独身女性が読むマンガであって、自分が本来目にするものではないんだろうなと思いつつ読み進めています。

ネットの記事と同じで、その作品を楽しめるのは、その作品のターゲット層がメインなはずなので、一つの作品に興味を持ったとしても、作者が同じという理由だけで他の作品をあえて読もうとしなくてもいいんですよね。

ただ、難しいところは、上で少し触れた、二ノ宮知子さんについては、『87CLOCKERS』が自分はターゲット層じゃないはずなんですけど、結構面白くて。パソコンのオーバークロックの話です。二ノ宮知子さんが不思議ちゃんと生真面目くんを描くと面白いんですよね。 

87CLOCKERS 1 (ヤングジャンプコミックス)

87CLOCKERS 1 (ヤングジャンプコミックス)

 

そういう嬉しい誤算もたまにあるので、やはり作者が同じという作品をこれからも読み続けると思います。

 

そういえば、東村さん絡みでは以前この話が燃えてましたけど、

たとえば、いつも一緒に漫画を作ってる、編集部の仲間や、編集長に「東村さん、うちの雑誌の為にこの広告企画やって!」と言われたら、それは作家として、仲間として、ファミリーとして、「じゃあやります!」と思えるけど、漫画家が漫画描く時間割いてまで、ナタリーさんに稼働させられる筋合いないなあ… っていう…。

仮に、アシスタントもファミリーと思っていたら、確かに、託児をさせても変じゃないかもしれませんね。託児をさせる時間もバイト代金を払っていて、アシスタント本人たちがそれを良しとしていたら(漫画以外の方法でお金を得ても気にならないということなら)、Win-Winでしょうし。