斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

夏休み明けの子どもの自殺が多いというけど休み明けがシンドいのは大人も一緒。休み明けは負荷を減らそう

夏休み明けに子どもの自殺が多いのは最近有名になってきましたよね。

 

2015年に内閣府が自殺対策白書の中で、過去40年間の18歳以下の日別自殺者数の推移を公開したところ、これがニュースになり、SNSでも話題になりました。 特に9/1が突出しているために、「夏休み明けの9/1には注意しよう!」というメッセージを発信しているメディアが多い印象です。

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※グラフの出所は平成27年版自殺対策白書 本文(PDF形式) - 内閣府より

このグラフ、確かに9/1が突出していますが、よくよく見ると、夏休み期間中や年末年始が少なくなっていたり、春休み明けの4月の中旬やGW明けが多くなっていたりします。

内閣府もこんなコメントをしています。

学校の長期休業の休み明けの直後は、児童生徒にとって生活環境等が大きくかわる契機になりやすく、大きなプレッシャーや精神的動揺が生じやすいと考えられる。このような時期に着目し、彼らの変化を把握し、学校や地域、あるいは家庭において、児童生徒への見守りの強化や、児童生徒向けの相談や講演等の対応を集中的に行うことは効果的であろう。

そんなわけで、夏休み明けの9/1だけではなく、長期休暇前後は子どもに普段以上に注目しておくというものかなと思います。自殺をしていなくても、シンドい子どもはたくさんいるでしょうしね。

なお、夏休みは地域によって期間が違います。どこでも9/1から二学期開始ということではありません。

2017年【平成29年】夏休み期間はいつからいつまで?子供(小学生)

 

ちなみに、休み明けに自殺が増える(休みの間は自殺が減る)というのは、子どもだけではなく大人を含めた全体でも同じ傾向があります。次のグラフは平成17年から22年までの全年代の平均日別自殺者数です。盆と正月は自殺者数が少ないのが分かります。3/1や6/1が多いのは昇進の発表タイミング絡みですかね。

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地域における自殺の基礎資料(平成22年年次暫定値)|内閣府 経済社会総合研究所より筆者作成。差が分かりやすいように最小を0ではなく40人にしています。

曜日別では月曜日がもっとも自殺者数が多いというのはこれはよく知られていることだと思います。もちろん、休日・祝祭日は少ない。

子どもに限らず、大人も休み明けがシンドいのは確かです。というか、正確には、環境の変化ですね。引っ越しでも結婚でも離婚でも就職でも転職でも、生活環境が大きく変われば、かなりの負荷がかかります。休日と平日も環境の差が大きいからこそ負荷がかかる。

保育園入りはじめに慣らし保育があるように、休日明けの授業や仕事というのは休日との落差を考慮して、個人としても社会としても負荷を下げ気味にできるといいんじゃないかなと思う次第です。実効性は疑わしいですが、月曜日は早く帰れるプレミアムマンデーを導入するとか。その次はプレミアムチューズデーを導入し、その次は(以下略 

余談

自殺者数でもって物を語るのはやりたくないですけど、

死んだから「注目される」「変わる」のではない社会に - 斗比主閲子の姑日記

感覚ではなく、数字としてはっきり出て来るものなので、共通の見解を得られ、議論のベースにしやすいところがあります。児童虐待の件数は、通報ベースだから実態がどう変化しているか分からないので、親による子どもの殺人件数をチェックするとか。

相変わらず子どもの犯罪被害・非行は少なくなっているし、犯罪不安も落ち着いてきている - 斗比主閲子の姑日記

あまりやりたくないですけどね。