ブログの読者から「部下に分からないことは質問してと言っているのに質問をしてこなくて困っている」というモヤモヤを頂きました。モヤモヤそのものはご本人の希望により掲載しませんが、私のコメントの要旨をブログで紹介しておきます。
※手を挙げなくても質問できる雰囲気は大切
質問しない人に質問してもらうために
頂いたお題を「分からないことを分からないと言えない人にどうやって質問させるか」ということにしてコメントしますね。何が分からないかが分からない人もいますけど、そのケースではないとして。
分からない人が質問できない理由は、
- 自分の分からないことを質問するのに人の時間を使ってしまうことが申し訳ない(「こんなことを質問してもいいのか」)
- 聞きに行こうとするタイミングで、質問する相手が別の人と話したりしていて、タイミングを逃していた
- 一度説明されたことをもう一度聞きづらく、質問できなかった
というところですね。
日本の教育は質問をさせるのが一般的ではなく、質問をするのはちゃんと理解できなかった自分が悪いと思わせるようになっているというのが私の感覚です。質問をする習慣がない人は「質問をして」と言われても「本当に質問していいのか」と悩んじゃうんですよね。
ということで、私のお勧めは、
- (いつでも質問していい前提で)毎日5分~10分程度質問タイムを設けて、そこでは何でも聞けるようにする
- 部下が質問をしてきたら「Good question!」「いい質問だね!」といった風に褒める
です。これを少なくとも一ヶ月ぐらい続ければ部下も質問してくると思いますよ。
Twitterやブログで書いている通り、誰かに何かをさせたければ、
- 環境を整え
- インセンティブを提供し
- 習慣化させる
という手順を踏むことになります。
質問タイムを作るのが環境を整えることであり、質問をしたら褒めるのがインセンティブの提供ということです。一ヶ月も続けば質問をするのが習慣になってくる。習慣化するのに合わせて、提供するインセンティブを徐々に減らしていく。
質問をさせるのも発想は同じです。
相手の質問が低レベルでも褒めるのはバカにしているのか?
追加で、「質問が低レベルなときにも褒めるのは適切ではないのでは?」「質問ができた程度で褒めるのは相手がいくら新人でも見下しているんじゃないか?」というお悩みをいただきました。
これに回答をすると、まずは優先順位が何にあるかということですね。元々の悩みは新人が質問してくれないことだったわけで。まず質問してもらえるのが当たり前にならなければ、(質問を受け取る立場目線で)良い質問が出てくるかどうかも分かりません。質問のレベルが低いとか高いとか、クオリティを意識するのは順番が違います。
また、仮に低レベルな質問しか出てこないというのは、本人の中にあるものがそれだけとも考えられます。現状そういうアウトプットしか出せない人を、そういう人として受け止めないことのほうが、相手を見ていません。
子育でと同じと私は考えていますが、相手は自分とは別の人格なので、自分の物差しではなく、本人がどうなのかというのを尊重するのが、基本になってくるかと思います。誰もが同じように成長するわけではないですからね。