斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

なぜ、お金をかけないで子どもに学力を身に付けさせたいか

先月と今月は、『この発言小町がすごい2015年版』をまとめていたり、年度末と春休みということもあり、手間のかかからない記事を投稿していました。

『この発言小町がすごい2015年版』がまとまるまで、まとまった記事を投稿できないのもつまらなくなってきたので、今年2月にアンケートをしたら2番人気だった『お金をかけないでどうやって子どもの学力を向上するか』の序論として、お金をかけないで子どもに学力を身に付けさせることの意義についてちょっと触れておくことにします。

 

学歴格差は収入格差

まず、ご存知の通り、学歴によって収入は異なります。ざっくりですが、大卒・大学院卒のほうが賃金が大きい。

学歴別 性別 賃金

※グラフは平成26年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省から

 

親の収入が低いと子どもの大学進学率は低い

そんな収入格差に繋がる大学への進学率は、親の収入が低いほど低いです。

f:id:topisyu:20160409022759p:plain

※グラフは第1章 家計負担の現状と教育投資の水準:文部科学省から

 

世帯年収が低いほど子どもの学力は低い

また、世帯年収と子どもの学力の間には相関があります。

f:id:topisyu:20160409025158p:plain

※グラフは第1章 家計負担の現状と教育投資の水準:文部科学省から

 

貧困家庭の子どもの割合は増えている

そして、貧困家庭の子どもの割合は増えています。

f:id:topisyu:20160409025441p:plain

※グラフは第3節 子どもの貧困|平成26年版子ども・若者白書(全体版) - 内閣府より

 

締め

学歴至上主義だとか、大学に行かないとダメだとか申し上げるつもりはなく、他人の家庭事情に口出しする気もありませんが、実態として大学まで行ったほうが高い年収は期待できます。

一方で、大学の学費は年々上昇していますし、貧困家庭に住む子どもの割合も増えています。そして、親の所得が低ければ、子どもの学力が低いという傾向もある。

そうなると、教育格差→学歴格差→所得格差が親から子に伝わっていき、負の連鎖が発生することになります。格差が固定することになる。

就学援助など行政の援助が受けられるなら受けるとしても、限界があります。習熟度別クラスや少人数クラスが子どもの学力向上のために有効であることは分かってきていますが、どこの学校でもすぐにできることではないでしょう。

私が『お金をかけないで子どもに学力を身に付ける』という記事を書こうと思った背景はこういうものです。家庭でできることは何か。お金がなくてもできることはあるか。そういったことについて、自分が本や論文を読んで知っていることを紹介したら、需要がありそうだと思いました。

実際我が家でも検討・実行していることですしね。調べすぎて空也上人みたいに口から何かはみ出ちゃってる(その一端がTwitterでの連日の統計紹介です)。多く作っちゃったから、お腹が空いてる人もいそうだし、お裾分けしようみたいな発想だと考えてください。

 

参考書籍等

これから何度かに分けて紹介していく内容のエッセンスとしては以下の研究・本を参照している部分が多々あります。気になる人は先に読んじゃってください。

平成25年度 全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究 (お茶の水女子大学)

「学力」の経済学

「学力」の経済学

 
学力は家庭で伸びる―今すぐ親ができること41 (小学館文庫)

学力は家庭で伸びる―今すぐ親ができること41 (小学館文庫)

 
自分からどんどん勉強する子になる方法

自分からどんどん勉強する子になる方法

 

どれか一冊ということであれば、陰山英男さんの本ですね。ちょっと古くてエビデンスが怪しいところがあるものの、お値段は500円と安い!中室牧子さんの本は少し学術チックなので万人にはお勧めしません。ただ、信頼度は高い。杉渕鐵良さんの本は、陰山英男さんのアップデート版みたいな感じです。エビデンスは怪しいが具体性はある。

n=1~3(子育て経験1~3人ということ)を語った教育本というか、自伝本は紹介しません。

 

とにかくお金も時間もない人はこちら

なお、とにかくお金も時間もない人のために、『平成25年度 全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究』での、家庭所得がもっとも低い層だけれど学力が高い子どもたちの特徴を紹介しておきます。

第 5 章 児童生徒の意識・行動及び学校での学習指導と学力-不利を克服している児童生徒に着目して-

その結果、Lowest SESで学力A層の子どもには、次の7つの特徴が見られた:

①朝食を毎日とる、同じくらいの時刻に寝る、同じくらいの時刻に起きる、テレビを見過ぎない、テレビゲームをやり過ぎない等、基本的な生活習慣・生活規律が確立している。

②保護者が「子どもに本や新聞を読むようにすすめている」「子どもが小さいころ、絵本の読み聞かせをした」「子どもと一緒に図書館へ行く」など、読書に関する働きかけをしてきてる。

③保護者がふだん子どもと勉強や成績のことについて話をする。

④保護者が子どもに対して高い学歴を期待し、学校外教育投資も行う。

⑤保護者が授業参観や運動会など学校行事によく参加している。

⑥児童生徒に家庭での学習習慣と学校規則を守る態度が身についている。

⑦児童生徒が自分の考えを発表する機会が与えられていると感じている。

これらを見るに、親が子どもの学力に興味を持つことが、お金をかけないで子どもに学力を身に付けさせるための第一歩だと考えられます。

具体的には、小さいうちの絵本の読み聞かせ、学習は横で付き合うというのが効くようです。「勉強しなさい!」と叱ることは効果がないどころか、マイナスに働くこともあるので止めましょう。