斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

壇蜜さん宛の人生相談に勝手に回答してみる

昨日の記事(壇蜜さんの人生相談が炎上気味だけど、最初から壇蜜さん宛と考えれば見方が変わるかも)の前に、一昨日Twitterで壇蜜さん宛の人生相談に勝手に回答していました。せっかくなので、ブログにも掲載し、回答のポイントを説明してみます。

文字数制限は800字ですね。

 

回答案

相談ありがとうございます。

もしかしたら、相手がふざけている、周りも注意しない、そういった中でこんなことで悩む自分は自意識過剰と思っているかもしれません。もしそうなら、まずそれは違うと言わせてください。あなたの問題意識は間違っていません。

対処を考える前に、この男子がこんなことをする背景を考えてみます。これは問題の解決策を考えるために検討するものです。

12~14歳の時期は男女の性差が徐々にはっきりしてきます。男子は女子の身体に興味を持つようになる。あなたの身体がエッチかどうかは、男子があなたに興味を持つかとは必ずしも関係がありません。つまり、あなただけが受けている特別な問題ではなく、よくある問題だということです。対処した経験がある人もたくさんいるということです。

では、具体的にどう対処するか。

こういったことは親や教師に相談するものではないと思っているかもしれません。親や教師が積極的に関わらないように見えるとしたら、それはその大人が関与していいか悩んでいる可能性があります。大人も恥ずかしいのです。ただ、あなたが被害を訴えれば対処する大人はいます。お勧めは、保健の先生。男女の身体のことも詳しい。スポーツが好きなら接点も多いでしょう。

もし大人に話し辛いということであれば、部活の先輩に相談してもいい。同じ経験をしている可能性はあります。

それも辛いということであれば、自分で対処することを検討します。一つの対処法は、その男子の発言に一切反応しないというものです。反応しないものにイタズラをするのは躊躇する心理が働きます。

あなた一人で悩んでいる限りは到底解決できないように見える問題でも、赤の他人である私でさえこのように色々考えることができます。他人に悩みを相談するのは、生きていく上で重要なテクニックです。新聞に投書したときの勇気を持って、誰かに話してみてください。

(800字)

 

回答の説明

どういうことを意識して回答を作成したか説明します。

まず、多数の指摘があるように、わざわざ新聞に投稿するというのは、相談相手がいないと本人が考えている可能性があります。正確には、他人に相談していいことか分からない。

ですので、誰かに相談してもいいことだよと伝えるために、

相談ありがとうございます。

こちらから感謝の気持ちを伝えます。

次に、

もしかしたら、相手がふざけている、周りも注意しない、そういった中でこんなことで悩む自分は自意識過剰と思っているかもしれません。もしそうなら、まずそれは違うと言わせてください。あなたの問題意識は間違っていません。

こう書いているのは、相談者さんが間違っていないことを伝えています。問題なのは確かだから、誰かに相談して当たり前なんだよと分かってもらう。

その次に、

対処を考える前に、この男子がこんなことをする背景を考えてみます。これは問題の解決策を考えるために検討するものです。

このトラブルが起きる背景を確認します。ここで書いている通り、問題の解決策を検討するためのに背景を確認します。加害者の心理に思いを馳せる目的ではありません。

そして、背景として、

12~14歳の時期は男女の性差が徐々にはっきりしてきます。男子は女子の身体に興味を持つようになる。あなたの身体がエッチかどうかは、男子があなたに興味を持つかとは必ずしも関係がありません。つまり、あなただけが受けている特別な問題ではなく、よくある問題だということです。対処した経験がある人もたくさんいるということです。

この問題がよくあることだと示唆しています。目的としては、相談者だけが苦しんでいる問題ではないことを理解してもらいます。自分しか被害に遭っていない場合は他人に言えないような気がするんですよね。客観視の提供。そして、同時に、誰かが既に対処をしていることを示しています。

そして、

こういったことは親や教師に相談するものではないと思っているかもしれません。親や教師が積極的に関わらないように見えるとしたら、それはその大人が関与していいか悩んでいる可能性があります。大人も恥ずかしいのです。ただ、あなたが被害を訴えれば対処する大人はいます。お勧めは、保健の先生。男女の身体のことも詳しい。スポーツが好きなら接点も多いでしょう。

もし大人に話し辛いということであれば、部活の先輩に相談してもいい。同じ経験をしている可能性はあります。

問題に対処したことがある経験者に相談することを示唆します。私が序盤から、「この問題は誰かに相談してもいいもの」を伝えようとしているのは、この流れに持っていくためです。

新聞相談でもネットの相談でも「信頼できる人間が周りにいないのではないか?」という仮説を立てるのは別に悪いことではありませんが、それだけに立脚すると、①相談者本人が誰にも相談できないと信じ込んでいる可能性を見失ってしまい、②相談者身が問題解決に単独で対処することしか示唆できなくなってしまいます。

えてして問題を抱えている人は、その問題を誰に相談したらいいか分からないことがあります。それでもって「誰にも相談できない」と信じ込んでいる可能性がある。だから、相談できる相手が存在しうること、そしてそれが身近な人間にもいることを示唆することは非常に意味があることだと私は考えています。言っちゃえば「あなたは一人ではない」と伝えることですね。ここでは、スポーツをしているので、保健の先生や部活などの先輩が身近な相談相手としているんじゃないかと示唆しています。

また、多くの問題は一人の人間が一人で解決しようとすると大変でも、家族や仲間や組織や専門家がいれば容易に解決できます。嫁姑問題を嫁が単独で解決するのはまず無理ですけど、実子である息子が間に入れば解決の道はできる。遺産相続で揉めても弁護士が一人立ち会えば状況はかなり変わります。

本人が一人で対処しなければならないとすると、回答者が提示できる対処策は限定されます。そして、その限られた方法がダメだった場合、他に選択肢はないと思ってしまいがち。だから、誰かに相談することは、人生相談において常に示唆していいものと私は考えています。(私にモヤモヤメールを送ってもらった場合、誰か相談できる人がいないかを聞くようにしているのは、このことからです。)

それでも、まったく一人でできる対処法に触れないのもどうかと思い、

それも辛いということであれば、自分で対処することを検討します。一つの対処法は、その男子の発言に一切反応しないというものです。反応しないものにイタズラをするのは躊躇する心理が働きます。

有効そうなものを一応軽く触れています。ただ、これは同級生だから提案していますけど、ストーカーだったら提案しませんね。

ということで、最後に、

あなた一人で悩んでいる限りは到底解決できないように見える問題でも、赤の他人である私でさえこのように色々考えることができます。他人に悩みを相談するのは、生きていく上で重要なテクニックです。新聞に投書したときの勇気を持って、誰かに話してみてください。

人に相談する効果があるよと、ここまでの流れを踏まえて再度確認しています。

 

回答をする際に意識すること

モヤモヤメールをもらっても意識しているんですけど、

  • 相談してよかったと思わせる(相談の成功体験を積ませる)
  • 自分だけが特別ではないと思わせる(対処策は存在することを認識させる)
  • 複数の選択肢を示す

は、私個人としては相談への回答に含めるようにしたいですね。誰かに相談するのっていいことだって思って欲しい。

 

締め

回答者が解決方法を提案する際は二通りあると考えています。

一つのアプローチとしては、これだけ人間がいればどんな問題も誰かが大抵対処済みだという視点です。回答者はそれを紹介するだけでもいい。

もう一つのアプローチとしては、問題を細分化し、相談者のリソースを確認した上で、問題を各個撃破していくというもの。これは、相談者との対話の中で確認していく。

私はメールでモヤモヤをいただいた時には、他人に相談することを示唆しつつ、二つ目をどんどんやっていきます。

新聞での回答者は、それなりに名の知れた人たちでしょうから、オリジナリティを出さなければならないという制約があります。でも、一般人が相談されたなら、オリジナリティは不要です。誰でもできる対処策は世の中に存在しているのだから、本人がそこにたどり着けるようサポートするのが、回答者としてできることだろうと私は考えています。 

 

ぼーっとしている人が「自分の人生と向き合う」ためのQ&A30

 ※電子書籍のAnswerも突拍子もないものは書いていません。

 

付録

一応Twitterで書いたのも貼っておきます。回答はブログに掲載するにあたり誤字脱字を直し、少し文字数調整をしています。

それと、以前、村上春樹さん宛の人生相談にも勝手に回答したことがあります。