斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「母親にはのびのび育てたと言われるけれど私自身は自分で何も決められない。時々、私の人生はお母さんのものと思う」

今日も読者からのモヤモヤにコメントします。お題は「里帰り出産中。両親の言動にモヤモヤ」というものです。

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Q1. モヤモヤ受け付けてますか?

斗比主閲子 様

はじめまして。匿名子と申します。blog、読ませていただいています。熱心な読者というわけではなくて恐縮なのですが、モヤモヤはまだ受け付けていらっしゃるでしょうか。

現在、里帰り出産して実家で子育て中なのですが、ときどきモヤモヤしてしまって吐き出したく、メールさせていただきました。以前は、紹介にモヤモヤの受付内容が書かれていたと思うのですが、今探したら見つけられなかったので、ひょっとしてお休み中でしょうか。もし、まだ受け付けていらっしゃいましたら、聞いていただけるとうれしいです。

匿名子 拝 

A1. どうぞ!

匿名子さん

どうぞ!

topisyu

Q2. 里帰り出産中。父にイライラ、母にモヤモヤ

斗比主閲子 様

ありがとうございます。傾聴気味に聞いていただけるとありがたいです。

実はメールを送ったあと昼寝をして寝不足が解消されたら、ずいぶん気にならなくなったのですが、思い出すとやっぱりモヤモヤします。前提は長くなりますが、すごく些細な事でイライラしてしまいました。その話のあとに、私の母に対する長いことのモヤモヤが続きます。 

父に振り回されてイライラ

この春、3歳児を連れて里帰り出産しました。父はほぼ毎日出かけて、上の子を遊ばせてくれています。それ自体は、ありがたいことなのですが、父はいつも家を出るときに、あれがないこれがないと言われて、振り回されている感があります。

それにも慣れてきて、今日は、早めに必要なものを全部準備して袋につめて玄関に置いて、父が上の子を連れて出るころに、私はアイスモナカを食べていたのです。そしたら、「車を出すから子供見ていて」と父の声が。いつもはそんなこと言わないのに、なんでこのタイミングで!(今思うと、予想できる事態なのだから、その時間帯にアイスを食べるなという話です)(でも、やっぱり、父は天災じゃないんだから、何でそんな対策しないといけないのか)と、イライラしつつ、既に庭に出ている父を見送りながら、子供が靴を履くのを手伝い、荷物を持って、父が車庫から車を出すのを待って、子供を送り出したのでした。

その後、イライラして、母に「アイス食べているときに子供を見ててって言われてイラっとした」というと「お父さん、今日は昼から仕事なのに連れて行ってくれるんだから、ありがたいと思わないと」と言われて、すごくモヤモヤしたのです。そもそも、母も「お父さんは出掛けにあれがないこれがないと言い出す」と私に愚痴るのに。

でも、以前、私が毎日のように父への苛立ちで爆発していたときに、「疲れるから、あんまりお父さんに腹を立てないで」と言われているので、今回は、それ以上母に食い下がれませんでした。また、里帰り前、私が母に対してよく切れていたため、夫は私が母を嫌っていると思い始めているので、そちらに愚痴るわけにもいきません。

八方塞がって斗比主さんへメールした次第です。

こうやって書くと、かなり私の日頃の行いに問題があるわけですが、このモヤモヤを、いくらかでも楽しんでいただければ幸いです。 

母が何度も同じ主張を繰り返すのにイライラ

続いて母について。

普段は母との会話は盛り上がるのですが、ときどき神経をやられます。最初の子供の妊娠前からなので、寝不足のせいだけではないと思うのですが、うまく説明しきれません……意見が合わないときに「私は◯◯だと思うよ」と、当該の話題が出るたびに言われて、つらいというか、なまじ会話が上手いので、意見の合わない主張を何度も何度も聞かされるので、他の選択肢を選ぶ気力が奪われる感じです。そのくらいで気力がなくなる私がおかしいのかも……。

母の主張自体は、結果的に妥当なことが多いと思います。出産は里帰りの方がいいとか、子供を保育園で遊ばせた方がいいとか、専門学校より国立大学の方がいいとか、派遣会社は止めたほうがいいとか。自分の意思を持てという話なのですが、正直、いろいろなことがどうでもいいです。

ときどき、「(私の人生は)お母さんの人生なんだからお母さんのいいように生きて」と思います。正直、あとから文句を言われるくらいなら、言われるままに生きたいですが、実際は、私の人生は母だけのものではなく、どんなに無気力に考えても、私に関わった人すべての人生なので、責任を丸投げするわけにはいかないとも思います。

私の正直な気持ちは以上です。後半は特に、誰に話しても怒られるだろう内容ですが、できれば叱らないでください。

匿名子 

A2. モヤモヤしますよね!

匿名子さん

拝見しました!傾聴気味にコメントしますね。

(でも、やっぱり、父は天災じゃないんだから、何でそんな対策しないといけないのか)

同じことを繰り返しているのだから、本人が自分で対策したらいいのでは?と思いますよね。これがもっと激しくなって、年齢が高いということなら認知症を疑うわけですが。

そもそも、母も「お父さんは出掛けにあれがないこれがないと言い出す」と私に愚痴るのに。

お母さんがやっていることを自分がやったら許されないというのはモヤモヤするかと思います。そういう意味では、お母さんが愚痴ったときにも匿名子さんはその愚痴を受け止めなくてもいいんですよね。夫婦ならではの関係性は子どもでも入れないところがありますし。

また、里帰り前、私が母に対してよく切れていたため、夫は私が母を嫌っていると思い始めているので、そちらに愚痴るわけにもいきません。

親子の関係性は外から見ると、ちょっと違って見えるんですよね。パートナーさんのご実家に行くと、パートナーさんとご両親の関係に違和感を覚えたりすることがあるかと思います。

なまじ会話が上手いので、意見の合わない主張を何度も何度も聞かされるので、他の選択肢を選ぶ気力が奪われる感じです。

ときどき、「(私の人生は)お母さんの人生なんだからお母さんのいいように生きて」と思います。

単に自分の意見を子どもに言うぐらいであればここまで匿名子さんが思うことはないかもしれないので、匿名子さんが子どもの時から、お母さんは積極的に匿名子さんの選択肢に口を出してきたんでしょうね。

匿名子さんがおっしゃるとおり、他人に自分の人生を預けることはできない(他人は責任を取らない)ので、他人の発言は話半分に聞いておくということなんでしょう。

お疲れ様でした!

topisyu 

Q3. 母からはのびのび育てたと言われるけど私には自主性がない?

斗比主閲子 様

返信ありがとうございます。長文を読んで頂きありがとうございます。

これがもっと激しくなって、年齢が高いということなら認知症を疑うわけですが。

昔からこんな人だったかしら、という思いはあります。耳も遠くなったし、認知症ではないまでも、気遣いが必要な歳なのかもしれません。

親子の関係性は外から見ると、ちょっと違って見えるんですよね。

この視点は、忘れていました。確かに、私と夫の感覚の違いは前提にしなくては……。 

そもそも、母も「お父さんは出掛けにあれがないこれがないと言い出す」と私に愚痴るのに。 

お母さんがやっていることを自分がやったら許されないというのはモヤモヤするかと思います。そういう意味では、お母さんが愚痴ったときにも匿名子さんはその愚痴を受け止めなくてもいいんですよね。

私が選んで母の愚痴を受け止めていたんだなぁと思いました。確かに、母にはいろいろ苦労をかけているので、私自身が無意識で、母には愚痴をいう権利があるけれど私には無いと思っているのかも。

匿名子さんが子どもの時から、お母さんは積極的に匿名子さんの選択肢に口を出してきたんでしょうね。

ここが謎だったんです。親には「のびのび育てた」と言われるのですが、私自身は自分で何も決められなくて……。母の感覚では口を出したというより意見を言っただけなのかもしれませんが、私自身は意見を言われたイコール従わなくてはならない、みたいなところがあります。いや、実際には従っていないこともあるのですが……うーん。ここまで書いて「のびのび」と「自主性が無い」は両立するかもしれないと思いました。

すみません。最後にもう一つ、自分の自主性を伸ばす訓練方法などご存知でしたら、アドバイスをお願いします。書籍や、blogの記事のURLでもいいのでお願いします。

匿名子 

A3. 自己肯定感が低いのかも

匿名子さん

返信ありがとうございます!

確かに、母にはいろいろ苦労をかけているので、私自身が無意識で、母には愚痴をいう権利があるけれど私には無いと思っているのかも。

この辺よく分からないんですが、お母さんには何か特別な苦労をさせたんですか? 一般に親は子育てでそれなりに苦労はするものですが、一方で子どもが親に苦労をかけたと思うのは、よほどな状況だと思います。

親には「のびのび育てた」と言われるのですが、私自身は自分で何も決められなくて……。

何も決められないことはないのではないでしょうか。結婚相手であったり、仕事であったり、子どもを持つことも匿名子さんが自身で決めたことですよね。

すみません。最後にもう一つ、自分の自主性を伸ばす訓練方法などご存知でしたら、アドバイスをお願いします。

ということで、自主性というよりも、実際には何かを決断しているにも関わらず、決断した自分を認められない=自己肯定感が低いのかなと思いました。そういう意味では、いつも紹介している水島広子さんの自己肯定感の本をご覧になるといいかと。

他人の・自分の「ありのまま」を受け入れる、自己肯定感の低さへの対処法 - 斗比主閲子の姑日記

topisyu 

Q4.

斗比主 さん

返信ありがとうございます。

この辺よく分からないんですが、お母さんには何か特別な苦労をさせたんですか?

すこし大げさな表現になってしまった気がします。

現状、私と子供も含めて、母がほぼ全部の家事をやっているので、「母は大変だけど、私はぜんぜん大変じゃないのに」って心境でした。子供時代にさかのぼると、私が直接的に苦労をかけたわけではないけれど、介護やら家業の都合やらで、母がむちゃくちゃ大変だったイメージはあります。強いて言えばそれを引きずっているのかもしれません。

何も決められないことはないのではないでしょうか。

結婚相手であったり、仕事であったり、子どもを持つことも匿名子さんが自身で決めたことですよね。

ありがとうございます。判断を人に委ねる傾向はあるものの、確かにそれらは自分で決めていました。(どんぴしゃで私が決定した所を指摘していて、すごいですね。)

そういう意味では、いつも紹介している水島広子さんの自己肯定感の本をご覧になるといいかと。

ありがとうございます。私はちょっと違うかな……と読んでいなかったのですが、実際に読んでみたらとても参考になりました。まだ半分くらいなのですが、今まで優秀な人とくらべて落ち込んでいたのが、優秀な人に対しても「尊敬」ではなくて「尊重」の形で認識すると、とても楽になりました。

ありがとうございました!

匿名子 拝 

締め

メールでのやりとりは以上です。

途中、私が突然「もしかして自己肯定感が低いんじゃないですか?」と書いたことについてちょっと補足しておきます。

このモヤモヤ、最初のメールで、

熱心な読者というわけではなくて恐縮なのですが、

というのがあって、この時点で不思議だなと思ったんですよね。熱心かどうか書く必要はないし、熱心でないと書いたら一般には返信が来ない可能性は高くなりますし。(私は特に気にしません。)

それで、モヤモヤを送ってきてもらえたらもらえたで、

誰に話しても怒られるだろう内容ですが、できれば叱らないでください。

こういう風に締められています。私の感覚だと誰に話しても怒られるような内容だとは思いませんでしたし(よくある実家に対する愚痴ですよね)、叱られることを前提にしているのも不思議だなと思いました。

こういうところが引っかかっていて、その上でやり取りをしてみて、たぶん、自己肯定感が低いんだろうなと思ったわけです。熱心な読者ではないとか誰に話しても怒られるとか、そういうのは、ご本人のこれまで培ってきた習性で、他人から攻撃が来ることを前提としたナチュラルな防衛行動みたいなものなんじゃないかなって。自己卑下をすることが当たり前になってるんじゃないかって。熱心な読者でないと伝えてたら返事が来なくても納得できるし、誰に話しても怒られると書いていれば怒られても耐えられるみたいな。

ご本人はそこまで意識していないし、私が深読みしているだけかもしれないですけど、メールのこういう細かいところでご本人の人柄というか、習性が見えることってありますよね。逆に、日記や誰か宛のメールを時間を空けて見直してみることで、自分が客観視できることがあります。お勧めです。

なお、個人的にはこのメールのやり取りを読み返してみて反省するところがありました。傾聴気味でお願いと言われたのに、ご本人の言動を肯定するように返信してしまったことです。傾聴と肯定は違うのに。私の中で、何か察して肯定気味に返したほうがいいかも?と思ったからなんでしょうけど、これは良くなかった。ごめんなさい。