この記事が燃えています。
「きみは、私の負担を軽くする方向では動いてたけど、私の不自由さに歩み寄ることはしなかったよね。」
という評価を先日妻からいただきましたよみなさんこんにちはいかがお過ごしですかパパラボです。
別にケンカをしていたわけでも、口論していたわけでもないのですが、話の流れで上のような言葉が妻から出てきたのでした。これを聞いていろいろ考えたことを書きたいと思います。
詳しくは、この記事の、はてなブックマークコメントをご覧になればと思うのですが、この記事を書かれた"夫"が"妻"の言葉の意味を分かっていない、不幸を押し付けようとしている"妻"はおかしいというのが、3:1ぐらい混ざって、炎上している感じでしょうか。
確かに、この記事だけ読めば、"夫"は何も分かっていないと思えそうですが、これまでのこのBlog『パパラボ』の記事を読んでみたところ、このご"夫""妻"がどのような経緯でこう至っているかは、ある程度推測でき、そんなに炎上する話でもないと思いました。ということで、それをまとめたのがこの記事です。
※奥様視点で、マネして図を書いてみました。たぶん、これができたら望ましい。
『パパラボ』は夫婦がそれぞれ投稿するBlog
まずは、前提知識。
この『パパラボ』というBlogは、"夫"が所長で、"妻"が副所長ということである程度交互に記事を更新して成立しています。
タイトルに、"パパ"があるから"夫"視点のBlogに読めますが、ちゃんと"子持ち夫婦"のとあります。記事のタグとして、"副所長(妻)"がついてあれば奥様が投稿したものですね。
記事本文でも、
というわけで今日はこの辺で。
で終わっていれば"夫"が、
おしまい。
で終わっていれば"妻"が書いたものとなっています。
夫婦が共に運営しているBlogだと分かれば、この"夫"が今回炎上した内容は、ある程度"妻"も承知の上であり、そんなに独りよがりのものではないと推測できます。
ということで、まずは、ここまでが前提知識です。
"妻"の『我が家の産後クライシス』を受けた記事
今回炎上した記事の直前の"妻"の記事を見てみましょう。
産後クライシスについて書いたものです。これを読むと、今回炎上した記事は、これを受けて書いたものではないかと考えられます。
具体的には、この部分です。
それだけ自由に夫に育児を頼んでたらさすがにイライラしないだろう、と思われるかもしれませんが、そうでもありません。まあ正直イライラするくらいなら「あれやって、これやって」とお願いしていたのでイライラする機会はほぼありませんでしたが、唯一未だに忘れられないのが産後2週間くらいのころの週末に夫が友達とちょっとしたイベントに遊びにいったときです。そのイベントは私も興味があり、「私だって行きたい」「なんであんただけ自由に行けるのさ」という不満が爆発した事件でした。
夫曰く「あのイベントの件だけは未だに言われるから、やはり産後の恨みというのは根深いんだなと思うよ」とのこと。
そうです、そのとおりです。一生忘れないよ私は。
この部分は、元記事の冒頭と酷似していますよね。正に、妻の不自由さと夫の自由さの話。
この記事が投稿されたのは1/25ですから、今回の記事が投稿された2/1までの間で、この"妻"である副所長の記事を受けて夫婦で会話をし、それを受けて思ったことを"夫"が書いたという流れだったのではないかと推測できます。(恐らく、間もなく産まれる二人目についてどう対処できるか夫婦の会話があった?)
加えて、
夜中にほっぺた叩かれて起こされても文句の一つも言わないうちの夫も偉かったなーと思います。
そのお陰で遠慮なく私も毎晩起こせたわけですから。
「ごめん、今日はムリ」という日があってもよさそうですけどね。
こんな記述もありますから、この記事も読めば、自らの不自由さには腹が立ちつつも、夫はよく頑張ったというのが伝わります。
そうして、元記事の炎上ポイントの一つである最後の段落である、
最後になりますが、巷では産後クライシスが話題になっていますが、男性サイドには「単に家事育児をやるだけでなく、不自由に寄り添うってのがあるから気をつけてね」っていうことと、女性サイドには、「不自由に寄り添うのは男性にとってなかなかの難易度なのでいきなり期待しない方がいいっすよ」という指摘を残しつつ今日の記事を終わりたいと思います。
を読むと、今でもそのイベントの件を言われ続けることへの、産後の恨みの根深さに対する愚痴から出た言葉のように読めます。
昨年5月の記事では、
最近私はジュニアと一緒に寝て朝まで起きない生活を送っており、それでも帰宅した夫がこそこそと寝室に入ってくるとその気配で起きるのですが、そのとき実に2時とか。2時ですよ2時、丑三つ時目前。
朝は7時前には起こします。月曜日はなんとか起きても週末に向けてだんだん起きられなくなり、金曜日は申し訳ないなと思いつつ、起きてもらわないといけないのでえいやと布団をはいでむりやり起こします。ふらふらと起き上がる夫に引き継ぎ事項や相談事などあれこれ一気に話しかけても、金曜日くらいになるとほぼ聞いてくれませんね。あ、聞いてないなと思いつつ気にせずしゃべります。1割くらいは脳に届いているのでよしとします。
"夫"の激務っぷりも書かれています。妊娠出産中がどうだったかは分かりませんが、もし同じような働き方をしていたとすれば、土日に育児をやっていたのは凄い。ご本人の中では、これでも十分やっていたという気持ちはあるでしょうから、
つまり、「平日はどうせ帰りが遅くなる。その時間を仕事してようが、飲みに行こうが、オレの自由。だって実質子どもが寝るまでには帰れないのは同じだし。その分土日で埋めよう。そういう分担にしようって話して決めたしね」的な感じですね。
こういう発言が出たのも想像できます。これができる限界で、心の余裕が無かった。
今回の炎上で"夫""婦"ともに批判がありますが、この流れで読んでいれば、それほど批判的な気持ちにならないのではないでしょうか。
"夫"による補足Tweet
更に、元記事を書かれた"夫"が補足Tweetをされているのでこちらもご覧になるといいかもしれません。
先の記事ですが、妻は「お前も不自由になれ」とは要求してないし、思ってもいません。世の中の大多数の同じ境遇の人もきっとそうだと思いますが。
その前提で冒頭のコメントにつながります。
— papalabo (@papa_labo) 2014, 2月 1
明確に相手から要望されてることであれば、それに応えれば解決する。家事とか育児とかはこっち側の問題。でもこの不自由問題は毛色が違う。要望はされない、応えることも難しい、全く応えないと相手に不満がたまる、応えすぎると両方ともおかしくなる。そんな難しさを表現したつもりでした
— papalabo (@papa_labo) 2014, 2月 1
というわけで私は、「相手の不自由さに寄り添いましょう」という主張をしてそうで実はしていないという、とてもモヤモヤ感のあるエントリでした。
読んでいただいた方ありがとうございました。
— papalabo (@papa_labo) 2014, 2月 1
ご本人もモヤモヤしていた中でのエントリーだったということです。"妻"が「不自由になれ」とも要求していなかった。
結局、夫婦ともにできる範囲でやっている中で、たまたま二人で話した内容を愚痴まじりに公開しただけだったということのようです。
その程度の内容なのに、ここまで注目された結果、
妻が基地外なのかこいつが基地外なのかよく分からんが不幸な夫婦だな。とりあえず別れてみてはどうだろうか。
とまで言われてしまうのですから、やはりWebで育児論・結婚論を書くのは難しい。
どうしたら炎上を回避できた?
育児論・結婚論での炎上回避方法は以前に書いているので、そちらを参考にして頂ければと思うのですが、
釣り師が語る燃えない結婚論・育児論の書き方 - 斗比主閲子の姑日記
今回の炎上での最大の問題点は、紹介した記事でもあるように、"タイトルで釣っている""主語が大きい""個人の経験を一般化する"に尽きます。
そもそも、タイトルは、
男性がなかなかできない妻への寄り添い方
ではなく、
自分がなかなかできなかった妻への寄り添い方
としたほうが良かった。なぜ主語を大きくしたのか。(たぶん、自分の辛さを自分だけのものとして消化したくなかった。)
加えて、
最後になりますが、巷では産後クライシスが話題になっていますが、男性サイドには「単に家事育児をやるだけでなく、不自由に寄り添うってのがあるから気をつけてね」っていうことと、女性サイドには、「不自由に寄り添うのは男性にとってなかなかの難易度なのでいきなり期待しない方がいいっすよ」という指摘を残しつつ今日の記事を終わりたいと思います。
とあるのも、自分の経験を一般化してしまっている。
冒頭で、"妻"の記事へのカウンターであることを触れ、タイトルを変更し、最後の部分を削除しておけば、(不自由を交換するというアイディアを出していなくても)これほど炎上することは無かったと思います。
以上です。以下は余談です。好きな人だけ。
余談
こんな記事を書くと、「え、炎上解説じゃないの?」「過去にモヤモヤ解説しているのに、同じようにしないの?」という感想があるのではないかと思うのですが、
モヤモヤ解説"母親にも「もう無理!」と声を上げて投げ出す権利がある" - 斗比主閲子の姑日記
モヤモヤ解説"941のイクメン徒然" - 斗比主閲子の姑日記
当初は、そのつもりで、炎上解説をしつつ、「もし"男性がなかなかできない妻への寄り添い方"の妻が発言小町で相談したら」みたいな文章を書いていました。
ただ、「ゲスパーするにはこの文章だけでは"妻"の情報が足りないな」と思って、よくよくBlogの過去記事を読んでみたら、上記の通り本来的には可燃性のものではなさそうであることが分かったため、炎上解説をするよりも、火消しに走るほうが意味がありそうかと思い、方針を変えました。
以前から、
トピシュさんも好きです。
こちらはそれほど更新自体は多くないんですが、よくもあれだけトメトメシイ(褒め)ことを冷静に考えられるな、と。
最近では、「このニュース、トピシュさんなら小町風にに質問したらこうなるってネタでこう考えそうだな」と思ったりします。
極めてる人は尊敬します。
— アングリ (@android_green10) 2014, 1月 30
こういう感想をよく見かけたために、これ幸いにと、小町シミュレーションをしようと思ったわけですが、お蔵入りです。どうか、お許し下さい。
Amazon課税問題について発言小町風のQ&Aでまとめるというのを温め続けていて、恐らく今月か来月には公開できると思いますので、小町シミュレーションがお好きな方はどうかそちらをお待ちください。
この話を小町シミュレーションしてくれというものがあれば、大抵の話題は可能ですから、どうぞご気軽にご依頼いただければと思います。