皆さんのモヤモヤを下さいとお願いしていたら、こんな依頼がありました。
@topisyu はじめまして。いつも楽しく拝見しています。関連のあるテーマだと思い、解説していただければと。以下の記事です。私はモヤモヤしますがどう思われますか?よろしくお願いします。http://t.co/Jz3X6AbpJp
— 徳田ゆかり (@y_tokuda) 2013, 12月 6
特に大炎上に繋がるとは思いませんでしたが、モヤモヤする人はいてもおかしくない文章でしたので、モヤモヤポイントをピックアップして解説します。
当然のことながら、この記事を書かれたLINE株式会社の櫛井さんに他意はありません。(昨日フォローされたからというわけじゃないですよ!) 依頼されたから以外に取り上げる理由はありません。元記事を読んでモヤモヤした方だけお読み下さい。
第1回目のモヤモヤポイント
今のところ連載は第2回目までされています。第1回は序文のような感じ。
第1回:はじめまして941です!【941のイクメン徒然】-家電Watch
ここでのモヤモヤポイントとしては2つでしょうか。
2011年、シャイな奥さんと結婚し2013年の春に天から舞い降りた天使と共に親子三人暮らしている(実際は29時間という長丁場な出産に立ち会ったけど、産まれた瞬間にそんな苦労は全て忘れた)。
ここは、妊婦視点であればモヤモヤする人はいると思います。29時間の立会いは確かに旦那さんにとっても負担でしょうが、奥様からすればもっと負担だった可能性がある。出産直後は意識朦朧としていて赤ちゃんをまともに認識できない経験をした方もいるでしょうから、そういう人からすると、「苦労は忘れたなんて、妻のことが目に入っていない、楽天的な夫」と受け取る可能性があります。
あまりに可愛いので「美人すぎてヤバイ」とSNSで友人達に写真つきでドヤ投稿していたら「美人は客観的指標になるのでハードルあがるため娘のためにも美人という言葉はやめてくれ」とシャイな奥さんに怒られたりしながらそれでも娘への愛情を隠しきれないまま生きてる。
ここも、モヤモヤする人はいると思います。誰に出回るか分からない中で子供の写真をWeb上に公開するという点、奥様の懸念をまともに取り合っていないように読める点でしょうか。夫婦関係のことですので、赤の他人は分からないものですが、妊娠・出産・子育てに思い入れがある方からすると、夫が子育てを遊びでやっていると受け止める可能性があります。
奥様を"シャイ"と評しているのもモヤモヤする人はいるでしょうね。「子供の写真をWebにupしないのも、美人だと言わないのも、子供を考えてのもので、シャイでもなんでもないから。当たり前」と言いたくなる。シャイというのはこの文脈で初めて登場するわけではないのですが、ここで登場するとそう読む人はいる。
第2回目のモヤモヤポイント
生後6ヶ月の子供がいる家庭の夫の一日の生活を書かれています。
第2回:イクメンの定義って何よ!?【941のイクメン徒然】-家電Watch
こちらはモヤモヤポイントは大きく3つあります。
起きる時間は固定、ランニングは走り始めなので、1日おきだったりサボったりブログ書いてたり寒いから寝てたりというかんじ。夜の授乳は日によっては無かったりするので夜会えないことが結構ある。
(中略)
生後5カ月くらいだと日中は2時間おきくらいに30分の昼寝、完全母乳かミルクかで変わるけど完全母乳だと3時間おきくらいに授乳ってかんじ。オムツは日に5~6回変えて、たいていはおしっこ。うんちは1日に1度くらい。このくらいから結構においも強烈になってきます。
まず、ここでモヤモヤされる人がいると思います。「夫が全然育児参加していないじゃないか」と言いたくなる。夫が優雅にランニングできているけれど妻には同じような自分の時間がなさそう、夜泣きの対処をしていないように見えるとか、そういう見方をされる可能性がある。通勤時間の都合上致し方無いと思いますし、文字数制限があるのでしょうが、妻側に不満がないことを書いておくと燃えにくいです。
次のモヤモヤポイントは、コメント自体は分散されているので、ちょっとその部分だけまとめてみると、
・「イクメンじゃねえじゃん! 奥さんに任せっきりじゃん!」という全国のリアル育児ガチ参加メンズの声が聞こえてきそうですが、それ意識高すぎると思うのですよね。
・頑張りすぎるのってよくないと思うんですよね!
・「育児休暇とりました! 産後すぐから育児参加してます! このタスクは俺の担当です!」って、それも凄くいいしカッコいいと思うんだけど
・オレ、まじ、子供の世話、全部出来るんで。キリッ。
これらは、現在進行形で育児に強く関与している男性からすると、過剰に持ち上げて馬鹿にしているのではないかと思う可能性があります。「このタスクは俺の担当です!」は、特に茶化しているように読める。
もう一つも寄せ集めなんですが、
・実際なんかこう奥さんが子供の世話に追われているから、ホッと一息ついた瞬間にでも「あ、旦那さんたらこんなことしておいてくれたんだ(ポッ」みたいな
・ほんと少しだけでも家事に参加するって大事だと思うんですよ。
・少しでも奥さんの手伝いしてお互い気持ちよく育児しようぜって思ってます。
イクメンのハードルを下げようという趣旨だとは思うのですが、"少し"という言葉を使いすぎているので、自分から主体的に育児に関与する気がないように読めます。これと、前の部分の、
・頑張りすぎるのってよくないと思うんですよね!
を組み合わせると、頑張っている奥様を余所目に夫は楽をして、その割に偉そうだと読む人はいる。
以上です。
締め
そもそも、この連載は家電Watch上のものなんですよね。推定読者層は30代の男性。発言小町を読むのが好きそうな層には通常は捕捉されない媒体。
その視点に立てば、櫛井さんの主張は理解しやすいです。周りがそれほど家事・育児への関与は熱心ではない中自分でもやれているよというメッセージを発信されようとしているのではないでしょうか。
仮に、発言小町でトピ立てしたら、肯定7・否定3ぐらいで、レス数は200ぐらいで、軽い炎上になると思います。
以前、こんな記事を書きましたが、モヤモヤ(炎上の前段階)というのは通常とは異なる読者層に記事が届いてしまうことで生まれることがあります。ネットで公開するという、誰でも読めることがデメリットになる。育児話が難しい一つの背景だと思います。