斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

そこは私じゃなくて盗人を批判するところでしょ!

久々にTroubleshooterです。軽めです。

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TROUBLESHOOTER / My mother blames me for theft of my wallet - The Japan News

I’m a university student whose wallet was stolen recently, and my mother blames me for it. I have no idea why.

(中略)

It seems to me that blaming a person for the theft of their property is similar to blaming a person for being bullied. What do you think?

相談者さんは女子大生。電車で財布を盗まれたようなんですが、意気消沈する相談者さんに対して母親が投げかけた言葉は、「それはあなたのミスね(It's your fault.)」。相談者さんは盗難の被害者であり、これはまるで虐められた人を叱責するのと同じではないかという相談です。

 

人生案内は元々発言小町より緩い傾向がありますが、それでもこれはかなり軽い相談ですね。不倫もないし、DVもない。普通の家庭内でのちょっとした意思疎通が上手くいかなかっただけのもの。

 

回答した哲学者の鷲田清一さんは「お母さんはその言葉で注意喚起をしたんだと思いますよ」という当たり前の回答をしています。

 

自分はこの相談を受けたら、同じような路線で「そんなに悪意はないと思いますよ」と答えるでしょうね。お母さんだから期待しすぎてしまうけど、お母さんだってエスパーではない。娘が期待するような答えをいつでも言えるわけではない。

 

自分も人に何かを期待しちゃう時がありますけど、後で思い返してみると、それは自分による過剰な期待だったんだなと気付くことがあります。こちら側の期待が相手に伝わっていることなんてそうそうないんですよね。こちらとしてできることは、期待しないようにするか、期待を相手に伝えるか、相手が期待通りの動きをしてくれるように誘導するか。

 

このケースでも、お母さんの言い方は相談者さんの見せ方で変わってくるものがありますよね。例えば、凄く落ち込みながら「財布のお金盗まれちゃった……」なら「そう、残念だったね」という労りの言葉が返ってくる可能性が高い。

 

以前、アンガーマネジメントの本を紹介しましたが、怒りの裏には期待がありますから、できるだけ自分の期待値をコントロールして、疲れる怒りを覚えないようにしたいものです。