よしながふみさんの『きのう何食べた?』はゲイカップルの日常と料理を扱った漫画です。
久々に読んでいたら、「一ページの文字数が多い!」「ご飯を食べたあとの反応がグルメ番組のレポーターみたい!!」とまた違った感想を抱きましたが、ある衝動に駆られるのは相変わらずでした。
それは、料理を作りたくなること!
※左が弁護士のシロさん(この時点で50歳)、右が美容師のケンジ(同48歳)
ふだんの料理の延長線上
『きのう何食べた?』で登場する料理は、ふだん調理するものとそう大きく差はありません。レシピも複雑ではなく、工程も丁寧に描写されていて、自分でも作れそうな手軽さを感じられるので、これまでトライしたことがない料理でも作ろうとするときの心理的なハードルが下がります。
誰かのために作るのって楽しいよね!
その上で、登場人物であるシロさんが料理をしているのが楽しそうで。
シロさんのパートナーであるケンジが喜んでくれるんじゃないかと思って作って、ちゃんとケンジが「美味しい!」って言ってる。こういうの見てると、「ああ、誰かのために美味しい料理を作って、美味しい!って言ってもらえるのっていいよね」という気持ちになるんですよ。
※11巻P76より。ケンジ(右。もっぱら食べる人)の反応を見るのが楽しい。レバニラ作るかー!
やっぱり作りたくなる人、多数
せっかくなので、料理をしたくなるのは自分だけなのかをアンケートしてみました。
【アンケート】『きのう何食べた?』を読んでいると料理を作りたくなるのは私だけでしょうか?
— 斗比主閲子 (@topisyu) 2016年6月14日
半分ぐらいの人が作りたくなると回答していますね。私だけじゃなかった。
もちろん恋愛要素も好きです
確かに、『きのう何食べた?』を読んでいると料理を作りたくなるんですけど、じゃあ、それだけが魅力かといえば、恋愛要素も好きです。
シロさんもケンジも確か50歳と48歳で結構な高齢なんですけどね。それでもイチャイチャシーンがたくさんあって、思わずにやけてしまう。いいですよね、いくつになってもイチャイチャしても。
最近は、年老いた両親のケアだったり、本人たちが健康を気にし始めていたりで、身近な感じがぐっとします。食費をいくらに切り詰めるかみたいな話含めて、生活感があるのがいいですね。
締め
私が料理を好きになったのは幼少期の『ぐりとぐら』と父が買ってきていた『美味しんぼ』からでした。今でも料理を扱う漫画は好きで、料理も好きなので、家事では料理は私が担当です。
『おおきく振りかぶって』で志賀先生が野球部員に「おいしい!」と言ってご飯を食べることの効能を教えてますけど、あれにならって、我が家でも美味しい時は「おいしい!」を(自分も含めて)積極的に言うようにしています。「おいしい!」と言ってくれた料理は次も必ず提供するようにしていますから、好循環ができる。
『きのう何食べた?』で紹介される料理は、身近で気軽でヘルシーなものばかり。さすがにこの漫画だけで料理を始めるのは難しいでしょうけど、料理の楽しさに触れるのにもいい漫画だと思います。どうか、末永く連載されますように。