朝日新聞のこの記事と、
「うちはこれ以上無理」母子家庭、諦めさせたバスケの夢:朝日新聞デジタル
長女を連れ27歳で離婚。資格を取って働けば安定すると思い、介護の職場で長くパートなどで働いた。月収は手取りで約18万円。別の男性との間に長男、次男が生まれたが、結婚はしなかった。
4年前、夫の暴力が続き、生活費も入らなくなって離婚。養育費は1年で滞った。春や夏はツクシやタンポポを摘んで食べた。長男が最近、夕飯を食べながら言った。「高校は昼働いて夜の学校に行く。お金稼いで半分はママにあげる」。涙がにじんだ。
自分も母子家庭で育ち、朝から晩まで工場で働き詰めの母を見てきた。子どもが寂しくないよう、自分は少しでも一緒にいられる仕事を選んできた。
記事への反応をTwitterやはてなブックマークコメントで見て、子育て環境についてどこまで親のエゴか、行政が支援するべきか、人によって考え方がかなり違うものだと思いました。
先日はTwitterでのこんなアンケートも見かけました。
きみは小学生3人を育てるシングルマザーだ!夕食の予算は5百円。現在20時。子のお迎えはこれからだ。夕食は何にする? 基本調味料と米、袋麺は家にあるが、調理酒、みりん、牛乳、卵はない。買い置きの野菜は古い馬鈴薯としなびた小松菜。
— ゆたるう (@yutaro_today) 2015年12月19日
以前、日本が難民を受け入れるかどうかの時にやりましたが、親による子供関連の作為・不作為についてどこまでが許容できるか、思考実験をしてみてもいいかと思い、以下条件を列挙してみました。
どこからが親のエゴか、虐待か、社会的に支援されるものか
- 子供を作ること自体
- 本人が十分な教育を受けていないが子供を作ること
- 生活に余裕がないが子供を作ること
- 配偶者との相性が悪いが子供を作ること
- 結婚をできない相手との間に子供を作ること
- 家族との相性が悪いが実家/義実家同居で子供を作ること
- 子供がいる状態で配偶者と別れること
- 自分だけで養育できないが配偶者と別れる際に子供の親権を取ること
- 別れた配偶者が子供と接触するのを拒否すること
- 子供にかけるお金はないが離婚した元配偶者を拒絶するため養育費の受け取りを拒否すること
- 子供にかけるお金はないが子供に頑張っている姿を見せたいため生活保護の受給を拒否すること
- 子供のことを叱ること
- 子供を褒めて甘やかすこと
- 子供のことを物理的に叩いて躾をすること
- 子供に名前をつけること
- 子供に特徴的な名前をつけること
- 事実婚をして子供の姓が両親のどちらかとは異なること
- 夫婦別姓をして子供の姓が両親のどちらかとは異なること
- 親が離婚後再婚をすることで子供の姓が変わること
- 子供と一緒にご飯を食べないこと
- 子供に美味しい食事を与えないこと
- 子供に栄養価のバランスが悪い食事を与えること
- 子供に食事を与えないこと
- 子供の前で夫婦が一切会話をしないこと
- 子供の前で夫婦で喧嘩をすること
- 夫婦がお互いの悪口を子供に吹き込むこと
- 子供の教育費を一切かけないこと
- 子供を幼稚園・保育園に通わせないこと
- 子供の私立への進学費用を払わないこと
- 子供の大学進学費用を払わないこと
- 子供の奨学金を親の生活のために使用すること
- 子供の奨学金を親のギャンブルのために使用すること
これらの条件のうち、どこまでが許容できるか検討するのは、親としての資格論だったり、自分がどんな家庭環境で育ってきたかであったり、どんな親になりたいかであったりが見えてくるものがあります。
上記の条件設定に拘らず色々検討した上で、自分の置かれた環境・知識・精神状態でどう回答が変わるか変わらないかを検証してみるのも面白い。
先日はこんなアンケートもしましたけど、これもこの関連ですね。
【アンケート】子供の何にお金をかける?
— 斗比主閲子 (@topisyu) 2015年12月20日
子供の何にお金をかけるか、お金をそもそもかけられないかも、考え方・環境は個人個人で結構変わってきます。
世の中は階層が綺麗に分かれている部分がある一方で、地続きな部分があり、急に不幸に見舞われることもあるので、余裕があるならば色々な生き方の想像をしてみるのはありだと思います。