斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「父に家を出ていくことを告げたいが勇気がない」←心の中で作ったモンスターに縛られているケース

久々にTroubleshooterから。

 

父に家を出ていくことを告げたいが勇気がない

I stopped talking to my dad after enrolling at university - The Japan News

Dear Troubleshooter:

I’m a male teenage university student. I haven’t spoken to my father since I enrolled at university.

Up through high school, I spoke with him normally. But now, we only exchange greetings and have days when we don’t see each other. I get along well with my other family members.

(中略) 

I told my mother about living alone, and she accepted it. When my mother told my father, he responded by saying, “It may be a good experience for him.” But I cannot face him to directly tell him about my plan.

現在、十代の大学生で、家から大学まで通学に2時間かかっているのが辛く、バイトでお金も作ったので、近々家を出たいが、大学生になってから話していない父親に伝える勇気がないという相談です。

高校生の頃は普通に話せていて、まだ十代の大学生ということだとすれば、話していない期間はせいぜい1年ぐらいのことです。大して長くないし、父親は「いい経験になるじゃないか」と間接的に言ってくれている。それでも父親に家を出ることを伝えることに不安な気持ちがある。

 

接点がないと相手のイメージを勝手に作っちゃう

これは結構よくある悩みですよね。相手のイメージを自分の中で勝手に作り上げて、それに自分の思考が縛られちゃってるケース。

誰かに対して本人のことが分かる情報を入手する機会が減ると、限られた情報で相手のことを自分の中で構成しようとし始める。出来上がりは、この相談みたいに悪いイメージが作り上げられることもあれば、過剰に良いイメージが作り上げられることもあります。ネット上のテキストでしか知らない人に物凄く執着を感じる人がいるじゃないですか。あれも似たようなものです。

 

脳内モンスターを退治する方法

頭の中で作り上げてしまった過剰なイメージをどうにかするのは、言葉にするとそんな難しいものではありません。情報が限定的だから誤ったイメージを作り出してしまうのだから、実際の相手がどういう人間かを知ればいいだけです。この相談を例にすれば、お父さんと話してみること。

勇気が出ない人は、お母さんがお父さんからすでに聞き出している今回みたいに、事前に相手のことを間接的に探っておくといいですよね。怒らないと分かっているから、後はこの相談みたいに時間や誰かに背中を押してもらえれば接点は持てて、脳内モンスターを退治することもできる。

 

締め

脳内モンスターの厄介なのは、接点がないままに時間が経過していくと、どんどん凶悪に育っていくところです。

だから、「ちょっと嫌だな」「最近あの人に嫌われているかも」とか思い始めたら、早い段階で、その当人と話しちゃったほうがいい。「最近、話していないかなと思って、話しかけたんだー」でも「しばらく話してなくて気まずいと思ってたの私だけかな」でもいい。

大体こちらが相手をモンスターに仕立て上げていると、相手もこちらに対し悪い気持ちを抱き始めるものです。別に、呪いとかそういう類じゃなくて、嫌悪感は普段の態度に現れますからね。

一方で、両手を挙げて何も武器を持っていないことをアピールし、その手で握手をしようとしたときに、わざわざ手を振り払う勇気がある人はほとんどいません。手を握り返してしまう。

だから、素直に「話せていないけど、話したい」と伝えるのがモンスター退治には割と有効です。

 

 

 

余談

ちなみに、私が推測するに、この相談者さんが父親にネガティブなイメージを持ち始めたのは、大学受験絡みで父親といざこざがあったからだと思います。大学に通うのが大変で一人暮らしをするという当たり前の発想を、父親が怒ると考えているのだとしたら、このちょっと遠い大学に進学することをお父さんが反対したからだとすると分かりやすいですよね。

高校時代には話していたけど、大学時代になってから話さなくなったというのも、大学受験がきっかけならさもありなん。

何がきっかけかは別にどうでもよくて、大切なのは関係が微妙になったなと思ったら早めに修復することですね。後になればなるほど、しこりが残って色々と面倒になる。