このセリフは、逃げ恥の漫画の最終巻で、若さを強みと考えている女性に、みくりの伯母のゆりちゃんが言ったもの。
※『逃げるは恥だが役に立つ』9巻65ページより
若さと老いの呪いにかかっていたゆりちゃんが老いへの思いを言語化することで、その後、自分自身を呪いから解き放つ、重要なシーンです。
このシーンを読みながら、やっぱり言語化は大事だなと(海野つなみさんの創作ながら)思いつつ、人間一人一人個性はあるといっても、同じ人間ということでの共通点は多く、自分が誰かを目標にしたり、自分が目標にされたりすることはあるあるだよねと考えていました。
私は誰かの理想や目標になりたいという気持ちはさらさらありませんが、「面白い大人だ!」と思われたい気持ちはちょっとあります。
子どもの頃、先生や他の友達の親など大人一般を見ていて、「つまらない人たちばかりだ!」と思っていました。私の目に映る大人は、規律や前例を大切にしていて、子どもの価値観には興味を持たず、自分が信じている道理を丁寧に説明せずに「しょせん子どもだから」と適当に相手をする。何より嫌なのが大人が何を楽しんでいるかが全然分からないこと!
私が大人になった今では、親が子どもに見せる姿はもう少しリラックスした、素のものになっているように見ていますが、そうはいっても、まだまだ意識的に大人らしい大人として子どもと接する親は多いように思います。
別にそれが悪いことだとは言いませんが、私はつまらないので、せめて自分の周りの子どもには「面白い大人がいるんだぞ!」「大人も楽しいんだぞ!」と思われるように、自分がしていることを子どもに分かるように説明したり、子どもの価値観にできるだけ寄り添うようにしたりしています。
ちなみに、ゆりちゃんは、このセリフの前に、
あなたがこの先楽しく年を取っていきたいと思うなら
楽しく生きている年上の人と友達になるといいんじゃないかな
なんてことも言っているんですが、ここを見ていて雨宮まみさんのことを考えていました。
ゆりちゃんは独身の54歳の素敵な女性という描かれ方をしているのですが、そこまで年齢はいっておらずとも、同じく独身で、自分の身近なことや悩みをつらつらと書き出す文章に長けていた雨宮まみさんを、理想の「楽しく生きている年上の人」と捉えていた人は多かっただろうなと。
インターネットを利用する層は非常に幅広く、私たちの親や、はたまた祖父母の世代の人もたくさんいます。80代になってからブログを書く人もいる!
「ブログ終了」のお知らせ - shirasagikaraの日記
ことし、91歳になった2016年の1月から、これまでの10年のブログ全800編から、さらに90編をせっせと選んで、新著「イエスさまが笑った 90歳までの10年のブログ90撰」をつくりました。4月14日刊行の予定です(195ページ、頒価1000円)。
それとあわせて「ブログ終了」と決めました。目も少しかすんできましたし、よい潮時とおもいます。「何事にも時がある」(コヘレト3・1)。わたしの80歳代は、ブログのおかげで、楽しく実り豊かな10年となりました。
私が子どもの頃、知りたくて知りたくてたまらなかった大人の生態がインターネットにはたくさん転がっています。
【子育てマンガ】子供の将来が心配になってしまった話 - トウフ系
子供の頃に描いていた将来が訪れた時、私は「たいして絵はうまくない単なるオタク」な大人になってしまいました。
親が何を思っているかがマンガ付きで説明されてたりもします。何ていい時代なんだ!
私が明確にターゲットとしていない人でも、いつかこのブログに辿り着き、楽しんでくれることはあると思います。他人の理想や目標にはなるつもりはないですけど、自分が素で思ったことをこれからも適当に紹介していきます。
※9巻のゆりちゃんにスポットをあてた番外編は面白かった。