斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「妊娠中だからセックスしない方がいいんだよね」という誤解

姑日記というタイトルの割に、(パソコン表示で)右のはてなブックマークの人気エントリー順を見て頂ければ分かる通り、のことを書くより、姑以外のことを書くほうがよく読まれるようなので、topisyuの姑が大好きな方には申し訳ないのですが、怒りが溜まるまで姑以外の話がしばらく続くことになると思います。topisyuは姑を大好きなわけじゃないので。

 

それで、表題の件ですが、これはtopisyuの男友達から出た発言です。

 

 

「妊娠中だからセックスしない方がいいんだよね」という男性側の誤解

妊娠中の妻を持つこの男性とセックスレスについて話をしていたところ、「うちは妊娠中だからセックスしない方がいいんだよね」と言ってきました。事実、セックスはしていないそうで、検査薬で妊娠が判明してから既に半年間セックスレスだそうです。

 

なぜセックスをしないのかを聞くと凄く意外そうに「だって妊娠してるんだよ」ということでした。妊娠中にセックスをするほうが非常識と考えている反応です。更に深堀りすると、「だって、妊娠中のセックスは女性に負担かかるでしょ?(流産するかもしれない)」というのが理由だということが分かりました。

 

topisyuが妊娠中の(通常の)セックスで流産するようなことはないし、体位に気を遣えば母体への影響もほとんどないことを伝えると、「仮にそうだとしてもお互い気乗りしないし」と言い、「俺は風俗行かないだけマシだよ。周りはみんな行っている」ということもこぼしました。妊娠中の夫の浮気といえば、よくある話。そこはスルーしています。

  

「妊娠中だからセックスしない方がいいんだよね」という女性側の誤解

この友人のような、「妊娠中のセックスはよくない」という誤解は何も男性側に限った話ではありません。topisyuが見聞きする限り、未婚、既婚問わず、女性でも妊娠中のセックスが流産・早産リスクを高めるという誤解をしている人がいます。少し勉強している人だと、精液には子宮を収縮させるホルモンがあるからという話をしますね。

  

男女ともに妊娠中のセックスをしないほうがいいという誤解は広くあるようで、発言小町、OKWaveやYahoo!Answersなどの質問サイトでも見かけます。

 

妊娠中のセックスは問題ないって本当?

妊娠中のセックスは特定の条件下でない限り問題はありません。詳しくは、竹内正人先生のこの記事を読んで頂くとよく理解できると思います。

妊娠中のセックス [妊娠の基礎知識] All About

  

どのような条件であればセックスを控えたほうがいいか、セックスは流産の原因になるか、オーガズムは早産に繋がるか、ピストン運動の胎児への影響はあるか、好ましい体位は?、オーラルセックス・アナルセックスは問題があるか、コンドームの着用の必要性はあるか?などなど、思いつく限りの質問に丁寧に回答されています。

 

竹内先生をご存知ない方でも、シアーズ博士のマタニティブックの著者(恐らく監修者)の一人と言えばピンとくるかと思います。他にも数多くの妊娠・出産に関する書籍を書かれています。  

シアーズ博士夫妻のマタニティブック

シアーズ博士夫妻のマタニティブック

  • 作者: ドクター・ウイリアム・シアーズ,マーサ・シアーズ,ドクター・リンダ・ホルト,岩井満理,竹内正人
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  • 発売日: 2003/07/29
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Amazon.co.jp: 竹内正人:作品一覧、著者略歴

それでも、どうしても心配なら、かかりつけの産科医に質問すればいい。この誤解の根本はセックスが母子に悪影響を与えるというものですから、専門家に聞くのが一番。セックスをしなければ体内妊娠はしませんし、産科医は女性器も見るわけですから、そんなに恥ずがしがらずとも、産科医はちゃんと答えてくれます。

 

妊娠中にセックスを求めると極悪人扱い

この誤解はどうでもいいことのように思えるかもしれませんが、2つ問題を抱えています。1つ目は、妊娠中にセックスをしようとするパートナーがもう一人のパートナーからまるで獣(けだもの)、極悪人のように扱われ信頼関係に危機が訪れること、2つ目は、その後のセックスレスに繋がることです。

 

特に男性側は妊娠中だろうが性欲の発露には影響はないと思います。どうしてもセックスをしたい気持ちは出てくる。その時に、妻がこの誤解を信じていると、夫が「妊娠中でもセックスは問題ないらしいよ」と言って妻に触れようものなら、「私や子供の健康よりも、自分の性欲を優先するのね」という過剰反応をしてしまうことがある。夫が急に汚らわしいものに見えて、夫を尊敬する気持ちを失うこともありえる。

 

妻側でも同じ話がありえて、妊娠中期以降に性欲が戻ってきて、セックスをしようと夫にけしかけたら、「母親になる自覚がないんじゃないの?」と拒否られる。更に、妊婦が聖なる存在であるべきと信じている男性なら、こんな状態でセックスをしようとする妻が過剰に淫乱に見えてしまう。妻が自己嫌悪に陥ることもありえる。

 

こういう状態になると、妊娠中にセックスの話をしづらくなりますし、下手をすれば一生マイナスなラベルを貼られることになってしまいます。

 

妊娠中にセックスを途切れさせてセックスレスに突入

たとえネガティブな関係にならずとも、妊娠前までは定期的に行っていたセックスが妊娠中に止まってしまうと、このままセックスレスに突入するというのもよくある話です。

 

セックスに対する価値観はカップルの関係性によって違うものの、それまでセックスをしてきたカップルであれば、セックスレスになってしまうと、それまで培ってきた非言語コミュニケーションの機会を失うことになります。

 

子供がいるとカップルにはかなり負担が増えますから、互いの意思疎通の手段はできるだけ大いに越したことはありません。

 

セックスをしなければ夫婦関係がダメになるという話ではない 

もちろん、妊娠中にセックスをしないから、セックスレスに必ずなる、相手のことを理解できなくなる、子育てでの役割分担が上手くいかないという話ではありません。

 

妊娠初期は、つわりもあり、セックスをする気にはなりにくいですし、切迫早産状態でセックスをするなんてありえません。経過が順調でないのに無理にやるものではない。お腹が大きい状態だと興奮しないという男性もいらっしゃるでしょう。

 

ただ、経過が順調で互いにセックスをしたいと思っているのに、「妊娠中だからセックスをしない方がいい」という誤解でお互いに言い出せずセックスができないなら、それはもったいない。セックスは、性欲の発散に加えて貴重なコミュニケーションツールですから、上手く使えたほうがいいですからね。

 

我が家の話

本題は以上ですが、我が家の話をすると妊娠中にセックスはしていました。頻度はそれほど高くはありませんでしたけどね。現在はセックスレスなのですが、これは二世帯住宅の上、子供が多いので、セックスをする場所と時間がネックになっているからです。雰囲気を盛り上げる予備動作に時間をかけられない。

 

だから、子供を姑に預けるというのが我が家ではとても重要なのです。セックスレスを妨げる要素が一気に排除できるのですから。

 

追記

母子手帳に書いてあるという情報があったので、読み直してみましたがうちの市から配布されたものには特に書いてありませんでした。
 
地域によるものの、葉酸摂取やSIDSなどと比較すると情報としての優先順位が落ちるという判断があるのでしょうね。