斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

"お金に余裕のある両親が貧乏な隣人男性から食べ物をもらうのはおかしいと思いませんか?"

箸休めにTroubleshooter(読売新聞の人生案内の英語版)を紹介します。明日には、Amazonに関するエントリーを投稿予定です。

 

相談

TROUBLESHOOTER / My rich parents receive lots of food from poor neighbor - The Japan News

1:03 pm, July 27, 2014 The Yomiuri Shimbun

Dear Troubleshooter:

I’m a woman in my 40s, and I am working while raising a child. I want to ask your opinion about my parents’ relations with a neighbor.

My parents’ house is located in an upscale residential area. Near their house, however, there is an apartment complex that houses people who have no family on which to depend and live on welfare. My parents are the type of people who mingle with these people without prejudice.

40代の子育て中の女性の相談。ご両親が住む富裕層向け住宅街の近くには、生活保護等で生活する身寄りのない人向けの団地があるそうです。そして、ご両親はそういった人と分け隔てなく接するタイプ。

One of these neighbors is a single man in his 70s, who lives alone. I heard he was a drunk when he was young. He grew acquainted with my mother about 20 years ago. After he became a friend of our family, he stopped drinking and started living a healthy life. He seems to be very grateful to my mother.

そんな隣人の中に、70代の独身男性。昔はアル中だったのに、20年前にお母様と知り合いになり、家族付き合いをするようになってお酒を止めたそう。

Now, the man frequently brings food to my parents’ house. The food is too much for my parents to eat. When I visit, he gives sweets to my child. Each time, my parents receive his food and say to him: “Thank you. How nice.” It appears that they occasionally give him shopping coupons for supermarkets in return.

そんなこともあってか、その男性はご両親の家に頻繁に食べ物を持ってくるそうです。食べきれない量だけど、ご両親はいつも感謝を示し、時にはスーパーのクーポン券を渡されているそうです。相談者さんが訪問する時には、子供にお菓子をくれるみたい。

I tell my parents that it is not appropriate for them to receive that much food from a person like him. However, they say to me: “People of your age can’t understand. If you don’t like it, don’t come to our house.”

I am aware my parents give that man hope, but I do not quite get it.

J, Osaka Prefecture

相談者さんは、ご両親に、「そんな貧乏な人から食べきれない量の食べ物を貰うのはおかしい」と言ったら、「あなたの世代には分からないわよ。もし気に入らなければ、うちにこなければいい」と言われてしまったそうです。ご両親がその男性に希望を与えているのは分かるけど、どうにも腑に落ちないという相談。

 

コメント

食事をもらうのは不適切だと言っていますが、普通は、こういう家族が好きでやっていることに余計な口出しをすることのほうが不適切でしょうね。しかも、書きぶりからすると、相談者さんには差別意識がありそうにも読み取れる。

そういう方向性でこの相談を取り扱うことも可能でしょうし、回答のように、どうしてご両親がこういうことをするのか背景を説明することもありだと思います。

ただ、ちょっと違う観点で、気になる記述がいくつかあるんですよね。相談者さんが、①子供を育てながら働いている、②子供と一緒にご両親の家を訪れることがある、③その時にその男性がお菓子をくれることがあるというこの3点。特に、③についてなぜ書く必要があるのか。直接的には関係ないはずなのに。

それで、思いつくのが、この相談者さんが実家に戻ろうと企図しているのではないかという可能性です。親は20年間の付き合いのある男性でも、相談者さんからすれば、よく分からない人物。自分が実家に同居したら、その人物と頻繁に顔を突き合わせる必要がある上、子供はお菓子をもらう羽目になる。そんなの耐えられないから、今のうちにどうにか手を打てないかと考えている。

もちろん、可能性でしかないですけどね。でも、ご両親が「そんなに言うなら、家に来ないでいい」と言われたことに端を発して、この相談が投稿されています。そうであれば、ご両親が相談者さんの意図を勘付かれていたり、相談者さんが家に行けない状態はワーストケースとして、今回人生案内に相談してみたというのはありそう。

純粋に、「お金がある両親がお金のない人から物を貰うのがおかしい」と思っているのだとしたら、クーポン券を見合う金額にするよう提案することで相談者さんの心の中では問題は解決すると思いますけどね。想像するに、ご両親は、食べ物代以上の代金をクーポンで払っていることでしょうが。ビッグイシューの購入と似た構造なんじゃないでしょうかね。