斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

枝豆で大爆発

いや、枝豆が大爆発したという話ではないんですが。枝豆をきっかけに感情を爆発させてしまったという話です。

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photo by lobsteriffic

 

枝豆で離婚

今回紹介するのは発言小町のこちらのトピです。一昨日投稿されたもの。

枝豆で離婚 : 生活・身近な話題 : 発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

高校生になる2人の子供の弁当を作るうえで、中身にに文句をつけない、
文句を言うなら自分で作るか、小遣いで昼食を買うようにと約束をしています。

部活をしていることもあり、週7での弁当作り、たまには手抜きで冷凍食品や出来合いものも使います。
先日息子が「隙間を埋めるために冷凍の枝豆を入れるとか、やめてくれる?あれ不味いし」と言ってきました。

「そんな文句を言うなら自分で作りなさい!」と言いました。


そこへ夫が、「息子は文句を言ってるわけじゃない、嫌だっていうなら入れなければいい、お前は思いやりがない」
と言われたことが引き金となり爆発してしまいました。

そんなことを言うならあなたが毎朝5時に起きて週7で作ってほしい、弁当のことに関しては子供と私で約束を交わしているから
口を出さないでほしいと言ったのですが、「俺は家族だからいう権利がある」と言うのです。
夫の言葉が追い風となり、息子も猛然と私に突っかかってきました。

私は我慢の限界を超え、今まで溜まっていたことを全部夫に言いました。
同居によるストレス、姑の毎日の嫌味、子供たちのわがまま、仕事の収入の不安、更年期のこと、
いつも夫が逃げて向き合ってくれないことなど。

すべて否定されました。
被害妄想が激しすぎ、理解できないとのことでした。

今、離婚を考えています。
私の存在意義って何なのだろうと。

女性の更年期障害が原因で離婚が増えていると以前耳にしたことがありますが、
まさか自分の身の上に降りかかってくるとは思いもしませんでした。

ざっくりまとめると高校二年生の息子が冷凍食品の枝豆に文句を言ってきて、その上、それを夫は諌めるどころかトピ主さんのことを思いやりがないと言い、耐えられなくなって、これまでの鬱憤を爆発させてしまったというものです。

 

更年期障害が原因での離婚は増加しているのか?

トピの本題に入る前に、トピ主さんが言っている更年期障害での離婚についてちょっと触れておきます。

更年期とは閉経する時点の前後10年で、閉経が平均で50歳ぐらいですから、45歳~55歳がその時期と考えられます。更年期障害の症状は40歳ぐらいから出始めます。卵巣から分泌されるエストロゲンというホルモンの分泌量が減少し、体調が悪くなったり、怒りやすくなります。

離婚事由で更年期障害によるというのは分かりませんので、これをざっくりと確認する方法として、既に結婚している中で40歳~55歳ぐらいの女性の離婚率を見てみましょう。

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※画像は厚生労働省:平成21年度「離婚に関する統計」の概況:離婚の年次推移より

ご覧のとおり、1960年辺りからジワジワ増加し始め、1995年ぐらいから急上昇していますが、他の年齢はそれ以上に離婚率が上昇しています。更年期だからというのが理由というよりも、全体の離婚率自体が上昇している影響の方が要因としては大きい気がします。要するに離婚が身近になった。

 

大爆発では上手くいかない

それで、このトピ主さんが離婚を考えているということについて、もちろん、離婚の背中を押したいコマッチャからは、離婚推奨のレスが来るわけですが、全てがそういうわけではありません。トピ主さんの怒り方に問題があるんじゃないかという声もあります。

大爆発して怒っていい結果を出そうとするのが悪手だというのは、自分が相手の立場になってみると分かります。

凄く些細なことで指摘をしたら、これまで自分はこんなに我慢をしていたんだと強烈にまくしたてられる。こちらは、そんな話をするつもりがあったわけではなく、そのまま話を聞ける下地もないから、つい反発してしまったりする。反発はせずとも、相手が感情的で攻撃的な場合、話を聞くのが憂鬱になり、ついつい逃げてしまう。言われる立場になると、なかなか受け入れがたいものです。

もちろん、実際に不便を被ってきた方が被害者ではあるものの、その被害の状況について都度声を出していなければ、言われた方はそういう問題には気付きません。人間関係において相手が察するのを期待するのは、その相手が問題を認識した上で適切な訓練を受けている必要があります。

大爆発をしてしまうと、自分は冷静に話せないし、相手も冷静に聞ける状態は作れません。有効な会話の土台がない以上、お互い水掛け論になり、余計に話をややこしくさせることになります。

従って、何か不満があるならば、まとめて大爆発をするのではなく、不満は小出しで相手に伝えていき、相手によくよく現状認識をさせる機会を設けさせ、こちらとしても適宜不満を整理する方が得策です。

上手くハマるときもありますけどね。大爆発をどっかでしておくというのも有効。でも、それを常態化させて、「もう離婚する!」を繰り返しちゃうと、こちらのカードはなくなります。

 

溜まってきた鬱憤を伝える方法

ただ、現実には、鬱憤を都度伝えるのは難しいものがあります。また、既に溜まっている鬱憤もどうしたら解消できるか。

ここで考えたいのが、究極的な目的は何にあるかです。まずは自分の鬱憤を外出しして晴らしたいというのが一つ、そして相手に現在の境遇を改善するよう対応してもらうのがもう一つの目的です。

鬱憤を外出しする方法としては、思いついた時に口頭で伝えるのではなく、時間を変えたり、場所を変えたり、ボイスメモにしたり、メールにしたり、手紙にしたり、色々な方法があります。

これらの方法のうち、相手が最も受け入れやすいものを採用し、伝えるわけです。おすすめは、ホワイトボード……ではなく、手紙です。

手紙は今時なかなか貰う機会がないですから、渡されるとドキッとします。好きな時に読むことができますし、文字の雰囲気から相手の気持ちも伝わってくる。

書く方は書く方で、メールのように書き直すのは簡単ではないため、一所懸命推敲することになります。この推敲プロセスが重要で、推敲しているうちに、自分が何に不満を抱いているのかが明確になっていきます。

 

締め

トピ主さんの相談文には、

いつも夫が逃げて向き合ってくれないことなど。

すべて否定されました。

いつも、すべてというフレーズがありますよね。これは冷静でないことを表すサインです。

大体、人間のやることがそんな首尾一貫しているわけもなく、その時々でいいことをしたり悪いことをしたり、そういう振れ幅というのは誰もがそれなりにあるものです。全部がだめだとか全部がいいとかデジタルに1か0で綺麗に切れるものは少なく、おおよそ、その1と0の間でどちらかに偏りがあるぐらい。

聞き手の方は、いつもとかすべてとか言われると、いや、そうじゃないよねと一言言いたくなる。もちろん、こういうことに慣れた聞き手は喋り手が冷静ではないことが分かっているので、「うんうん、分かるよ」とか、「辛いよね」とかそういう直接的ではないものの、相手を受け入れる返しができるけれど、できる人は少ないです。

鬱憤を晴らしたいだけなら友達に愚痴ればいい。問題それ自体を解決したければできるだけ小出しに、自分も相手も冷静な時に話を進めるのがお勧めです。これをしないで、いきなり関係性を断絶するのはもったいないですよね。

 

 

 

ちなみに、自分はお弁当に水分の多い食材を詰められるのが嫌でした。特に煮物はご飯が煮汁で茶色くなる。華やかなお弁当を持参する友人の前で自分のお弁当を広げるのが恥ずかしくて恥ずかしくて。母には申し訳ないので何も言いませんでした。大人になってからそれに触れると母からは「だったら言ってくれたら良かったのに!」という返事。そんなこともあり、自分の子どものお弁当を作るときは(冷凍食品も使いつつ)彩り重視で、時々アンケートを採るようにしています。