最近、「釣り」の名手だとか、地雷利用者だとか、炎上マーケターだとか、素直に喜んでいいか難しい評価を頂くことが多いです。
これらを総合すると、『「釣り」のテクニックを使って、上手く地雷を避けて、炎上ギリギリの文章を書いている』ということでしょうか。
意図的でないにせよ、そのように読める文章を書くには、ノウハウというか、プロセスがありますので、それを公開するのがこの記事の目的です。
特に、Blog等のメディアを利用して文章を書く機会がない人は、興味の持てない内容かと思いますので、そっ閉じを推奨します。
※topisyuによるアフィリエイトではありません。ちょうどよい画像が無かったので使用しています。
頂いている評価
例えば、こんな評価を頂いています。
ラクしてブログのアクセス数を増やすたった1つの方法 - デマこいてんじゃねえ!
具体的な「釣り」の方法論については、id:topisyuさんが興味深い記事を上げている。
■釣り解説”「結婚したくない人」の気持ちがわかりません”─斗比主閲子の姑日記
磨き上げられ、もはや芸術の域に達している「釣り」スキルの解説だ。釣り記事を書くつもりが無い人でも一読の価値があるだろう。id:topisyuさんは、昨今のブログ界隈で随一の「釣り」の名手だ。
トピシュさんくらいにスキルと度胸を持つ人は、地雷を利用すればいいと思う。ニュースサイトのほとんどがそうだもの。 でも後から「いじめられた〜」なんてグズグズ言ったりメンタル弱い人は安易に真似するとまずい。
— ミィア猫 (@meerkat_hatena) 2014, 1月 19
ここまで分析できる人は思いのままに炎上マーケティングができそう。さすがは釣り師。
このBlogでは、これまで意図的に釣ろうとしたことはそんなにありません。Tumblrで更新していた時と違って、目立ちやすくなったために、できるだけ不快になる人が少なくなるように(炎上しないように)気を使っているつもりです。
ただ、傍目から見たら、
炎上するブログと炎上しないブログのどちらが正しいのか? - 人生夢オチ
ただし、個人的には炎上しないノウハウを参考にして、低所得者などの地雷になりやすいテーマに触れないのは、むしろブロガーにとっては逆効果だと思う。
例えばミーア猫氏はトピシュ氏のブログをよく参照しているが、トピシュ氏は自分の学歴や年収のことを書いている。
それが事実なのかフェイクなのかは不明だが、旧帝大卒だとほのめかしたり、世帯年収が2千万円だとネタにしている。
人気ブロガーはそういう自分語りのネタをいくつも持っている。
それはオタクであったり、非モテであったり、虐待経験であったり、父子家庭であったりする。
どちらかといえば炎上しやすい地雷ネタだ。
このように、フェイクでも何でもない、旧帝大卒、世帯年収2千万円がネタだと思われるなど、「釣り」のテクニックを使って炎上ギリギリの文章を書いているように見えるようです。
よほどの誤読であれば指摘しますが、これだけ多くの人がこのような評価をしているのですから、評価を受け入れます。
このような評価が正しいとして、意図的でないにせよ、他の人から、炎上ギリギリに見える文章を書く上ではいくつか気を使っていることがあります。
脳内発言小町で添削
まず、topisyuはBlogを書くときに、頭にコマッチャを思い浮かべています。(コマッチャとは発言小町のヘビーユーザーを表す2ch用語)
発言小町の回答が苛烈極まりないのは皆さんご存知かと思います。重箱の角をつつくような、陰険で、細かい文体が一つの特徴ですが、長年小町を利用してきた人だとコマッチャを脳内シミュレートできるようになります。
例えば、育児中の隣の801ちゃんさんは、
育児中の敵は世間よりも、おのれのなかの発言小町であることが多いよなーと、本当に思う。
— こじま801@育児垢わけました (@801_CHAN) 2012, 9月 1
こんなTweetをされたりしています。
topisyuもそれなりに脳内シミュレートができます。そして、脳内コマッチャに自分の文章を添削させると、「本気でこれで意図が伝わると思うんですか?」「あなたの文章には品の無さが現れていますね」などといった手厳しいコメントが思い浮かんできます。
このコメントを利用して、自分の文章を直していきます。いわゆる客観視みたいなものでしょうか。他人の視点を擬似的にシミュレートして、反感を買いにくい文章に整えます。
topisyuは、日常生活では、
ニコニコしてたらクソ舐めたこと言ってくる人には、おほほ、なにクソ舐めたことおっしゃってるのかしら? とニコニコしながら、圧をかけてしまう性分…(´Д` )
こういう言葉を吐くのですが、脳内コマッチャによる自省によって、BlogやTwitter上は表に出てくることはありません。
エゴサーチで修正 例①
脳内コマッチャはかなり万能なのですが、それでも、人が自分一人で想像できることには限界があります。そこで活用するのがエゴサーチによって得た他の人のコメントです。
例えば、先日書いたこの記事、
「なぜこんな人が政治家をやっているんだ」への一つの答え - 斗比主閲子の姑日記
はてなブックマークコメント欄でかなり批判を頂いています。
はてなブックマーク - 「なぜこんな人が政治家をやっているんだ」への一つの答え - 斗比主閲子の姑日記
脳内コマッチャが上手く機能しない状態で投稿した結果です。批判されているポイントは理解できるものばかり。
そこで、例えば以下の批判を受けて、
容赦ないなあ。東広島市の人が読んだら気分を悪くするだろうに。
本文にて、
※東広島市に縁のある方は気分を害す恐れがありますので、閲覧にはご注意下さい。
という文言を追記しました。(この方はよくtopisyuの記事を読まれている方です。信頼できる)
また、
これはちょっと気分を害す。議員のリテラシー、果たして倍率に比例するか、学歴に強く比例するか?あと武田学園呉高校は当時呉市に。安芸津から呉は電車1本。今の黒瀬だと(以下id:sakidatsumonoさん有難う御座います)
このコメントも受け、
仰るとおり、武田学園呉高校は当時は呉市にありました。ご指摘ありがとうございます。修正しました。
という修正コメントをしました。
その他、重複する批判が目立ってきたので、
追記
この記事は内容面で粗がありますので、はてなブックマークコメントも合わせて読まれるのをお勧めします。
という文言を冒頭ページに設置しました。
エゴサーチ等で得たコメントを受けて、上記はリアルタイムに修正しています。これでも穴があるのは理解していますが、それ以上に一番最後に書いていることが伝わるために、多少の穴を塞ぐに留めました。
なお、
不快に感じるのは旧帝大卒,保守,国会議員の片山さつき氏のような例を無視しているから。「なぜ」はともかく「こんな人」は偏見に過ぎない。ブログ主のリテラシーにも疑問を感じる。
こういうコメントも頂き、スターが沢山押されていましたが、「こんな人」という評価は、元のTogetterに準拠しているものですし、また片山さつきさんについては過去こんな記事を書いていますので、お暇な方は読んでみて下さい。(この方によるtopisyuの記事への言及は二回目。)
元トピ職人の解説など • [コラム]片山さつき参議院議員はコマッチャ!?
エゴサーチで修正 例②
先日のこの記事でも同じように修正をしています。
「ありがとう」「ごちそうさま」はお手軽で無料のマジカルワード - 斗比主閲子の姑日記
追記
清々しいという言葉で、一応伝える側の心にも影響を与えるということをチラッと触れたつもりでしたが、はっきり書いていませんでした。
この部分、脳内コマッチャは警鐘を鳴らしていたのですが、例えば、
もちろん、てんてこ舞いに働かれている方を足止めしてまで伝えません。あくまで、自然な流れで、相手がこちらの言葉を聞ける状態であるかを考慮して、適切なタイミングで言うようにしています。
これで、忙しい中言葉をかけられるのを嫌がる層を避け、
(その産業自体がブラックなものであれば、こういった感謝の気持ちを伝えることは罪作りなのかもしれませんが、それは別の話。)
「ありがとう」で劣悪な環境で働く状態を維持させてしまうことへの危惧を伝えつつ、
(謝る必要がない「ごめんなさい」なら、「ありがとう」で代替するように意識しています。)
「ごめんなさい」を使ってしまう人に意識を向け、
(topisyuは、具体的に何がどうおいしいかも説明してくれるとありがたいと考えています。)
「ごちそうさま」だけでは何も伝わってこない!と憤る人向けに自分もそうですよとエクスキューズし、
過剰だとか、ウザイとか、そう感じる人はそれほど多くない。
「ありがとう」を嫌がる人の可能性にも触れるといった、多くの「地雷」除去作業にかなり神経を使ったため、漏れていたものでした。
これだけ「地雷」除去作業をしていても、
確かに、話をさっさと切り上げたいとき、とりあえず相手の顔を立てたいときには、「ありがとう」「ごめんなさい」は有用だ。
だが、言われた方は自分の善意を無視された印象を受ける場合がある。
多用するのは注意した方がいい。
こういう反応をされる方がいましたので、どこまでやるかという話はありますが(この方はご自身で仰っている通り気持ち悪いですね)、逆に、その部分を読んで、
自由主義少女リベ子☆マギカ[新編] 叛逆の物語 - 脳髄にアイスピック
「いい、ラル。牛丼屋さんで、ごちそうさまなんて言う必要はないの。そんなこと言い出す奴はむしろ害悪よ!」
「なんでだよ! このトピ主さんのエントリ、『あ、こいつ現役時代はこうやって発言小町で釣りをしてやがったな』ってのがわかるこのエントリでもお礼は言ったほうが良いって書いているよ! 一言お礼を言うだけでお店とお客さんの間で円滑な関係が築けるんだよ!」
「そうね、確かにそう。でもこの人はこうも書いているわ。『(その産業自体がブラックなものであれば、こういった感謝の気持ちを伝えることは罪作りなのかもしれませんが、それは別の話。)』」
「……ハッ!」
こういうように受け止める人がいたりするなど、単に手間がかかる作業ではない、実りを得ることもあります。
ちなみに、この記事は、はてなダイアリーでは悪名高い、消毒さんから、
完膚なきまでの射精音www 愚劣の極みwww「金持ちの私が言うのだから間違いない」わ七億の「貧乏人が礼を執ってらあ」と同じだwww 此のバカわ「意見」するつもりで己が同じ穴の狢に堕していることに微塵も気付いていないwww http://t.co/ebq00ko4QF
— AntiSeptic (@AntiSeptic) 2014, 1月 18
このようなマウンティングをしていただくことができました。id:kyoumoeさんにも同じネタ絡みで言及されていらっしゃったので、消毒さんから反応あるかなと期待していたところだったので、これには思わずガッツポーズです。以前にも書いたように、topisyuは消毒さんが好きなので、反応してくれるのが凄く嬉しい。
野次や文句を読むために文章を書いています - 斗比主閲子の姑日記
何もこのようなことをしているのはtopisyuに限らず、批判・指摘を受けて追記をする人はいらっしゃいます。一度書いたものを修正するのは卑怯なことでも何でもなく、本筋が変わらない形での修正は、余計な誤解を避けられるメリットがある。
自分でタグ付けしておいて勝手に公開されたっていうのはいいすぎかと - rickdom
居酒屋甲子園は、どのように批判されるべきか。(井上 明人) - 個人 - Yahoo!ニュース
締め
このように、エゴサーチで自分へのコメントを探すことで、自分が書いた文章のどこに誰がどのような反応をする可能性があるのか、徐々に理解できるようになります。
指摘は適宜修正し、更に修正後の反応を見ることで、修正が上手くいっているかも確認できます。
これが結果として、脳内コマッチャ(脳内添削)の精度を上げることに通じ、「地雷」を避ける文章を書く技術を向上させることができるのではないかと考えています。インタラクティブで、即応性があるBlogならではですよね。
こういう文章テクニックは、Blogに限らず、メールなどの文章によるコミュニケーションが必要な機会ではかなり使えるものだと思います。ママ友へのメールもそうだし、取引先へのメールでもこういう気の使い方ができていると軋轢が起きにくいのではないでしょうか。
ただ、これを習得する過程では、軽い炎上に近いものを経験しなければならないので、何度か書いている通り、発言小町で自分の思っていることを投稿してみるのは近道だと思います。
小町は投稿する上で検閲がありますから、その検閲を突破するために、必然的に読みやすく、分かりやすい相談文を書くことを意識するようになりますし、手厳しいレスを身バレや個人の紐付けなくもらうことができます。一石二鳥です。素晴らしい。
以上、長々と書きましたが、結論として言いたいことは、発言小町を皆さん利用しましょうということです。こんな素晴らしいメディアは他にはないですよ。