この記事を書いた後で、
「何度言っても反省できない子どもと、妻がキレて子どもをしばき倒すのにモヤモヤ」 - 斗比主閲子の姑日記
もしかして我が家で特殊なことをしているかなと思った、子育てスタンスに思い当たりました。それは、子どもがしてほしいことを察しないこと、お願いされない限りやらないことです。
私は察することは得意ですが、日本人の察する文化はあまり好ましいとは思っていません。察することをできて当然とすると、察せない人は簡単に排除されちゃうし、察せる人同士でも実はお互い本当に毎度正確に察せているかは怪しいところがあると考えているからです。
自分がしてほしいことを何も言わずに他人に察してもらうことを期待するよりも、自分が望むことを適切に相手に伝えることを基本戦略にしたほうがコミュニケーションは安定します。
そんなわけで、子どもにも子どもがしてほしいことを、親である私が察していてもあえて対応せず、子どもの口からお願いがあって初めて対応するようにしています。子どもが言語をかなり理解してからは。そういう習慣を身につけたほうが得することを親の私から子どもにはホワイトボードで図示して説明したりもしてます。
例えば、子どもがお腹が空いているのであれば「お腹が空いている!」と自分の欲求を伝えるのは基本として、「お腹が空いているから、ご飯を作ってください」とお願いするところまでセットで言って、初めて(準備していた)ご飯を提供する。泣いてグズった場合は「どうしたいの?」と聞き続けて、「○○してほしい!」と言われたらすぐに対応する。
「おはよう」や「こんにちは」を言うことも同じようなことですね。ちょっとした一言なのにコミュニケーションを円滑化させる。相手にしてもらって嬉しいことがあったら「ありがとう!」と伝えることもそう。ご飯が美味しかったら「おいしい!」と言うのも同じ。
「感謝の気持ちは伝えれば、聞いた方も嬉しくなるよ。もしかしたら、またしてあげてもいいかなって思ってくれるかもしれない。少なくとも、私はお弁当のおかずを『おいしい!』って言われたら、同じものをすぐにまた用意するぐらいはする!」と教えています。
子どもが言語を解するようになってから、ありとあらゆる子どもからの要望について、本人の口から、お願いとセットで伝えるようにさせているので、たぶん、指導している回数は500回は簡単に超えているでしょうね。
お願いされたことに親がすべて応えるわけではないので、応えられることは応えられる理由を説明して対応し、応えられないものは応えられない理由を説明して対応しません。私が言った理由に、子どもが納得できないならば「どうしたらいいかな?」「他の方法はあるかな?」と一緒に考えるようにしています。
たぶんこういう風に子どもと対応している家庭は他にもあるでしょうが、もしかしたら珍しいかもと思ったので書いてみました。言う子どもだけではなく、言われる親のほうも楽になるのでお勧めです。
当然ながら、私が子どもにしてほしいことも子どもが察することは期待せず、理由付きで何度もお願いするようにしています。親が怒鳴ってやらせてたら、子どもは誰かを怒鳴ってやらせればいいと学びますからね。
※こんな話をたくさん書いてます。言語化の重要性。
そういえば、当たり前のことなので書いてませんでしたけど「大好き」「愛してる」と言動で伝えるのは、特に子どもが求めていないと察していても無条件で常時提供し続けています。