もちろん自分自身もそうなんですけど、子育てや部下育てをしていると、チャンスが人を作る部分は大きいなと思うことが多々あります。ここでのチャンスは役割としてしまってもいいです。
最年少取締役に抜擢みたいなことで、その役割を担うことで活躍をする人がいるじゃないですか。これはきっと、本人がその役割を獲得したことを喜んで発奮するということもあるでしょうし、単に経験値が増えるということもあるでしょうし、明らかでなかった本人の能力がそこでなら活かせるみたいなことが背景にあると思います。
だから、自分自身を育てたい・新しい能力を付与したい、子供や部下を育てたいというときは、積極的にチャンスを配置するようにします。もちろん、失敗の責任をどうするかはケアするし、望まないチャンスを供給するものじゃないですけどね。「やってみなはれ」の精神と言えばいいでしょうか。
ただ、ちゃんとそういうことを考えてチャンスを提供しても、思ったよりも成長しないということがあります。やる気もあるし、失敗してもいいよと言って、プロジェクトの担当者にして、それを何回経験させても、成長してくれない。
そういう時に何がネックになったかと考えるんですが、復習が下手である以外に、一つの要素として、それを活かせるだけの本人の基本的な資質・能力がまだないという時が結構あります。
例えば、夫に料理をしてもらいたくて、試しに一週間料理の家事を担当させてみたとします。本人にもやる気がありそうだし、やらせればできるようになるかと思いきや、いつまでたってもメシマズだったり、毎日3時間もかかったりすることがある。どうしてそういうことになるのか、夫が料理を作る手順を見ると、実は本人が何が美味しいか分かっていなかったり、料理のさしすせそといった基礎知識がなかったりするわけです。料理は確かに作ってくれるわけだから、こちら側の最低限の要求は満たしていますけどね。
チャンスを提供する側になると結構過度な期待をかけちゃうことがあります。でも、よくよく見れば、チャンスを受ける側にそのチャンスを活かせるだけの基礎ができていない時が結構ある。基礎が何かとは一概には言えないけれど、その役割を経験して実際に成長できた人には分かっている部分もあります。
チャンスを提供したものの思った以上の効果が得られない時は、少し急ぎすぎたということで、待ってみたり、基礎トレをしなおしてみたり、花咲くために必要な基礎が他に何かあるんじゃないかと見直しをしたりするといいなと考えています。