斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

子供はたくさんいて欲しいけど欲しくない

この話の関連(これ以上子供を望むか含めた我が家の避妊に関する議論 - 斗比主閲子の姑日記)です。これが読むに耐えられない人にはお勧めしません。あくまで我が家の話です。

 

今でも子供はたくさん欲しい

我が家で、子供をこれ以上持たないという話は今年の正月に整理したことですが、これが正解で今は悩み知らずだとかそういうことはありません。

 

今でも子供はもっといてもいいかなと思う気持ちはあります。自分に限らず、パートナーもそういう話をしています。

 

子供を持つ度に増す子供欲しさ

子供が欲しい気持ちは、子供ができる度に増えました。

 

元々、結婚したのは子供を持つためでした。大体、生きていてもこれ以上自分でできる面白いことはそんなになさそうだと考え、それなら子供でも育ててみるかと、制度的に有利であることから結婚を選びました。

 

最初の子供だけで、そういう意味では当初の目標は達成できたわけですが、これが一人育てているうちに、違う感情が出てきたのですね。「これ、辛いけど、面白い。もっといてもいいかも」と。

 

この感覚をもう少し具体的な言葉で表すなら、子供特有の可愛さ、スボンジのように物を吸収していく珍しい生き物、人生の追体験といった感じでしょうか。しかも一人一人が小さい頃から全然違う。個性がある。

 

子育てに比較できる娯楽は自分の人生にはこれまでになく、この娯楽をもっともっと楽しみたいと考えるようになった。子供が増える度に、その欲求が増していく。

 

子供を持つ度に増す子供を持つ辛さ

でも、子供が欲しいという気持ちと同時に、「子供がいると辛い」という気持ちも、子供が増えるのに合わせて頭のなかで広がっていくんですね。

 

経済的な話が一番分かりやすいかもしれません。子供が一人増えればその分養育費(もっぱら教育費)がかかりますし、その分仕事への復帰が遅れる。我が家での経済的な打撃は大きいものがありました。

 

他にも、二人の時間が減る、友達や知人と過ごす時間が減るというのもあります。一人なら誰かに任せられても、人数が増えると任せるのは凄く大変。2~3時間の映画を観に行くのでも、一ヶ月に一回取れるといいなという感じです。セックスの回数も減りました。

 

5.1chのスピーカーは子供がいたずらをするからということで撤去していますし、ソファもそろそろ二百万ぐらい出してまともなものを買いたいけれど子供が噛んだり舐めたりするから断念している状態。

 

もちろん、子育て自体も楽しいことばかりじゃありません。夜中に泣き続けたり、「違うの!」とこちらの言うことを全て否定することもありますし(これは割りと楽しいのですが)、毎日同じようなことの繰り返しにウンザリすることもあります。心が休まらない。自分がいなければ死ぬということの重圧。新たなメンバーが増えれば乳搾り、離乳食から始めなければいけない手間。

 

確かに、一人経験したら二人目以降は子育ては格段に楽で、かなり効率化はできるようになるものの、だからといって一人分の子育ての労力で、二人、三人、四人と相手にできるわけではありません。やはり、一人一人を見られる時間は減ります。体にかかる負担も大きくなる。腰が痛い。肩がこる。眠い。

 

締め

こういう葛藤が子供ができる度にありました。それが今でもあるわけです。子供は欲しいけど欲しくない。

 

冒頭の記事だけ読めばロジカルでさっくり落ち着いた議論に見えるかもしれません。そういう風に済む話もありますが、言葉にできないモヤモヤを随分長い間抱えることもあります。

 

言葉に出すプロセスが重要なのは、言葉に出すことで相手が自分を分かることもあるし、自分自身が自分の気持ちを整理することができるというのもありますよね。(もちろん、自分を規定してしまうことでの弊害がないわけではありませんが。)

 

たぶん、子育てに関しては、いつまでもモヤモヤを口に出し続けて、パートナーと話し続けると思います。

 

余談

最近、少子化の本を読み漁っています。自分の状態を客観的に見ることが目的です。いくつか紹介する機会があるかもしれませんが、とりあえず一冊目。

子どもが減って何が悪いか! (ちくま新書)

タイトルは思いっきり釣りです。少子化をネタにして男女共同参画を推進することに対する批判を統計的に行っています。

10年前の本であるため現状議論されていることや置かれている環境とは異なる部分がありますが、リサーチリテラシーを身に付ける意識を高める上では有用な本でした。