斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

"自分の夫が罪を犯してしまった……"という夢の中での相談

この前、お便りへの返信で答えるのを忘れていた記事がありました。

topisyuさんの夢見た

自分の夫が罪を犯してしまってそれを相談してる夢だった…
顔は出てこなかった
現実には結婚もしてないし彼氏もいないし相談したこともない

これが投稿された7/21時点でエゴサーチで引っかかっていて、「あなたで6人目ですよ」と書くはずでした。

それで、回答してなかったなーと思ってチェックしなおしてみたら、こんなブックマークコメントが上の記事についていたんですね。

ということで、id:xKxAxKxさんの要望として、「自分の夫が罪を犯してしまった。どうしたらいいでしょうか」という相談が仮にあったときの回答を書いてみるのがこの記事です。

http://www.flickr.com/photos/40173730@N00/3366367471

photo by YAIAGIFT™

※これ、Flickrでの"crime"での検索結果なんだけど、どこらへんが犯罪なんだろう?

 

そもそも論の確認から

そもそも論としては、罪を犯したといってもステータスが色々あるので、それの確認からしますね。刑法犯に該当するものなのか、自首しているのか、逮捕されているのか、刑は確定しているのか。自首していなかったり、冤罪の議論となると、また話は難しいので、とりあえず、ここから先は、刑は確定していて冤罪ではないという前提で続けます。

 

夫の犯罪はあなたには無関係

続いて、夫が犯罪を犯したことは、あなたには無関係という話をするでしょうね。共犯でないという前提で。

成人した子供の素行が悪いと親の育て方が悪かったとか言われたりしますよね。それと同じように、夫婦の夫側がしっかりしていない(例:シワシワのスーツを着ている)と妻が悪いと言われることがあります。

この発想の前提にあるのは、成人した子供やパートナーの所有権やコントロール権を親やもう一方のパートナーが持っているというのだと思います。後は、それらから発生する利益を分配できるんでしょという考えもありますかね。

実際には、成人した子供やパートナーの所有権やコントロール権を持てるわけでもないですし、利益配分なんかは外野がみて分かるものでもありません。ですので、これらでもって、親やもう一方のパートナーに、犯罪の責任の一端があるとするのは、ロジックとしてどうかなと思っています。(成人前の子供でも、親は子に関する責任を100%負うなんてことはないと思っています。権利がないから)

そんなわけで、「自分の夫が罪を犯してしまった…」という話をされたら、まず、「ご自身が罪の意識を感じる必要は、そんなにないんじゃないですかね」と言うでしょうね。"そんなに"は不要なんですけど、柔らかめにするために入れます。

 

罪が憎いのか、それを犯した夫が憎いのか

他人との関係の話は排除したので、今度は、罪を犯した夫との関係についてコメントするでしょうね。「罪自体が気になりますか?それとも、罪を犯した夫が気になりますか??」みたいなところを取っ掛かりにして。

「自分の夫が罪を犯してしまった……」と相談してくるからには、今後の自分の身の振り方を知りたいのでしょうが、これは対他人と対夫と対子供のどれかを考えているのかなーと分類します。

対他人については最初に説明しているので、次は対夫という話になりますね。たぶん、こちらの方が気になる人が多そう。

 

それで、この対夫の振るまいというのは、相手が大変な状況で自分がどう対処するかという話ですよね。比較的自分に責任があることの多い犯罪と同列にしちゃうとあんまりよくないかもしれませんが、例えば、パートナーがうつ病になったとき、ガンになったとき、会社をリストラされたときとか。

こんな時の検討ポイントは、その出来事自体がこれまでの夫婦関係にどんな影響を与えるかと、その出来事が一時的なものかどうかになると思います。前者については親類縁者や公的サポートを受けられるかどうかも考慮ポイントですかね。

結婚生活は比較的長いものですから、そんな中で、イレギュラーが何も起きない方が珍しいわけです。イレギュラーが起きるのがレギュラーと考える方が気楽じゃないでしょうか。年賀状で素敵家族を演出している友達が本当に順風満帆かなんて分からないのに、他人はみんな平穏無事だと考えちゃうものですけど。

 

犯罪って聞くと自分には関係ないイレギュラー中のイレギュラーに感じるかもしれません。でも、年間の犯罪の認知件数は150万件ぐらいありますし、検挙されているのも30万人ぐらいいるんですよね。イレギュラーっぽく感じるかもしれない他の統計データだと、うつ病・躁うつ病患者は100万人、年間倒産件数は1万件、交通事故の年間発生件数は60万件・1年以内死亡者数が6千人強、住宅火災は年間2千件ぐらいです。それらと比較して多いか少ないか感じるのは人それぞれだとして、まったくありえないものとして排除するものだとは思いません。

 

その他細かいコメント 

あとは、成人していない子供がいたなら、「子供のことはよく見ておくといいかもですね」と伝えるでしょうね。自分だけが無理なら周りの手を借りたりして。子供は影響を受けることがありますから。

犯罪が結構重くて実名報道されていたりするなら、形式的に離婚して姓を変えるという話も話題にはなりそう。これも周りのサポート体制次第だと思います。

 

締め

元の相談が結構抽象度高いので(そもそも夢)具体的でないですが、基本スタンスはこんな感じでしょうか。

こういう話は、身近な人にはなかなか言いにくいんですよね。親はいきなり離婚を進めてくるかもとか思っちゃったり、友達なら疎遠になるかもとか思っちゃったり。

相談事は人に伝えようと整理して書くだけで結構解決するものなので、そういう目的で匿名相談するのはありじゃないでしょうか。今度、この点について、もう少し踏み込んだ話を書きます。