斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

人に仕事を任せるのは自分でやるのが面倒だからです

人に仕事を任すのは本人の成長のためにありだけど、その人に基礎がないと上手く行かないことがあるよね」みたいな記事を書いたら、こんな関連エントリーを書いていただけました。

人に仕事を任せることができるのはひとつの才能だと思う - いつか朝日が昇るまで

実際にどんなに練習してもやってみないことには身に付かないこともあるし,やってみた結果,できないこともあって相手に迷惑かけることもあります。これはある程度は事前に予測できる部分もありますが,全て予測することは不可能でしょう。こうした予測できない部分,不確かな部分があっても仕事を投げられるってひとつの才能だと思うんですよね。私は心配になって仕事をあまり人に振れず苦しむタイプです。

相手に任せちゃうと不確実性が増えるから、そういう不確実性も許容できるのは一つの才能ではないかという話ですね。

こういうちょっと褒めてくれるコメントに対して、こういう返しをするのはよくないとは思うんですけど、人に仕事を任せるのは本人の成長を考慮する以外に、こちらにもメリットがあるんですよね。その方が楽だからです。

 

もちろん、仕事を上手く任せるコツはあります。でも、コツを知っているから、才能があるから仕事を任せるというと、それがスタート地点ではなく、自分でやりたくない(他の人がやってもらったほうがいい)という気持ちが先にあります。

改めて書くまでもなく、これは当たり前の話ですよね。何でもかんでも自分でやっていれば限界がありますから。部下にしたって、子供にしたって、いつまでも彼ら/彼女らのママ・パパはやりたくないわけですし。独り立ちして欲しい。

その上、自分以上に上手くやってくれる人がいれば、自分は他のことに集中できます。自分の生産性を上げられたり、自分がもっと楽しいことをできるなら、人に任せてしまった方がいい。経済学での、リカードの比較優位です。

比較優位 - Wikipedia

 

ちょっと話を広げちゃいますが、自分は、日本人は傾向として、個人でも法人でも自分で内製化しがちだなと思っています。上手くいってきたところもありますが、それで上手く成長できていない個人や法人もたくさん見てきました。

確かに、今上手く回せていることを、誰かにやらせたり、新しい取引先に任せたりするのは、不確実性を増やすことになります。それでも、自分でやるより、今の既存の取引先でやるより、うまみがあることは結構あります。

リターンが大きい以外にも、不確実なもの中にもよく見れば確実なものもあるし、リスクを低減するための施策もないわけではありません。

 

今、その仕事を自分で続けたいというのであればもちろん任せるという選択肢は別に選ばなくていいですよね。ただ、それが面倒だとか、他のことがやりたいとか、そういう気持ちがあって、相手もその気があるなら、仕事を振っちゃうのはありだとおもいます。

 

そもそも、仕事を任せるというのも仕事ですしね。

 

経済学を学ぶ (ちくま新書)

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