新年あけましておめでとうございます。
皆さんが義実家に帰省してモヤモヤを貯めこんでいるところ誠に申し訳ないのですが、年末年始共に我が家は平穏無事に進行しています。
特に目立った揉め事と言えば、宗家である我が家に義実家親戚が集まった際に、姑が「早く結婚しないと早く結婚しにくくなるわよ」というトートロジー戦法で独身男女をけしかけていたぐらいでしょうか。(もちろん、topisyuはこの姑の発言がいかに下策か知っていますが、親戚が集まらなくなってくれることはこちらとしては好都合ですから、姑の発言を肯定するも否定することもなく曖昧な表情で見守っていました。)
年末年始と言えば、皆さんこのように日常生活でのイベント事が重なるため、インターネットから離れる時。
そんな、大きな動きがない年末年始の日本のインターネットでも、炎上となれば話は別。今回の話は先日あった、とある炎上を見て思ったことを書くものです。
※文中で当該炎上案件については具体的に触れていませんので、その炎上案件を楽しみたい方、topisyuの狭い世界の中での話が引き合いに出ますので、そういうエピソードが嫌いな方は、そっ閉じを推奨します。長文です。
斜め方向に謝った上で、矛盾がある証拠をぶち上げて消化
その炎上は、一時大炎上したものの、今は小康状態です。ただ、火消しのやり方がかなり強引であり、延焼要素が残っています。
(本当はそこへのリンクを貼っておくと、読者の方にはここからの話は分かりやすいのですが、リンクを貼った上で、topisyuがその延焼要素を懇切丁寧に解説しますと、「何だ、全然謝ってないじゃないか」と気付く方が増え、再炎上しかねない状態です。ということで、不便ながらこの文章だけで状況を推測していただければ幸いです。)
本題はこの延焼要素です。大きく2点あり、
- ①問題視されている行為について、それが問題であったことを認めず、「気分が悪くなった人がいたら謝る」という斜め方向に謝っていること
- ②どう考えても時系列から矛盾がある証拠を提示して問題を矮小化し、自分が悪くなかったと弁明していること
です。
炎上が起きた後の火消しの常道
炎上が起きる背景については、以前こんなことを書きました。
あなたのBlogを炎上から守るには? - 斗比主閲子の姑日記
インターネットの炎上は、1.ある特定の層が不快を感じる文章・行為が、2.その層にリーチし、3.その層が言及することができる と発生するとtopisyuは考えています。インターネットならではの、誰でもがその情報にリーチできるという特徴が、炎上を生むわけですね。
そもそも、1が無ければ発生しない炎上ですから、実際に炎上した場合は、火消しとして、その不快を感じる文章・行為について、原因を把握した上で、今後の対策も含めて謝罪をする、というのが効果的だと言われています。
炎上したときに知っておきたい「本当」の対処方法 - Hagex-day info
次になぜ炎上したか、考えましょう。「社会的に許されない行為や発言」が原因だった場合は、素直にお詫びをします。
謝罪文を書く際には「謝罪」→「炎上を起こした原因の説明」→「再発防止対策」→「謝罪」の構成にすると、上手くいきます。
また、そもそもが読み手の方に問題があり、事実誤認があるのであれば、それを客観的に説明できる材料を示すというのもあります。
炎上したときに知っておきたい「本当」の対処方法 - Hagex-day info
もし「事実に反する」ことが原因で炎上しているのであれば、堂々と釈明をするだけで大丈夫です。「真実」こそ最大の武器です。
しかし、今回の炎上では、どちらもこのような火消しではなく、延焼材料を残す、下手をすれば追加燃料になりかねないものとなっています。
今回炎上された方がご自身の問題を理解されているのは、色々なやり取りの中で、あえて触れないものがあったり、特に重点的にコメントしているものがあったりすることから、おおよそ推測ができています。分かっているのに認めない。どうして自分の問題点を明示せず、こんな延焼を許す対処をしたのでしょうか。
色々考えていたのですが、この方の背景情報を含めて検討して、「社会的地位を意識して過ちを認められないのではないか」というところに辿り着きました。
社会的地位を意識して過ちを認められない人がいる
今回炎上された方は、インターネットで少し検索した限り、出身大学や現在のご職業含めて、社会的地位はかなり高い方であることが分かりました。
topisyuの経験では、社会的地位が高い方の中には、過ちを認めることについて慎重な方が多くいらっしゃる印象があります。これには色々な理由があるのですが、基本としては、過ちを認めること=自分の弱みを見せることになるからというのがあります。
社会的地位を構成するものには、その人自身に対する信頼や肩書があります。社会的地位がある人は、その信頼や肩書は、そう簡単には構築できるものではなく、長い年月瑕疵なく過ごしてきたからあるということが分かっています。
何か問題がある行為・発言をしたとして、それについて素直に認めて謝ってしまうと、それまで培ってきた信頼や肩書に泥を塗ることになります。だから、過ちを認められないし、謝ることもできない。
これは、極端な話で言うと、訴訟リスクを回避する行動とも言えます。昨年は、食品偽装事件が頻発していましたが、謝罪の中に「食材について言葉の意味を勘違いをしており、偽る意図はなかった」と主張していた企業があったことを覚えていらっしゃるでしょうか。
これは、本当にそのように事実誤認をしていたのかもしれませんが、topisyuは性格が悪いので、故意ではなかったとしてミートホープ社のように詐欺罪で立件されることを避け、比較的社会的イメージの悪くない景表法違反で済まそうという意図があるのではないかと見ていました。
社会的地位があると、訴訟リスクについてはかなり意識するようになり、裁判で負けるぐらいなら、一見すると矛盾があったり、問題がある証拠でも、提示して事なきを得ようとすることは、この件に限らず、見かけない話ではありません。
不自然な借用証を見た時にふと思い浮かぶ疑問に対する回答 - 斗比主閲子の姑日記
誤解を認めるなら延焼材料を残す方がマシという発想
そんなわけで、最初に戻るのですが、今回炎上された方が、
- ①問題視されている行為について、それが問題であることを認めず、「気分が悪くなった人がいたら謝る」という斜め方向に謝っていること
- ②どう考えても時系列から矛盾がある証拠を提示して問題を矮小化し、自分が悪くなかったと弁明していること
のような、一見すると悪手に見える火消しをしているのは、社会的地位があるからが故に問題を認めてしまうと、誰からか、それでもって(ネットではなく)リアルで非難されることを避ける、もしくは日々の習慣から自然にそういう振る舞いをしているのではないかと考えた次第です。
このやり方が悪いかと言えば、それはご本人のやり方ですし、守るべきもののためにやっていることとすればおかしいことではないと思います。是非を問うつもりはありません。こういう背景があるのではないかと考えたということを紹介してみました。
以上、ここまでが本文です。以下、余談です。
炎上を見た友人・知人がやってはいけないこと
今回の炎上では、ご本人が延焼させるだけではなく、友人・知人が火に油を注いでいました。具体的には、友人・知人であることをアピールした上で、この炎上された方が正しく、読み手が間違っているということを表明していたものです。通常の火事であればこのような行為は水を引っ掛けるような有効なものと考えてしまうかもしれませんが、ネット上の炎上では悪手です。
ここでどう書いても、今回炎上された方の友人・知人の方に届くことはないでしょう。もし、この記事を読まれた方で、ご自身の友人・知人で絶賛炎上経験中の方がいらっしゃったら、外部の人間が見える場所で擁護をすることは避けることをお勧めします。
理由を簡単に紹介しますと、先ず、身内擁護は身内であるから擁護しているとしか読み手は読まず、せっかく本人が火消しをしても、怒りを買うことに繋がるというのがあります。「せっかくこっちは許してやろうっていうのに、何だよ仲間内で慰めあいやがって。結局こっちの言っていることは表面的にしか受け止めてないってことだよな」と思われてしまう。
次に、一方的に叩かれている人に同情したくなるバランス派の人間が出現する機会を潰すことになります。バランス派は身内擁護を見ると、同情する気を失う難儀な生き物です。「せっかく支援するつもりだったのに、なんだ既に支援者いるんだ。じゃあ、別にいいかな」と思わせず、バランス派には上手く登場して頂きたいところです。
できることがあるとすれば、外に遊びに連れだして、炎上のことなんか忘れさせることでしょうか。炎上への対処としてはまずは気持ちを落ち着かせることというのはid:hagexさんが先ほどの記事にも書かれており、これを外野からお手伝いするということですね。
以上、余談でした。
ちなみに、本題と関係しませんが、topisyuは、自分の子供の名前含めて個人を特定できる形で、その子供の写真等をインターネットに公開している人の育児発言はまず疑ってかかるようにしています。以前も同じようなことを書きましたが、理由は、その人が、子供を自己の所有物としてコントロールする対象と考えている可能性があるからです。topisyuとは育児のスタンスが違うと考えます。