モヤモヤ特集の編集が済んでいないので、他の話でお茶を濁します。
本の中で書こうか少し悩んだんですけど、全然話が繋がらなそうで書くのを止めた、高校時代のエピソードでも一つ。
私が通っていた高校は俗にいう進学校でした。進学校ではよくあることだと思うんですけど、テストの点数さえ良ければ授業時間中に何をやってもいいということになっていまして、先生によっては「私の授業を聞いてもあなたたちの志望する大学には受からないから」なんて開き直っていたりしました。
私は授業中に先生の雑談を聞くのが好きで、そういう授業だけは先生に積極的に質問し、この人はイマイチだなと思う先生の授業は一切耳を貸さず、ひたすら内職(自分の勉強をすること)に励んでいました。勉強自体は好きだったので、つまらない授業を強制的に聞かされなくて済んだのはありがたかったです。
同時に、つまらない問題を解くのは嫌だったので、つまらないテストではテスト用紙の裏側で先生の顔をスケッチしていました。これは小さい頃からやってましたけど。
先生に強制的に受けさせられた、外部のつまらない模試では、自分の名前をおちゃらけネーム(例えば、与謝野晶子とか中大兄皇子とか)にして、成績上位者に載ることで溜飲を下げたり。つまらないことをやらされるときは、どうにか楽しむ方法を見出すようにしていました。
学校としてはアルバイトを禁止していたのですが、親からは子どもの頃から貧乏だと言われて育っていて、実際親からはお小遣いは大した額はもらえていなかったので、長期休暇や土日にだけアルバイトに精を出していました。
別に社会勉強のつもりはありませんでした。ただ、ファミレスで、ホールでは使いものにならずバックヤードに回されたり、休憩室でタバコをスパスパ吸っているお姉さま方の話を聞いたりして、知らず知らず自分の適正を考える機会にはなったんじゃないかと思います。
※おみくじも売りました。以降、二度とおみくじは買っていません。
アルバイトでのお金がもらえると古本屋に行くのが楽しみで、楽しみで。
私は小さい頃から古本が好きで、たぶん、これは幼少期の原体験によるものだと思います。5~6歳ぐらいのときに、当時はまだ残っていた駄菓子屋兼貸本屋で、なけなしのお小遣いをどう有効利用するかを考えて、古いマンガ雑誌を借りてたんですね。
高校時代のアルバイトで稼いだお金も、友達と一緒に遊ぶとかファッションに使おうという発想は出ず、古本屋につぎ込んでいました。あと、ラジオが好きだったので、録音用のカセットテープを購入するのにも使っていた。
色んな古本屋を探索したんですけど、私が気に入っていたのは、岩波文庫・岩波新書と浮世絵と成人向け本が売られているお店でした。店番は大抵夫婦のどちらかで、小学校が終わる時間になるとそのうちの子どもが店に入り浸っていて。
岩波文庫の古本は一冊150円~300円という価格設定。特に好みがあったわけではなかったので、洋の東西を問わず大抵は買っていました。三国志、水滸伝、金瓶梅、みんながハマるヘッセ、ドストエフスキー、ゲーテとか。岩波文庫ですから、森鴎外とか、夏目漱石とか、樋口一葉とか、明治の文豪系が必然的に多くなった気がしますけどね。記憶に残る一冊といえば『舞姫』。ふざけてると思いました。
昔から本は好きだったので、本好きになったのが高校時代かといえばそうではありません。ただ、読む本の幅が広がったのは、確実にこの頃の体験があったからです。
なお、これは高校時代のことで、大学時代のこと(裁判・新興宗教ウォッチ)は、本を買われてメールをいただいた方限定でお送りします。お楽しみに!
紙の本ですが、書店は大体出回ったみたいで、Amazonでも今日から発売してますね。他の本と一緒に買うと10%オフになるみたい。よろしくどうぞ!
— 斗比主閲子 (@topisyu) 2016年11月23日
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