斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

夫婦の趣味が合わない問題

8月は夏休みで更新が停滞していたTrouble shooter(読売新聞の人生案内の英語翻訳版)ですが、また再開されていたので、久々に紹介してみます。今回取り上げるのは、夫婦の趣味が合わない問題について取り扱った相談です。あるあるですね。

ちなみに、Trouble shooterの新エピソードは、The Japan NewsのFeaturesの欄で週二回更新されていますので、気になる人はこのページをお気に入りに入れておくといいかも。

 

相談内容

簡単に意訳をつけて紹介しますね。

TROUBLESHOOTER / My husband always casts a damper on my hobbies
1:02 pm, September 14, 2014

 

Dear Troubleshooter:

I’m a homemaker in my 60s. My husband, who is three years older than I, casts a damper on my hobbies.

3歳年上の夫が相談者さんの趣味に文句を言ってくるそうです。

I’m a great fan of manzai comedic dialogue, rakugo comic storytelling, kabuki and noh performances. When I was young, I was hooked on reading books. As I have less stamina than before, I enjoy these performance arts on CDs, DVDs and TV.

相談者さんは、昔は本を読むのが好きだけど、年をとってからは、漫才・落語・歌舞伎・能をテレビなどで楽しむようになったそうです。

My husband has a scientific mind. He loves sports and likes watching live broadcasts of sporting events on TV. I’ve never complained about this. As I’m not a sports fan, I go to my room to enjoy quiet time with myself when he begins watching sports programs.

I will sometimes watch a rakugo program on TV.

When my husband walks by and sees me fascinated by rakugo, he says, “Rakugo storytellers these days are nothing special.” Is he complaining? Or is he merely being a wet blanket? His way of speaking to me in that situation is so offensive I would hit him if I were a man.

夫はスポーツをやるのも見るのも好き。相談者さんは興味がないので、夫がスポーツ観戦をし始めたら席を外して邪魔をしないようにしている。

一方で、相談者さんが落語なんかを見てると、夫は「最近の落語家なんてたいしたことない」とくさす。

He has been that way since he was young, so I’m used to it. However, each time I hear him talk this way, I say to myself, “Why did I marry such a man?” But it’s too late for regret. I wonder if I have no option other than to ignore my self-centered husband for the rest of my life.

S, Oita Prefecture

これは昔からのことらしいけど、何でこんな人と結婚したのだろうと思っていらっしゃいます。そして、今更こんなことを言っても仕方がないので、今後無視して生きていかなければならないのでしょうかということで、相談されたそうです。

 

コメント

妻のテレビ観戦をくさすというのは、精神的に幼い夫ですけど、こういう人っていますよね。他人の趣味に一言言いたい人。

こういう発言の背景には色々ありますが、一番分かりやすいのは、①自分が面白くないものは、一般に面白くないものだという、自分が世界の中心という考えで生きている人でしょうか。仕事をしていたり、外で誰かにサービスを提供される際は、こういった殿様っぽい振る舞いはしないけど、家なら何でも許されると思っているんですよね。妻にだったら何でも言っていいと思っている。

後は、②本気でつまらないと思っていて、空気が読めない人だという可能性。

そして、好意的に見れば、③「そんなものより私を見て!」「私の趣味も一緒に楽しんでよ!」といった、構って欲しいという人というのもありえます。

大体この3つでしょうか。

解決策はそれぞれあると思いますけど、それはひとまず置いておいて、夫婦の趣味が合わないことでの衝突は、一般的で目立たない家庭内トラブルの元ですよね。家庭によっては、夫婦の趣味が同じだけど深さが違って喧嘩するということもあるでしょうが、それは珍しいかも。

夫婦といっても何でもシェアできるわけではないですからね。お互いに不可侵としたいものもあります。

何十年経ってから悩むのもつまらないですし、不可侵なら不可侵とする、シェアするならシェアをするなり、お互いの趣味をどう取り扱うかも、結婚前に話しておくといいかなとは思います。結婚後も折に触れ、スタンスを確認するといいですよね。趣味には時間もお金もかかりますから。

 

ちなみに、対処法は、

  • ①は、「私は面白いと思っているんだから、邪魔しないで」と相手に釘を刺す。
  • ②は、「これなんか面白いよ」と自分のお勧めを相手にシェアしてみる。
  • ③は、相手の趣味も一緒に楽しんでみる。

といったところですかね。人を変えることは簡単ではないので、できるなら③の対処法をやるのが一番手っ取り早いと思います。